「人手不足の救世主」から一転、排除へ? 外国人政策の“手のひら返し”に募るモヤモヤの本質

A,News,Headline,That,Says,"foreigners",In,Japanese
 

衆院選を前に、各党が「外国人政策の厳格化」を打ち出しています。つい最近まで「人手不足の救世主」と歓迎していたはずなのに、なぜ今、排除の論調が強まっているのでしょうか。技能実習制度がようやく廃止され、新制度への移行が決まった矢先のこの変化に、モヤモヤを感じずにはいられません。今回のメルマガ『デキる男は尻がイイー河合薫の『社会の窓』』では、発行者で社会健康学者の河合薫さんが、地方で目にした「共生社会」の豊かさと、「日本には見えない鎖国がある」という外国人の言葉から、本当に必要なものは何かを問いかけます。

「外国人政策」ってなぁに?

外国人政策、厳格化、ルールを守らない、犯罪、移民が無限に増える、外国人との秩序ある共生、日本語を話せない人は出ていってもらうetc. etc……。

衆院選を前に各党が、各政治家が、いわゆる「外国人政策」についてさまざまな政策やらなんやらを発信しています。 ちょっと前まで「外国人歓迎!人手不足の救世主!」だのと盛り上げていたのに。 これって何なのでしょうか?

海外から「奴隷制度」と批判され続けた技能実習制度が、やっと、本当にやっと2025年9月26日の閣議で廃止され、「育成就労制度」を2027年4月1日から施行することが決まったというのに。モヤモヤが募るばかりです。

在留外国人は増加、しかし実態は

確かに、日本に在留する外国人数は増加しています。 25年6月末の在留外国人数は、395万6,619人で、前年に比べて5%増え、過去最高を更新しました。

その背景にあるのが、2019年に開始された「特定技能制度」です。

政府は18年10月、新たな在留資格として「特定技能1号」と「特定技能2号」の2種類を創設。熟練技能が必要な業務に就く「特定技能2号」には実質永住権を与えるとした一方で、1号は「相当程度の知識か経験」と生活に支障がないレベルの日本語能力を取得条件とし、上限5年の在留資格を与えるが、家族の帯同は基本的に認めないとしました。

では、制度開始(2019年)から6年以上経ち、どうなったか? 特定技能2号の在留者はたったの3,000人程度です。これは特定技能全体(約33万人)の約1%に過ぎません。 仮に各人が配偶者1人・子5人を帯同したとしても、3,000人×7=約2.1万人規模です。

「やっと一人前になれそうだってところで、若い社員が辞めてしまう。なので技能実習生に頼るしかないのが現状。しかし、どんなに優秀な人材でも、日本語試験に受からないと日本に残れない。日常生活や仕事で不自由ないって思うんだけど、国の制度ですからどうにもなりません」ーー。

こういった声を私は何度も聞いてきました。 労働人口が減る中で、外国人に頼らなければ社会構造が成り立たないのが現実です。

この記事の著者・河合薫さんのメルマガ

初月無料で読む

print
いま読まれてます

  • 「人手不足の救世主」から一転、排除へ? 外国人政策の“手のひら返し”に募るモヤモヤの本質
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け