鳥貴族の客数が7%減。28年ぶりの「値上げ」は失敗だったのか?

tempo20171122
 

10月から28年ぶりの値上げを断行した焼き鳥チェーン「鳥貴族」。同月の客足は7%減と、過去最大の下げ幅となりました。しかし、無料メルマガ『店舗経営者の繁盛店講座|小売業・飲食店・サービス業』の著者・佐藤昌司さんは、10月の週末が1日少なかったことや台風が直撃したことなどもふまえ、結果は決して悪くないと分析。むしろ、値上げが成功した可能性を指摘し、その理由と外食産業の今後についても持論を展開しています。

鳥貴族の10月客数が7%も減少。値上げは失敗だったのか?

焼き鳥チェーン「鳥貴族の10月の既存店客数が前年より7.0%減りました。鳥貴族は2014年7月に株式を上場し、その翌月から月ごとの実績を公表していますが、その中では最大の下げ幅を記録した形です。

値上げが影響したと考えられます。鳥貴族は10月から、280円均一から298円均一(いずれも税抜き)に約6%値上げしました。28年ぶりとなる値上げです。値上げの理由は、人件費や食材の仕入れコストなどが上昇しているためとしています。

人件費に大きな影響を与えるアルバイトの時給は上昇が続いています。10月に東京都の最低時給は26円引き上げられ958円になりました。また、リクルートジョブズの調査によると、10月の三大都市圏の外食の平均時給(募集時)は前年同月比2.2%増の985円となっています。

食材の仕入れコストも上昇しています。例の1つとして、6月からの改正酒税法の影響で酒類の仕入れ価格が上昇しています。鳥貴族は値上げの理由の一つとして、このことを挙げています。

消費者の節約志向が弱まる気配を見せず、多くの外食が値上げに躊躇していますが、そうしたなか、鳥貴族は値上げに踏み切りました。そこで、その影響が出る鳥貴族の10月の動向に注目が集まっていましたが、結果、客数が7.0%も減少してしまったのです。

ただ、10月の客数が落ち込みを見せているのは鳥貴族だけではありません。外食各社で軒並み減少している状況です。

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