【熊本地震】なぜ台湾は、いつも日本を助けてくれるのか? 日台支援の歴史

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14日に発生した熊本地震。深刻な被害をもたらしたこの震災に対して各国から支援の声が挙がっていますが、中でも台湾は現政権から次期総統、地方自治体の首長に至るまでの多くの公人、そして企業を含む私人がいち早く義援金寄付を表明するなど、いくら感謝してもしきれないほどの動きを見せてくれました。メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では、当震災に関しての中国・韓国の信じ難い反応を紹介しつつ、日本人なら知っておきたい日台相互支援の歴史について記しています。

台湾が日本から学んだ援助の心、「親切心は百害あって一利なし」の中国

台湾、6,500万円寄付を表明 支援の動き広がる

熊本地震の被害者は増える一方で、せっかく地震からは逃れることができても、避難所で亡くなるお年寄りや、車の中で生活していてエコノミー症候群で亡くなった人も出ています。

余震が続く中、交通が分断され避難所との連絡も行き届かず、不安を抱えながら毎日を過ごす人々を思うと、とても胸が痛みます。東日本大震災からまだ完全に立ち直っていないうちに、再びこれだけの大規模な地震が起こりました。

日本は地震大国ですから、その他の地域に住んでいる人にとっても、他人事では済まされません。そうした気持ちは、恐らく日本人に共通していることでしょう。東京でも、熊本の物産館で買い物をすることで援助活動をしようという気持ちの人々が行列を作って商品を買っていました。

アメリカ、イギリス、ロシア、タイなど海外からも多くの支援の声が挙がっています。そのなかでも、日本と同じ地震大国である台湾は震災後いち早く支援を申し込んでいます

最初の地震が起こった際、馬英九政権は1,000万円の支援を申し出ました。その後、「本震」と言われる大地震が再び起こると、台湾内からの少なすぎるとの声を受けて、馬英九政権は支援額を6,400万円に増額

もちろん蔡英文次期総統は、馬英九よりも早く哀悼の意を述べ、民進党の党費から1,000万円の支援を決定しました。民進党系の代表的首長である陳菊・高雄市長などは、くまもんとの2ショットの写真を掲載して、自身の1カ月分の給与を寄付することを表明。

その他、頼清徳・台南市長、林佳龍・台中市長、鄭文燦・桃園市長などの民進党系首長も、それぞれ日本との交流があるなどの理由から、いずれも1カ月分の給与を寄付することを表明しました。

無党派の柯文哲(かぶんてつ)台北市長も、同氏のFacebookで、「台湾は過去に何度も災害に遭い、日本の友人は常に最大の協力をしてくれた。支援の思いを表明したい」と書き込んだほか、ツイッターでは日本語を用いて日本への見舞いをいち早く表明しました。

熊本地震に台湾の支援拡大 「日本の友人は常に最大の協力をしてくれた」

さらに、台湾の中国信託金融ホールディングが3,300万円の寄付を表明し、屏東(へいとう)県も救援隊を結成していつでも救援の要請に応じられる準備をしているそうです。

ちなにみ、屏東県と日本とのつながりは大東亜戦争当時にまで遡ります。大東亜戦争中、屏東県には日本陸軍の飛行場があり、屏東県の港である東港には日本海軍航空隊が置かれていました。東港には、今でも日本軍人を祀る小さな祠「日本軍魂廟」があります。

また、屏東県にある台湾本島の最南端の岬である鵝鑾鼻(がらんび)には、大東亜戦争中にバシー海峡で犠牲となった日本人を祀る潮音寺が建っています。

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