大阪ほか都市部を中心に医療崩壊が間近に迫るなか、五輪選手のために医療スタッフをかき集める方針であることがわかり物議を醸しています。なぜすべてを投げうって東京五輪開催だけに突き進むのでしょうか。(『今市的視点 IMAICHI POV』今市太郎)
※本記事は有料メルマガ『今市的視点 IMAICHI POV』2021年4月28日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。
五輪選手のために30か所の指定病院を確保
東京オリンピック・パラリンピック開催関係で、またしても驚くべき報道が飛び出しました。
東京五輪の大会委員会が競技に参加するアスリートなどを受け入れるために、都内外に30か所程度の指定病院を確保する方向で動いているというのです。
そもそもこの話、五輪参加アスリートが感染することが前提になっており、その入院先となる大会の指定病院は大学病院や都立病院などで、大会組織委員会は都内に10か所程度、都外に20か所程度、確保する方向で調整を進めているとされています。
さらに選手村には新型コロナに対応する発熱外来や検査ラボを設置し、大会期間中は24時間体制で運営にあたるとしています。
※参考:看護師500人の確保依頼 東京五輪パラ期間中に―大会組織委 – 時事ドットコム(2021年4月26日配信)
東京でも医療崩壊が起きる
しかし、いったい誰が医療スタッフとして対応するのでしょうか。
そうでなくても国民は、まともにPCR検査すら受けられない、ワクチンはいつやってくるかもわからず、感染すれば既存の医療機関に頼らざるを得ない状況です。
そんななか、大阪エリアでは完全に医療崩壊が起きており、コロナ以外の急病やケガで救急車を要請して搬送してもらっても、受け入れられる病院がないといったとんでもない状況に陥っています。
早晩、東京もこうした状況に陥ることは目に見えています。
開催前後を含めると、1か月近く東京周辺の医療体制を五輪開催に供出することになりそうで、もう東京都民や周辺住民は、この夏を安心して暮らして行くことはできない状況となります。
組織委員会と言っても、結局のところは菅政権の判断ですから、呆れてものが言えない状況です。