『真田丸』第5話をマニアック解説。景勝公の無口は本心隠す処世術?

2016.02.07
by yomeronpou
5回目 copy
 

豪華キャスト陣と三谷作品ならではのドタバタ劇が好評のNHK大河ドラマ『真田丸』。MAG2 NEWSではナワバリストと呼ばれる城郭研究家たちが、毎回のドラマをさらに楽しむためのワンポイント解説をお送りいたします。今回は、人前で口をほとんど口をきかなかったという上杉景勝にスポットをあて、その家系から景勝を演じる遠藤憲一さんのセリフ回しまで、その見どころをマニアックに解説します。口をきかないのに「セリフ回し」ってどういうこと!?

今週のワンポイント(2月7日)

今週の注目人物は、遠藤憲一さん演じる上杉景勝。景勝は、上杉謙信の姉と長尾政景との間に生まれた子で、謙信の甥にあたる。謙信の急死によって起きた御館の乱では、北条氏政の弟で 同じく謙信の養子となっていた景虎後継者の座を争うこととなる。景勝は北条軍の介入を排除し、景虎を倒して越後国主となったわけだが、内乱の後遺症として、越後国内の各所に火種が残ることとなった。この乱に際して、武田勝頼は当初は北条氏政と同盟関係にあったことから景虎を支援していたが、途中から景勝支援にスイッチした。この結果、勝頼の妹の菊姫が景勝に嫁いでいる。

ところで、ドラマに出てくるマップ越後北部で上杉家の勢力が途切れたような表示になっているのに気付いたかな?これは、有力国衆の新発田重家が織田方と結んで景勝に叛旗を翻していたため。織田軍が武田領内に侵攻した時、景勝は勝頼を助けるための兵を出した。しかし、こうした 事情もあってあまり積極的には動かず、結果的に勝頼を見殺しにする形となってしまった。

この景勝という人物、実際には人前でほとんど口をきかなかったらしい。これは口べたな性格というより、他人に本心を見せないための処世術だったようだ。もちろん、ドラマでは「……」というわけ にはいかないので(ゴルゴか!)、遠藤さんはちゃんとしゃべります(笑)。 ただ、このドラマでは、厳しい状況におかれた人間のタテマエとホンネ、表と裏も見どころの一つだと僕は思う。そんなことも踏まえながら、遠藤景勝のセリフに注目してみよう。 (西股総生)

今週のワンポイントイラスト

上杉景勝公、無言で本心を隠しても、お腹の音で空腹は見抜かれる…な〜んてこと、あったかもしれませんね。

 

文・絵/TEAM ナワバリング(西股総生・みかめゆきよみ)

ナワバリスト(城郭研究家)の西股総生率いる、お城(主に山の城)と縄張りを愛する3人組

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