【株式市場激動】ウクライナ経済は破綻寸前!?揺れる市場3つの要因

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市場の下げ要因はギリシャ、ウクライナ、利上げをめぐるNY株のどれかだろう

『山崎和邦 週報「投機の流儀」』より抜粋

2月6日に発表された米雇用統計は、市場予測23万人より良い25.7万人だった。日本の民主党が盛んに騒ぐ“雇用の質”に関しては懸念があるようだが、米経済は2~3%程度の安定成長の軌道に乗ろう。そうなれば米市場は利上げの時期を視野に入れよう。FRB議長のJ.イエレン女史は、雇用と労働市場に関する専門学者の出身である。先回は「むこう数回の議論の機会が必要であろう」という微妙な言い回しで纏めて市場を落ち着かせたから、市場は「FOMCを数回やるまで利上げはやらない」と解釈して5、6月頃かと勘ぐった。米経済が好調とはいえ、先行き不透明感が漂う真ん中でゼロ金利解除できるのか、という疑念もある。これの時期をFRBが間違えば世界中に混乱を起こそう。

バーナンキは、失業率が9%のころ「6.5%になったら直ちに利上げに入る」と言ったことを思い出す。

先週木曜日に、ソニーが12%も大幅に上がったのに波及効果は全くなく、日立が9.9%も下がった、というチグハグが生じた。

ソニーは出井社長時代、井深・盛田・大賀と3代に亘って築き上げたDNAを出井が100%破壊し、その後は年に数日しか日本にいない男を社長に据えて不在中に恣に失政を敷きソニーを腐敗させたことは世界中が知っている事実だから、いまさらソニーが電機株の象徴性を喪失していると言うのではなく、本稿では、一銘柄が急騰しても同業銘柄に全く波及しないという上値の重さを言いたいのだ。

下値の買い勢力は日銀・GPIF・逆張り専門の個人投資家の待機資金(証券会社の発表では預かり現金MRFは10兆円)が待機している。それを分かっているから売ってこない。「売らない相場」は「買わない相場」に繋がる。

ここから上を誰が買うか、である。

それは政策の顕在化であろう。

では、ここから下はどういう契機で売るかである。原油の問題は片付いてはいないが、既に洗礼を浴びたから済んだようなものだ。大底は過ぎたかもしれない。中東の問題も同様であろう。これは安倍さんは際どい崖っぷちに立ったが切り抜けるだろう。

そういうことならば、ギリシャが火種になるか、またはウクライナであろう。ウクライナの経済は破綻寸前だ。2年先の償還の国債が60円近辺というのはその証拠だ。日本時間の7日未明にドイツ首相、フランス大統領がプーチンとウクライナ相談で会うため急遽モスクワへ行った。欧米がウクライナへの軍事支援に踏み切れば戦闘は長引き拡大し、欧州全体への悪影響となる。

ウクライナは欧州へのロシアからの天然資源の輸送路の通路になっている。欧州の生産活動のエネルギーの要衝である。

日本時間7日未明の独仏ロの首脳会議が戦争回避への山場になろう。独仏ロ3カ国の会議は約5時間続き、ロシア大統領報道官は「建設的な内容のある話し合いだった」と述べ、8日にウクライナ首相を加えて4首脳の共同文書の作成にまでこぎつけ何らかの合意に達する旨を示唆した。

外部要因で見れば株式市場激動の口火を切るのは、ギリシャ発か、ウクライナ発か、利上げをめぐるNY株か、であろう(中東の残虐行為と戦闘行為・原油暴落は市場では既に洗礼を浴び済みと見る)。

『山崎和邦 週報「投機の流儀」』より抜粋
著者:山崎和邦(大学教授/投資家)
野村證券、三井ホームエンジニアリング社長を経て、武蔵野学院大学名誉教授に就任。投資歴51年の現職の投資家。著書に「投機学入門ー不滅の相場常勝哲学」(講談社文庫)、「投資詐欺」(同)など。メルマガ「週報『投機の流儀』」では最新の経済動向に合わせた先読みを掲載。
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