伝説は現場で起きた…。素人だらけの寿司屋がミシュランに載れた理由

2015.10.28
by まつさん。
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開店からわずか11ヶ月の飲食店が「ミシュランガイド京都・大阪2016」に掲載され話題となっています。そんなドラマのような快挙を成し遂げたのは大阪府大阪市にある寿司屋鮨 千陽」。この事実だけでも驚きなのですが、さらに世間を驚かせているのは、そこで寿司を握る料理人が全員、寿司経験1年未満だということ。聞いただけでは素人が握る寿司屋にしか思えませんが、一体どういうことなのでしょうか。

たった3ヶ月で寿司職人を育成

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実は「鮨 千陽」は、調理師学校「飲食人大学」の卒業生と生徒で切り盛りをしているお店だったんです。この学校は、一般的な1年制の調理師学校のカリキュラムを「現場実践」と言うキーワードで見直し、現場で通用する技術をわずか3ヶ月という短期間で修得できる短期集中型のプログラムが特徴。

今回ミシュランガイドに掲載された「鮨 千陽」は、飲食人大学の「寿司マイスター専科」で現場の即戦力として活躍できる寿司職人になるために、3ヶ月の集中特訓を受けた生徒と卒業生たちによる料理が提供されます。

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ミシュランガイドの掲載文では、学校が経営するからこその、日本の文化料理の技法忠実に則った江戸前鮨が評価されています。

「寿司の技術を教える学校を経営する店だけに、握りは基本に忠実だ。先付と刺身の後に、数貫の寿司を供するおまかせ1本のみ。足りなければ追加するスタイルだ。シャリは旬のネタによって塩梅を変える。例えば、魚の味が比較的淡くなる夏は昆布と赤酢を利かせ、味の濃い魚がそろう冬には、米酢に変えてネタ との一体感を生み出す。柵漬にしたマグロの赤身には辛子をあしらうなど工夫がある」

「ミシュランガイド京都・大阪2016」より

包丁すら触れない元営業マンの快挙

「鮨 千陽」の快挙はミシュランガイド掲載だけにとどまりません。副店長・輪本貴文さんが、今年9月に開催された「第6回食の都・大阪グランプリ」にて和食・日本料理部門優勝を手にしたのです。

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驚くべきは輪本さんの料理経歴、なんとたったの9ヶ月。元々は飲食業界未経験の営業職で、包丁すら握ったことの無い素人同然だったという輪本さん。飲食人大学で3ヶ月、現場で即戦力として使える調理技術を徹底的に学び、今回のグランプリで堂々の優勝を勝ち取ったというのですから、飲食人大学が現場実践型のカリキュラムを貫くのもうなずけます。

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それだけでなく、飲食人大学はこれまで男仕事と思われていた寿司職人の世界から女性を羽ばたかせようという動きも。「鮨 千陽」では、すでに飲食人大学でのカリキュラムを終え活躍する女性職人の姿も見ることができます。

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一人前寿司職人になるまで10年はかかる」なんて言われることもありますが、貴重な時間を有効的に活用し「現場で今すぐ使える技術」を徹底的に学ぶことで、わずか3ヶ月でも確かな技術を得ることができることを飲食人大学は証明しています。

source:飲食人大学

記事提供:ジモトのココロ編集部

 

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