なぜ「原発が首都圏から遠い理由」を聞くのはNGなのか?

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10月15日、敷地前での反対集会を尻目に再稼働した鹿児島県の川内原発2号機。安全性は充分に担保されているということですが、それは信じられるものなのでしょうか。かつて内閣府原子力安全委員会に身を置いたこともある中部大学教授の武田邦彦先生は『武田邦彦メールマガジン「テレビが伝えない真実」』の中で、日本には「地震が来ても原発は安全」という建前が通ってしまっていると暴露しています。

「原発は危険だが安全」!? 日本社会で今だに蔓延る本音と建て前

フランスの原発は延々とつづく田園風景の中にごく普通に見られます。私が最初にフランスの鉄道に乗ってパリから南に下っているとき、普通の風景の中にニョキッと原発の冷水塔が建っているのを見てびっくりしたことを今でも覚えています。

「原発は安全か、危険か」を議論し、賛否を投票し、賛成多数で「原発は安全だから建設する」とフランスでは決まったので、「安全ならどこでも建てて良い」と言うことになっています。たとえばパリの電気を供給する原発は、パリを流れるセーヌ川のすぐ近くの上流に2ヶ建っています。日本ならパリから300km(東京から原発のある福島と新潟は300km離れている)離すところですが、フランスではパリのすぐ横、しかもセーヌ川の上流に建設します。

だから、原発が爆発したらパリ壊滅しますし、普段からセーヌ川には原発の廃液や冷却水が流れていますが、誰も気にしません。「原発は安全」というので建設したからです。

床の間のないフランスでは「本音と建て前」には差はありません。だから原発が安全なら安全、危険なら危険です。ところが床の間のある日本では「床の間の前では建前台所では本音」という使い分けがあり、「原発は安全だけれど危険」というおおよそ論理的ではないことが現実に行われます。

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