五輪開催に向けて、非常事態宣言が一斉に解除されることとなりました。とうとう前代未聞のコロナパンデミック下での五輪開催が行われます。今夏、日本が、いや世界がどのような事態になるのか。まったく予断を許さない状態となりました。（『今市的視点 IMAICHI POV』今市太郎）
※本記事は有料メルマガ『今市的視点 IMAICHI POV』2021年6月18日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。
もはや人体実験。パンデミック下での五輪開催
これまでこのメルマガでは東京五輪開催の中止を巡って、相当に辛辣なことを書き連ねてきました。
その結果はむなしく、強行開催ということになってしまいました。
非常事態宣言も沖縄を除いて一斉解除ということになり、菅政権はとうとう、かつてないパンデミック下の五輪開催という“人体実験”に乗り出すことになるわけです。
五輪が成功すれば菅政権も続く？
一時は無観客での開催を検討されていた東京五輪。それも見栄えを重視して国内の観客は収容して開催するというのですから、空いた口が塞がらない状況です。
「開催してしまえば国民は熱狂し、すぐにそれまでのことは忘れるだろう」という安倍前総理時代から踏襲された愚民政策が、完全に実施される運びとなったわけです。
そこまで国民を馬鹿にして許されるのかという大きな疑問は残りますが、「五輪大成功。支持率回復、秋の総選挙で菅政権大勝利・続行」という構図が、菅首相の脳裏には焼き付いて離れないご様子です。
これでコロナ変異株の感染が蔓延した場合、どういう政治的責任をとられるおつもりか。直接ご本人に聞いてみたいものです。
緊急事態宣言が解除される6月20日以降、我々小市民が考えなくてはならないのは、この五輪開催で菅首相に命を奪われないようにすることです。
そのためにはいったいどうすべきなのかという、具体的な対策を考える必要があります。
Next: 自分だけは感染しないという正常性バイアスは取り払おう
自分だけは感染しないという正常性バイアスは取り払おう
そもそもこの文書を書いている私自身、どこかで自分だけは感染しないといった、妙な正常性バイアスをもっているのは事実です。
しかし、ここから夏の終わりまでは、そうした根拠なき発想は完全にいったん取り払って考えることが必要になります。
すでに、私の周辺でも何人かの知人が感染し、隔離されたホテル等で死ぬか生きるかの経験をして、かろうじて復帰を遂げています。
こうした経験者が異口同音に口にするのは、「まさか自分が感染するとは思わなかった」ということです。
さらに感染が判明しても、よほどの上級国民でない限り、医療施設に入院できる可能性は皆無。ほんとうに自らの体力でウイルスと戦って、生き残れるかどうかの究極の自助努力に直面するという話です。
個別の感染者の症状は人それぞれですが、この放置プロセスはほぼみんなが口にすることですから、決してレアケースなどではないことがよくわかります。
我々が感染すれば、まさにこうした状況にいきなり直面することになるわけで、自分だけは安心という発想はまったく意味がないことを肝に銘じるべきです。
あらゆるボランティア・学徒動員観戦はすべて辞退する
たとえこの時期に東京に住んでいても、ほとんど誰とも接触しないで隠れるように暮らしていれば、感染回避の望みはあるものです。
しかし、多くの人々は相当なフラストレーションを抱えて、ここから一気に活動を活発化させることは、もはや抑止できない状況です。
また、ボランティアとして五輪に関わろうとしている方や、離島の子どもたちで無理やり学徒動員とばかりに五輪観戦に駆り出される向きがいることもわかっています。
しかし、リスクヘッジの考え方からすれば、こうしたボランティアや学童五輪観戦などは、徹底して辞退すべきでしょう。
なんの保障もないのに、自ら進んで五輪との接点を持つことは、完全に遮断すべき状況です。
菅政権挺身隊とか特別なミッションを帯びている方は別に止めませんが、普通の小市民ならば、絶対に五輪に関わらないという強い意志が必要です。
Next: 医療崩壊は起こりうる。コロナ以外の病気にも厳重警戒を
コロナ以外の病気で医療機関の世話にならない、徹底した健康管理の励行
もうひとつ、この夏に我々が強く意識しなくてはならないのが、コロナ感染以外の病気で医療機関のお世話にならないよう、厳重な体調管理をすべきであるということです。
ここ10年近い都市部の夏場の猛暑では、熱中症で病院に搬送される方が非常に増えていますが、とにかくこうした状況に陥らない自助努力が必要です。
高齢者だと、とかくエアコンがもったいないと言って利用しないケースも多いようです。しかし、今年の五輪の人体実験期に限っては、とにかく病気にならない自助努力が必要不可欠です。
水分補給も同様で、つまらないことでは死なないという覚悟が重要です。コロナの感染爆発ともなれば、東京周辺の医療崩壊は現実のものとなり、コロナ以外の病気になっても搬送される先もないままに、不慮の死に直面しかねない状況です。これも実に当たり前の話ではありますが、相当意識していかなくてはなりません。
人の言うことを信用しない、すべては自分の頭で考えて判断すべし
このコロナの国内感染がはじまってから、すでに1年半もの時間が経過しています。
専門家の話ひとつとっても、いったい何が本当で、何が嘘なのか、まったく正確に理解することができないまま、今日に至っているのが現状です。
横丁の長屋のだれそれがこう言ったとか言わないとかいう話や、落語の与太話ならば面白いのでしょうが、真偽のほどがわからない以上、うかつに信用するのは禁物です。
とくに、足もとではワクチン接種をめぐって賛否両論が渦巻いている様子。自衛隊の集団接種会場も、64才以下まで対象を広げても、若者がかなり懐疑的でうまく接種希望者が集まらない状況が続いているといいます。
まあ、これだけウソにまみれた菅政権の場当たり対応を見ていれば、ワクチン接種などに信頼がおけないのは当たり前の話ともいえそうです。
しかし、もうこうなると接種を受けるも受けないも、ご本人がしっかり考えて判断すべき状況です。苦しくても難しくても、とにかく個々人が自分の頭で考えて、後悔しない結論を出すことが重要です。
Next: ここからの3ヶ月は未知の領域。自分の命は自分で守るという信念を
ここからの3ヶ月は未知の領域
ここからの3ヶ月あまりは、本当に過去に経験したことのないクリティカルな時間帯に突入することになります。
判断を間違えば本当に命を失いかねないのですから、冷静に自分自身で納得のいく判断をして、前に進むことが肝要な時期です。
恐らく菅首相はどれだけ感染者が拡大しても、五輪との因果関係をひた隠しにすることでしょうし、感染爆発から医療崩壊が生じても、何もしないであろうことは間違いない状況です。
自らの命は自分で守るという強い信念をもっていないと、今年の夏は乗り切れない状況です。
皆様くれぐれもご自愛いただき、適切な判断・選択を進めていただきたいと思います。
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『今市的視点 IMAICHI POV』（2021年6月18日号）より抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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