11月5日に投開票が行われるアメリカ大統領選挙。民主党の候補としてトランプ氏との事実上の一騎打ちが予想されるバイデン大統領ですが、記憶力にかなりの問題を抱えているようです。今回のメルマガ『在米14年&海外販路コンサルタント・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』では著者の大澤さんが、バイデン支持メディアですら報じないわけにいかなくなった、現職大統領の深刻な記憶力低下を伝えるニュースを紹介。その上で、大統領選に他候補を立てられなかった民主党を批判しています。
バイデン大統領の記憶力
日本でも報道されていますが、バイデン大統領の年齢による記憶の衰えが大統領選の焦点になっています。
キッカケはバイデン大統領の機密文書問題です。副大統領や上院議員時代の機密文書を自宅や事務所で大量に保管していた問題を捜査されていたのです。
特別検察官は、8日に公表された報告書で、バイデン氏が「機密文書を意図的に保持し、第三者に開示していた」との見方を明らかにました。
しかし有罪に持ち込むだけの十分な証拠はないとし、刑事訴追は否定しました。
ところが、その報告書でのバイデン氏の深刻な記憶の衰えの記述がおおきな波紋を投げかけています。
ニューヨークタイムズの2月8日の記事抜粋をみてみましょう。
特別検察官ロバート・ハー氏はバイデン氏(81歳)を訴追しないことを決定したが、彼がその決定に挙げた理由の一部は、ホワイトハウスに新たな政治的危機をもたらした。
ハー氏は大統領との面談を振り返る中で、バイデン氏がオバマ・ホワイトハウス時代の重要な日付を覚えていない、あるいは息子のボーがいつ死んだのかさえ正確に覚えていないと描写した。
「バイデン氏は、私たちがバイデン氏にインタビューしたときと同じように、陪審員に対して、同情的で善意があり、記憶力の悪い老人であるかのように見せるだろう」とハー氏は書いている。
「80歳をはるかに超えた元大統領が故意の精神状態を必要とする重罪を犯したと陪審員を納得させるのは難しいだろう」とハー氏は付け加えた。
解説
バイデン大統領、この報告書の記述に「私の記憶力は大丈夫だ」と怒りの記者会見を開きました。
しかし直後、ガザ情勢について言及するなかで、「エジプトのシシ大統領」というべきところ「メキシコのシシ大統領は…」と言い間違えました。
2月4日は「ドイツの、いやフランスの、ミッテラン大統領は…」とフランスのマクロン大統領とミッテラン元大統領を混同しています。
また7日には、ドイツのメルケル前首相を、2017年に亡くなったコール元首相と言い間違えていました。
こうも続くと、バイデンを支持する左翼系の大手ニュースメディアもとりあげずにいられません。
そんな経緯で大統領の高齢問題が大きくなってきています。
以前の本メルマガにも書きましたが、バイデン大統領が再選されたら、2期目はじまりが82歳、退任は86歳であることは、最初から分かっていました。
それが分かっていて有力な候補者を立てられなかった民主党に問題があると考えます。
【関連】米民主党の機能不全。なぜ大統領候補にバイデンしか擁立できないのか?
PS
Special Counsel’s Report on President Biden and Classified Documents
以下、特別検察官ロバート・ハー氏の報告書の原文です。
● Special Counsel’s Report on President Biden and Classified Documents
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