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ビットコイン急落は対岸の火事に非ず。すべての金融市場を巻き込み株も為替も焼け野原に=今市太郎

ビットコインを中心に暗号資産が軒並み乱高下していますが、決して「対岸の火事」とは言えぬ状況に差し掛かっています。株も為替も引きずられて大きく動く可能性があります。(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)

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※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2021年5月21日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。

ビットコイン相場は「糸の切れた凧」を連想させる

5月19日(水)のNYタイムにおけるビットコインの激しい下落と、それにつられたアルトコインの下落は、数日経ってもわけのわからない上下動を繰り返しており、糸の切れた凧の空中遊泳を連想させるような動きになってきました。

とはいえ、2017年から18年にかけて、総じて85%前後の決定的下落に見舞われたことを思えば、半値ぐらいの下落はまだまだ序の口と感じる市場参加者も多いようです。

しかし、はるかに高くなった価格水準から言えば、実額としての損失はかなり莫大。5月19日の段階でもすでに儲かっている商品を売って利益を確保し、仮想通貨の損失に充てるといういわゆるミンスキーモーメントは実際に起こった様子。

ここから仮想通貨がさらに下落するとなると、勇んで下落途上をデリバティブでレバレッジを
かけて買い向かった個人投資家は、また窮地に追い込まれるリスクが高そうです。

為替について言えば、近場の別の相場ではありますが、仮想通貨の動きを無視できない状況が続きそうです。

為替相場への影響度は?すでに何で動いているのかよくわからない状況に

投資の世界に足を踏み入れてから相場の暴落を知らない米国のミレニアル世代は、とにかく下落は買い場とばかりに、大きく下げれば相当な買いを入れてきている模様。

ビットコインが上がれば、ほかのアルトコインもほぼ同じ動きを示現するという、かなり特異な相場展開が続いています。

ただ、逆にビットコインが何らかの噂やニュースで下落しはじめますと、同様にほかのアルトコインもそれについていくという厄介な動きを延々と繰り返していますので、全体としてさらに下値を試すことは十分に考えられ、ファンダメンタルズはもとより、テクニカル分析でも先行きを正確に予見するのは相当難しくなりつつあります。

20日のNYタイムでは、大きな下落は免れて値を戻す動きになっていますが、これがいつまで続くかはまったくわからない状況です。

どうやら米国に関する限りは、仮想通貨トレーダーは米株トレーダーとかなりオーバーラップしているようで、FXと直接的に連動性があるようには見えません。

しかし相場が暴落すれば、すべての資本市場が連動してしまうのがミンスキーモーメントの特徴ですから、関係ないと高をくくるのは禁物の状況です。

Next: 土日も動く仮想通貨相場、休み明けは要警戒/暴落はまだまだ起きる?



休み明けは油断できない

仮想通貨の場合、土日も動くことになりますから、月曜朝イチまでに何か市場が急変した場合には、大幅なギャップダウンから為替が始まるといったリスクは当然、考える必要があります。

いまのところ市場全体が暴落に向かって短期的に突き進んでいるようには見えませんが、決して
いい気分ではないのもまた事実で、とくにビットコインの状況については常にチェックする姿勢を心がけたいところです。

個人的な経験でいいますと、何か嫌な雰囲気がしたときというのは、必ず余計なことが相場で起きるものです。

極めて動物的な勘のような話で恐縮ですが、異変を感じた時にはポジションを減らすとか、いったん利確するとか、それなりの対処をして様子を見ることをお勧めしたいと思います。

5月20日はFOMC議事録の公表から猛烈な相場の巻き返しがあったのでちょっとわかりにくい状況ですが、とにかく注意を怠らないようにしてトレードすることが重要な時間帯です。

無鉄砲なミレニアム世代に要注意

負けを知らないトレーダーは相場の大幅下落局面で必ず大金をはたいて買い向かい、それまでに確保した利益のすべてを吐き出して市場から退場を余儀なくされるものです。

まさにこれこそがさらに巨大な暴落を引き起こす起爆剤となりかねないだけに、仮想通貨に関わらない投資家も、相当そうした動きに気を使わなくてはなりません。

まさに足もとの状況こそがその状況と言えるのです。

仮想通貨のメルトダウンに見る相も変わらぬ暴落相場の構造

仮想通貨が暴落して焼け野原になった背景について振り返ります。

きっかけは中国の金融業界団体が18日、金融機関による暗号資産関連サービスの提供を禁止するなど規制を強化するといった報道が出たこととされています。

しかし、そもそも14日からスペキュレーターなのか面白半分のかく乱者なのかは知りませんが、イーロン・マスク氏が余分なことを次々と発言したことで大きく下げたところに、追い打ちとなったわけです。

なので、ビットコインなどの現物買いをしていた人達の辛抱溜まらぬ売りというよりは、レバレッジをかけて取引している仮想通貨FXのトレーダーの強制ロスカットが一斉に施行されたことで、ビットコインが瞬間的に100万円規模で下落したことが、周辺のアルトコインも一斉に焼き尽くす相場になってしまったのは間違いなさそうな状況です。

Next: 誰かの思惑ですぐに焼け野原。投資市場としては「不適格」



毎度繰り返される市場参加者自体が引き起こす暴落構造

当メルマガではここのところ、ビットコインの暴落が起きるたびに、暴落が起きる構造をご紹介しています。

今回もまさにその系譜の動きで、強制的にせよ自発的にせよ、投機で買い向かっていた市場参加者(とりわけ個人投資家)が、下落のスタートで一斉に売りで出口に殺到することがさらなる暴落を引き起こすことになることをまた垣間見ることになってしまいました。

もちろん暴落相場では、勇敢にも底値で買い向かい、それなりの利益を超短期で得る猛者も存在します。

そのため悲喜こもごもの相場となったようですが、今回の下落を見ていますと、明らかにいわゆるミンスキーモーメント的な動きが出ており、株式市場でも利益が出ていた銘柄を中心に売り
さばいた向きが出たようで、さすがに瞬間的に時価総額が日本円にして110兆円もなくなっただけのことはある相場となったようです。

あとから相場を見る向きにとっては、何が暴落の決定的原因なのかを知りたくなるわけですが、実は山火事と同じで、誰かの火の不始末にせよ自然な発火が原因にせよ、燃え広がって大惨事となる過程ではきっかけはまったく関係ないものとなってしまいます。

まさに今回の仮想通貨暴落は、市場参加者のセンチメントが焼け野原を作り出したといっても過言ではないでしょう。

イーロン・マスク氏の言動で乱高下する時点で、投資市場としては不適格

そもそもビットコインやドージコインなどへの投資をインフレヘッジであるとか特定国に寄与しない投資市場であると認識・評価するのは、イーロン・マスク氏の発言で乱高下することだけとってみても、それをまったく正当に評価できないのが現実であります。

博打が好きな方々は、ここからもまだ仮想通貨バブル継続と見て買い向かわれることになるのかもしれません。

しかし、純粋な投資活動、まともな利益が取れる商品として見た場合、もはやビットコインは分散投資におけるリスクヘッジ対象として見ることはできなくなっている状況です。

もはやこうした投資行動は個別の投資家の独自判断次第のものですから、外部の人間がとやかく言う話ではありませんが、それにしても、現物取引ならまだしもレバレッジをかけてまで対応するものではまったくなくなっていることを強く感じさせられます。

いまや直接、仮想通貨の取り引きに関わらなくても、周辺の相場が十分に暴落の影響を受けるようになっていますから、それだけ見てもビットコイン投資などもうたくさん……といった気分になります。

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  • 5月21日ロンドンタイム週間特集5(5/21)
  • 須らく無闇な上下動を繰り返し止まらない仮想通貨~果たして為替には影響はなのか(5/21)
  • 5月20日ロンドンタイム週間特集4(5/20)
  • 仮想通貨のメルトダウンに見る相も変らぬ暴落相場の構造(5/20)
  • 5月19日ロンドンタイム週間特集3(5/19)
  • ガンドラックの見立てでは米国インフレは7月にピーク(5/19)
  • 5月18日ロンドンタイム週間特集2(5/18)
  • 本邦市場関係者が一切口にしなコロナ敗戦相場~その到来はもう目と鼻の先(5/18)
  • 5月17日ロンドンタイム週間特集1(5/17)
  • 5月第三週相場分析(5/17)
  • 5月14日ロンドンタイムショートコメント(5/14)
  • バイデン発言から見えてくる米国の計画経済的状況~ 米国の労働生産性はもう上がらない?(5/14)
  • 5月13日ロンドンタイムショートコメント(5/13)
  • ETFを買わない日銀のおかげで本邦の株式相場はパニック状態突入か(5/13)
  • 5月12日ロンドンタイムショートコメント(5/12)
  • ビッグテック株を売りに回るファンド勢と買い向かう個人投資家~一体どちらが勝者になるか(5/12)
  • 5月11日ロンドンタイムショートコメント(5/11)
  • ドージコインの暴騰・爆下げにみる仮想通貨バブル前代未聞の危うさ(5/11)
  • 5月10日ロンドンタイムショートコメント(5/10)
  • 5月第二週相場分析(5/10)
  • 5月7日ロンドンタイムショートコメント(5/7)
  • 主要国では収束が見えてきたのに本邦だけ新型コロナ2.0へ突入・相場大幅下落か(5/7)
  • ロンドンタイムショートコメント(5/6)
  • イエレンのFRB議長的金利上昇予測発言に市場困惑(5/6)
  • GWウイーク相場特別編3日目(5/5)
  • 台湾侵攻より前に起きそうな中国の対日経済制裁(5/5)
  • GWウイーク相場特別編2日目(5/4)
  • 2021年コロナに打ち勝つのは他の先進国だけ?超絶低い本邦の経済回復力(5/4)
  • GWウイーク相場特別編1日目(5/3)
  • 5月第一週相場分析(5/3)

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image by:Marc Bruxelle / Shutterstock.com

今市太郎の戦略的FX投資』(2021年5月21日号)より抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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