偽装結婚が「本気の愛」に。話を聞いた若者と年配は真逆の反応?

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「結婚と愛」をテーマにした勉強会に参加した官僚の友人からの話。日本人男性との偽装結婚の疑いをかけられて検挙された中国人妻、しかし彼女らは夫婦としての愛が芽生えてゆき……。この話を聞いた官僚たちの反応は、若者と年配者の間で「世代間ギャップ」が見られたということです。メルマガ『異種会議:戦争からバグパイプ~ギャルまで』の著者である加藤健二郎さんは、この友人からの話について持論を展開しています。 

結婚と愛、官僚内会議

検察庁や出入国管理局から参加者たちの勉強会に出ていた友人官僚君の話。

日本人男性と結婚して日本に住んで就職していた中国人女性が、偽装結婚の疑いで検挙されたときのことがテーマの1つになったと。書類的には本物の結婚であり、偽装でも非合法でもない。

しかし、ここに「偽装?」の疑いをけられてしまうのが国際結婚だ。

検挙された中国人女性は、検察の質問に対して「ハイ、偽装結婚です。日本に住みたいこと、日本で働きたいことが目的で結婚しました」とスンナリと自白していた。しかし、夫婦の生活状況を調べると、夫婦生活の実体あり、夫婦の人間関係も信頼しあっている関係とも取れ、「偽装結婚ではなく、ちゃんとした結婚だ」と判断し釈放された珍しい例だったとのこと。2005年あたりの事例である。

テーマになったのは、夫婦になっている2人が知りあうキッカケとなった縁結びの神が、偽装結婚を促す業者であったこと。動機が、中国人にとっては「ではなく日本へ行きたいだったこと。しかし、出会った後、2人は「信頼し合ってる」といえる夫婦生活をしていること。交際の前から愛がなくても、つきあい始めてから愛や信頼が芽生えるんでもいいのではないか、ということ。

この許容する側の意見に反対したのは、法務省の若手だったという。「いえ、愛のない結婚なんて、結婚生活として認められません」と。すると、50才近い幹部さんから「えっ、愛のない結婚って、俺の家庭のこと?」って笑いを取ろうとしたが、中高年の笑いしか取れず、若手官僚はシラっとしていたと。 

勉強会のテーマは「愛のある家庭かぁぁ。結婚の動機だって、見合い結婚だから、愛があってしたわけじゃないしなあ」という方向に脱線したとか。 

中高年官僚さんは「いやはや、若者は、法の遵守というか、法の適用が、すごく厳しいんですよ。まあ、法務省の役人だから、それが正しいのかもしれないけど、俺らなんか、どんどん取り締まられちゃうよなあ」と話のわかりそうな人生やってるカトケンに話してくれた。 

カトケンの側からも「そういえば、東大の学園祭に行ったときに、東大OBの友人(自治省OB)の後輩のテント前でバグパイプ吹いてたら、学園祭実行委員に、音を出す許可書はありますか、と禁止を命じられたことがあり、そのOBが、最近の学生たちは、他人の行動に禁止と言ったり規制することを喜々としてやってくるよなあ。あつつらが官僚になって実権握る時代には、規制規制禁止禁止法律法律の国になってるかもなぁ、と言ってたよ」と言う。 

カトケン的には、他人の行動に禁止命令出したり、他人の自由を拘束する行為というのは、できれば、やりたくない気分マイナスモードな仕事なのだが、たしかに、学園祭実行委員会東大生は、嬉しそうにやっていた。「俺たちじじいは、若手官僚に逮捕されるね」と。民主主義は多数決。その時代の主流が、喜々として法律執行をする世代の人たちになったら、じじいたちはそれに従うしかないよね、と。

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建設技術者→軍事戦争→バグパイプ奏者、と転身してきてる加藤健二郎の多種多様人脈から飛び出すトーク内容は、発想の転換や新案の役に立てるか。
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