外国人だから見える日本の美点。「和の国」が世界中を感動させる理由

 

「静かに美しく毎日が過ぎていき」

こうした流儀で、「大いなる和の国」には平和が保たれている。それは争いの続く国から来た人々にとっては、望んでも得られないものだ。インドから来て在日経験通算5年のモハマド・ラフィさんは、こう語っている。

日本に暮らしていて最も素晴らしいこと、それは毎日の生活が無事に繰り返されていき、それによって、きちんと仕事をすることができることです。

 

朝太陽が昇り、1日が始まる。人々が目覚めて仕事に向かう。やがて日が沈み人々は仕事を終えて家に戻って休む。夜が来て月が天に昇る。その繰り返しが今日も明日も明後日もずっと続いていきます。静かに美しく毎日が過ぎていき、全てが、いろいろなものや人の役割が、きちんと機能している。

 

日本の人たちはそういった意味で、自分たちの国をとても大切にしていると思います。自分の国を汚くすることがない、私はそれを尊敬しています。公共の場所や道路を散らかさない、という意味だけではなく、政治的な問題や社会的な問題が起こったときなどにも暴動を起こして建物を壊したり火を放ったりしないし、ストライキで国中が混乱状態になってしまうような事態も起こりません。それは大変珍しいことです。

 

今日の続きとして明日を、明日の続きとしての明後日を、安心して待つことができるので、未来への計画も期待も持つことができます。1日1日が平安とともにあります。それが日本の経済力やハイテクノロジーなどの、世界に誇っている力を生み出しているもとになっていると思います。

世界有数の経済力も技術力も、「大いなる和の国」の静かな美しく過ぎゆく日々がもたらしたものである。

「恩や義理人情」

「大いなる和の国」に存在する「恩や義理人情」の「美徳」を、日系ペルー人のカトリック神父で、戦後の日本で貧民救済事業にあたっていた加藤マヌエルさんは指摘する。

また、日本人が持っている「美徳」のひとつは、「恩や義理人情」です。通算13年ほどの滞在期間中、私は私にできる限りの援助をその当時困っていた方々にしていたのですが、今はその人たちに助けられています。

 

帰国後、私がペルーでストリート・チルドレンのためのホームや診療所、そして日系人専用の老人ホームを建設する事業に関わってからは、その支援を仰ぐために毎年2カ月ほど来日するようになりました。…

 

昔、私が行ったほんの小さな好意に、今でも感謝の気持ちを持っていて下さる方々。私が十年間ほど援助したことのある日本人は、その額とは比較にならない何千倍もの額を、今までに援助して下さいました。…

 

他の国からも、慈善事業としての援助はいただきましたが、日本人から感じるような「恩や義理人情」は、少なくとも私が関わった西洋人にはあまりないように思いますね。

人情」とは他者への思いやりの心、「」とは他者から受けた思いやりに対する感謝の心、そして「義理」とはその恩をお返ししなければ、という心。こういう心を一人ひとりが豊かに持っているからこそ、お互いに助け合う「大いなる和の国」が維持されてきたのである。

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