“次のSMAPはもう出てこない” 解散報道、海外大手メディアも反応

2016.01.18
by ニュースフィア
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13日にSMAP解散のニュースが流れ、日本中を驚かせた。大事件ではあるが芸能ニュースであり、騒いだのは国内メディアだけと思いきや、実はBBCやウォール・ストリート・ジャーナル紙等の海外大手メディアが、このニュースをいち早く報じていた。いったい海外はSMAP解散報道のどこに反応したのか。

文句なく、国民的アイドル

SMAP解散のニュースをいち早く取り上げたのは、英BBC、英大手リベラル紙のガーディアン紙、米ウォール・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)のブログ、そして世界3大通信社の一つAFPだ。

いずれもSMAPを日本の国民的アイドルと説明。AFPが週刊新潮の記事を引用し、年間250億円を稼ぎ出すと紹介すれば、WSJは、トヨタやコカコーラなどの顔として活躍し、1988年のデビュー以来、3500万枚を超えるシングルとアルバムを売り上げたと述べる。ただガーディアン紙は、「中居正広の音痴は日本の芸能界ではお決まりのジョーク」、「当たり障りのない歌詞と無害な音楽性で全世代のファンを獲得した」といった評まで加えている。

スポーツ紙が解散を報じた後、大手紙がこぞって主要ニュース扱いで取り上げ、公共放送であるNHKまでもが大急ぎで事実確認を行ったことをAFPは伝え、解散報道の日本での注目度の高さに注目した。

BBCは、いくつものヒット曲を出しただけでなく、バラエティ、ドラマ、報道など多くの分野に渡って活躍するようになった最初の男性アイドルグループだと紹介。中国、韓国などでも人気があることから大使的な役割を果たし、尖閣問題で日中関係が冷え込むなか、2011年の北京コンサートで4万人のファンを集めたと述べている。

ゴシップに興味津々

各メディアが次に注目したのは、SMAPが所属するジャニーズ事務所の内紛だ。この部分に関しては、ゴシップ好きな国民性を反映してか、ガーディアン紙とBBCがかなり細かい。ガーディアン紙は、解散の原因は、事務所を退社するというSMAPのマネージャー飯島三智氏の決断だとし、人気ダントツの木村拓哉以外の4人が、飯島氏に追随する予定と説明。飯島氏はSMAP結成以来のマネージャーだが、ジャニー喜多川社長の姉のメリー喜多川氏と犬猿の中で、新事務所設立の噂もあると述べている。

BBCも飯島氏と創業者側に確執があるという日本の報道に言及し、事務所側が解散に関して協議中であることを認めたと述べている。一方で、報酬引き上げなら事務所に残るという交渉をしていることも考えられると、ちょっと下世話な推測も披露した。

「アイドルとしては賞味期限切れ」

各メディアが最も注目するのは、メンバーの年齢だ。WSJは、SMAPは20年以上に渡り日本のポップカルチャーのアイコンだったとしながらも、38歳の香取信吾を除き全員40代と指摘。AFPも「永遠の」男性アイドルグループと形容するが、ファンの中心はグループが全盛期だった時期に共に成長してきた現在40代の女性たちだと説明する。BBCに至っては、彼らを理想の息子のように思い、全国のコンサートを回って高価な贈り物をする年配女性ファンも多いとし、ほぼ30年も芸能界にいるSMAPのファン層は厚いと述べている。

ビルボード誌の元アジア支局長、スティーブ・マックルーア氏は、「アイドルグループとしては驚くほど人気が続いている」とSMAPを評価するが、「アイドルとしての賞味期限はかなり過ぎた。解散は遅すぎた通過儀式と言えるのかも」と述べている(ガーディアン紙)。

同氏は2015年の紅白歌合戦が記録的低視聴率に終わったことに言及し、「紅白は行く、そしてSMAPも」と述べる。SMAPは皆がテレビで同じものを見ていた時代のアイドルであり、マーケットも今のようにバラバラではなかったと述べる同氏は、おそらくもう、次のSMAPが出てくることはないだろうと、ガーディアン紙に語っている。

(山川真智子)

 

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記事提供:ニュースフィア

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