復活の大魔王!桜の森の満開の下で豪快に喰らう「山賊焼き」のお味は?

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全国の悪魔ファンのみなさん、お待たせしました! 沖縄の「てびち」与那国島の“泥酔”レポートの後、寒さのためやむなく中断していた、大魔王ポルポルさんによる日本征服の旅。この4月から、満を持して再スタートです! ……というわけで、久しぶりに寄せられたのは、再スタート地点の熊本県に向かう途中でふらり立ち寄ったという、山口県の山深くにある山賊たちが集う料理店のレポート。悪魔vs山賊という注目のマッチアップ……さて結果は如何に?

溢れる鶏の肉汁!豪快・山賊焼きに悪魔も仰天

がッハッハッハ!! 久しぶりの大魔王ポルポルである。

九州全土の征服を目論んだものの、冬の寒さで野宿ができず、仕方なく沖縄に避難していた我輩。実はその後、再び九州は博多に再上陸していたのだ。

ところが、九州はまだ寒く……。熊本までは移動したのだが、そこで今冬の九州征服を断念。熊本で知り合ったニンゲンの家に魔魔チャリ(ママチャリ)を置かせてもらい、大阪へ避難していたというわけだ。

そして4月。ようやく暖かくなったので、再び九州から征服活動を開始する。……で、今回は小手調べということで、再スタート地の熊本に向かっている途中で見つけた、我輩にピッタリの店を教えてやろう。

 

……ここは山口県のとある駅。

各駅停車で熊本へと向かう途中、休憩がてら途中下車した我輩。目の前に広がるのは、のどかな田園風景……兵庫県で食べたそうめん巻きずしの時も田園風景が印象的だったが、そのときと同じくらい、のほほんとした雰囲気だったのだ。

「ガッハッハッハッハッハ!! なんとのどかな風景なのだ。素晴らしいぞ

小声で叫びながら田園風景を存分に味わう。空気も美味しくて最高だ。なんだか有頂天になりアテもなく歩き出すと、突如として我輩を驚かせる建物が現れた。

「な、な、なんだ! この巨大な建造物は!!」

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桜が咲き誇り、大きな看板がそびえ立つ。店の名は「いろり山賊」。大魔王の旅にふさわしい、「山賊」を名乗る店であった。

「す、す、すばらしいではないか。こ、この景色……!」

びっくりした我輩はさっそく、まぐまぐにいる我が下僕に連絡を入れた。

「ガッハッハッハッハッハ!! すばらしいお店を見つけてやったぞ! この店を我輩が支配して、貴様らに送りつけてやろう。ガッハッハッハッハッハ!!」

するとまぐまぐは「あ、お願いします」と、あっさり二つ返事で承諾。さっそく我輩は、店に突入することにしたのであった。

「ガッハッハッハッハッハ!! なんだ、ココは。店の中なのに、桜が咲いていたり、外で食事を楽しめたり、素晴らしい場所ではないか」

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店の中はまるで祭りのようになっていて、至るところに提灯が飾られてある。我輩はワクワクした気持ちで、奥へと進んだ。目指す場所は事務所。もちろん「我輩に征服させろ!」と宣言しに行くのだ。

……あのー、すみません。私、日本一周をしながら記事を書いたりしているのですが、このお店の記事を書いてもいいでしょうか?」

事務所にいたニンゲンも、よほどの出来事に驚いたのか「こ、こ、この顔でやられているのですか?」と、素っ頓狂なことを聞いて来る。

「ま、まぁ……日焼け止めで」

思わず我輩も、それ以上の素っ頓狂な答えで返してしまう。

 

店の許可をもらって通されたのは、あまり目立たない個室のようなVIP席のような場所。ここだと他の席のお客さんに騒がれることもない。

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個室の小窓を覗くと、桜が見事に咲いている。

「ガッハッハッハッハッハ!! さすがは神対応である。我輩に気を遣い、取材のやりやすい場所をあてがうとは素晴らしい店だ」

「魔王」が「神」とはややこしいが、とりあえず上機嫌で注文をする。

「えーっと、この山賊焼きをひとつと、肉うどんを下さい」

注文を取りに来た、さっきとは別の店員は、我輩の顔を見て

「え、この顔でやられてるんですか?」

と、驚く。

「いや……まぁ、そうなんですよ」

我輩は、さすがに恥ずかしくなった。

 

しばらくすると、注文した「山賊焼き」「肉うどん」が運ばれてきた。

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見た目も豪快な「山賊焼き」。香ばしい肉のにおいが辺りに広がる。

「す、すばらしい!! なんと豪勢な肉なのか!!」

大きな串に刺さった鶏肉は、まるでハンターが食べる肉のようだ。

ひと口食べると食べごたえがあって、口の中で肉汁が溢れ出てくる。甘ダレで焼かれていて、想像以上に食べやすい味わいだ。我輩もこの時ばかりは大魔王を止めて、山賊になった気分でかぶりつく。

「ガッハッハッハッハッハ!! ひと口で我輩の血となり肉となっていく。我輩の血液を作り出しておるのだ!!! ガッハッハッハッハッハ!!」

我輩は店員には聞こえないように叫び、今度はうどんをズルズルとすする。

少しのっぺりとしたうどんの麺は、なかなかのコシ。出汁もしっかり効いており、大満足の味だ。

「素晴らしい! なんという店なのだ。感動である。ガッハッハッハッハッハ!!」

外を覗くと、満開の桜が我輩を祝福するように咲き誇っている。

「ちっ!! こんなに桜がきれいだと、写真を撮りたくなるではないか!!」

我輩は思わず個室を抜け出し、桜の木の前に立つと

「あのー、すみません。写真を撮っていただけませんか?

と、店員に頼んでみた。

「やー、こわ! そんな顔で礼儀正しく頼まれても……」

突然の申し出に驚いていた店員だったが、我輩の姿に少しは慣れたのか、なんとか撮ってもらえた。

「満開の桜によく似合いますよ、大魔王様! ハハハ!!」

「は、はい……」

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食べ物に満足し、そのうえ桜も見れて大満足の我輩。

「ここは“山賊”がメインのお店。我輩は大魔王である。ゆえに、侵してはならない領域である」

そう結論付けて、この店の支配をやめることにした。

我輩は熊本へと急ぎ戻り、魔魔チャリ(ママチャリ)を再び駆り、熊本・鹿児島・宮崎の支配に向かわなければならない。食べ終わると、すぐにお会計を済まして店を出た。

店を出るときに、店員が見送ってくれた。

「がんばってください。……日焼け止めはあまり塗らずに、素顔のほうがいいと思いますよ」

最後にそんなありがたいアドバイスまでもらった。(つづく)

 

DATA:
いろり山賊 玖珂店
住所:山口県岩国市玖珂町一の滝1380-1
営業時間:9:30~翌5:00
定休日:無休

 

『大魔王ポルポルの日本征服の旅』
著者/大魔王ポルポル
日本一周の旅をしている大魔王ポルポルである。旅の裏側、隠れた小話など話したいことは盛り沢山!! だがしかし! タダで公開はできない。メールマガジンで日本のいろいろなことを掲載するのだ。メルマガに記載のアドレスに悩みや質問を送ってくれればメルマガで公開回答するぞ! ガッハッハッハ!!
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