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ビットコインが乱高下するワケ。投機筋が大量参入、個人がカモられる危険な時間帯に=今市太郎

ビットコインの上昇と暴落の度合いが激しさを増しています。なぜここまで乱高下するのか。その理由を考えれば、個人投資家が大損失を受けかねない、かなり危険な時間帯に差し掛かっていることがわかります。(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)

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※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2021年1月13日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。

乱高下するビットコイン相場

皆さまご案内の通り、ビットコインの上昇と暴落の度合いが激しさを増しています。

先週末円ベースで430万円まで上昇したかと思った次の瞬間、50万円も下落する始末。売買に参加しないで傍から眺めている者にとってはこんなに興味深いものもないわけですが、実際にレバレッジなどをかけてトレードしている人にとっては、気が休まる時間がないほど緊張に満ちた日々を送っていらっしゃるのではないかと思います。

この手の話は、どうしてそうなったのかはかなり後にならないと判らないものですが、今集まってきている情報をもとに読み解きますと、次のような状況が展開されたものと思われます。

投機筋が大量参入、これまでとは違う動きに

今回のビットコインの上昇過程では、適切な利益を得られる投資先をすっかり失ったレガシーなファンド勢がこの市場に大量に参入したことが、円ベースで200万以上の価格へ押し上げる原動力となったことは間違いないようです。

その後、上昇に拍車をかけることになったのはロビンフッダーに代表されるような個人投資家たち。彼らは少ない資金で市場に参入するために必ず仮想通貨FXでビットコインを買い、それなりのレバレッジをかけて買い向かうのが特徴となっているようです。

2017年末のビットコインの大幅上昇は本邦の個人投資家が主体的に相場を引っ張ったと言われていますが、この時も市場に参加した個人のほぼ6割以上が仮想通貨FXでレバレッジをかけて売買していたとされていますから、予想以上に大きな取り引きをしていたであろうことが見えてきます。

こうした仮想通貨バブルブームが来ますと、ビットコインのみならず周辺のアルトコインにも資金が集まるのが常。今回も問題のリップル(XRP)を除けば市場はすべからく大きくなり、時価総額も簡単に100兆円に達する形となっています。

Next: 個人がカモになる?プロが参入する相場には必ず空売りが出る



プロが参入する相場には必ず空売りが出る

しかし、今回の上昇相場はそれなりのファンド勢も参入していますから、彼らヘッジファンドお得意の売りからの市場エントリーもそれなりに多かった様子。いったん売りが出て価格が下がり始めると、多くの個人投資家が利確を始めることから、価格はどんどん下がる傾向にあり、これが何度も示現することになります。これが大きなボラティリティを引き起こす第1番目の要因となるわけです。

要因はもう1つ。レバレッジをかけている関係上、ストップロスを置かずに相場が下落しはじめると多くの個人投資家がほぼ同様の価格水準で強制ロスカットを食らうことになり、これが一時的に大量に発生しますと、今回のように思わぬ大きな下落を引き起こすこともわかってきています。

また、仮想通貨FXではなく現物を売買している向きも、いったん価格が下がり始めますと毎回売り場に殺到するという1987年10月のブラックマンデーのような状況を繰り返すことになります。そのため、いったん売りが加速すると、いとも簡単に20%程度の下落を示現してしまうのです。

ただ、下落は絶好の押し目として買い向かう個人投資家も相当数いることから、またいつのまにやら価格が戻り上昇するという過程を繰り返すことになります。

相変わらずフェアバリューははっきりしない

ビットコインの場合、いつも問題になるのが「フェアバリューはいったいいくらなのか」ということです。

今のところ、マイニングにかかるコストがフェアバリューの最低レベルであるとする説が一般的。しかし、法定通貨はそんなものを価格の材料にはしていませんから、より実需の需給が価格を支える要素になるのですが、ビットコインには今のところほとんど実需の決済需要はありませんから、ややもすればマイニングコストを下回る可能性は高く、時と場合によっては無価値化する危険性すらあります。ですから、一定の高値で買いから参入するというのは、かなり危険な取り引きであることを改めて感じさせられます。

投機筋はほかの商品の利回りと比較して資金を移動

ビットコインというのは金(ゴールド)と同様に、別に持っていても金利が付くわけではありません。それどころか、仮想通貨FXで保有している場合、毎日のようにスワップコストとして保有にカネをとられることになります。

ですから、そもそも短期にキャピタルゲインがない限りは、よほど安く購入して高値までホールドするといった手法以外は、なかなか利益が上げられないのが実情です。

またファンド勢はほかの金融商品の利回りや利益と常に比較していますから、債券金利が上昇したりしますと、ビットコインを手放して資金を移動させるといった個人投資家にはないアクティビティを行うこともあり、相場に影響を与える材料はかなり多岐に渡る点も足元の相場のボラティリティをつくる原因になっているものと思われます。

Next: 株トレーダーがビットコインを買っている?ここからの急落に要注意



いったん下落が始まると一気に崩れ落ちる可能性も

面白いのは米国でビットコインを買う向きはFX投資家ではなくもっぱら株式投資家だそうで、それだけにほとんどの米国の個人投資家は「買い」から市場に参入しているという点です。

これもひとたび価格が下落すると一斉に出口に殺到する大きな要因のようで、買うから上がる、上がるから買うといったきわめて単純なロジックで上昇するビットコインは、ひとたび売りが嵩みはじめると見るも無残に価格を下落させることになるわけです。

ここでご紹介したのが市場参加者のすべてとはもちろん言えませんが、このプロセスを理解していますと、いきなり大きな下落が生じることもかなり理解できるものと思われます。

為替にももちろん暴落はつきものですが、ドル円などは年間保有していても、せいぜい値幅の変動率は10%から12%程度ですから、仮想通貨に比べればはるかに安全な投資であることを改めて実感させられます。

仮想通貨で勝負されることを止めるつもりはありませんが、FXのほうが相当手堅くトレードできることだけは忘れないでいただきたいと思います。

すでに私の周りでも、爆益が出たかと思った途端に大損している輩が何人か確認されています。

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今市太郎の戦略的FX投資』(2021年1月13日号)より抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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