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参院選後の日銀黒田総裁「辞任」は本当かデマか?海外勢が噂する「円安対策」としての退陣劇=今市太郎

海外勢の間では、日銀・黒田総裁が参院選後に解任なのか辞任なのか知りませんが、辞めるのではないか?という観測のノイズレベルが相当に高まりを見せています。夏の「円高」到来がもしかすると意外に早いタイミングで起きる可能性があります。(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)

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海外勢の間で飛び交う「黒田、総裁やめるってよ」

参議院選挙が終了するまで日銀が政策を変更して、イールドカーブコントロール(YCC)の上限を弄る…などということは絶対に考えられないことです。

とはいえ、海外勢の間では、日銀・黒田総裁が参院選後に解任なのか辞任なのか知りませんが、辞めるのではないか?という観測のノイズレベルが相当に高まりを見せています。

スイス中銀がいきなり50ベーシスポイント利上げしたあとにも、日銀が利上げするのでは?などという浅はかな観測が高まりましたから、日本のことがよくわかっていない海外勢が高める憶測などほとんど意味がないとも言えます。

しかしながら、「火のないところに煙はたたぬ」という諺も考えたいところ。

そういう動きが具体的にあって、その情報が洩れている可能性もありそうで、完全に無視することはできない状況になりつつあります。

日銀が市場に負かされたと宣言するよりは「人事変更」のほうが得策という見方

足もとの黒田総裁は「物価上昇を国民が容認」などという余分な発言を切り取られて報道されたことから、金融政策にまったく興味のない国民にまで批判されてしまうという、かなり残念な状況に追い込まれています。

それよりもイールドカーブコントロールの死守にこだわり過ぎて国債の大量買い付けがもはやサスティナブルな政策でないことが露見しはじめている中で、ヘッジファンド勢に強く日本国債(JGB)の売り攻めで如何ともしがたい状況に追い込まれています。

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そんな状況下では、政策変更という生々しい宣言よりも、とりあえず人事変更を先に打ち出すことのほうがマイルドで得策になる可能性は高まります。

Next: 「当のご本人も出口なき戦略で早めに脱出したいのでは?」



当のご本人も出口なき戦略で早めに脱出したいのでは?

黒田総裁といえば、第二次安倍政権発足時とほぼ時を同じくしてアサインを受け、国債の猛烈な買入れで事実上の財政ファイナンスを実現し、MMT的な自由なカネのバラまきを行いました。

その一方で徹底して金融抑圧政策を実施し、マイナス金利からとうとう中銀にはできないとさえ言われてイールドカーブコントロールを実現しています。

さらには、株価を人工的に引き上げるために主要国中銀としては唯一の「ETF買い」で相場に大きな下駄を履かせることに成功しています。

また、その代わりに出身官庁の財務省が悲願としてきた「消費税率10%」の断行を勝ち取ったわけですから、ご自身としては相当やれることはやったという達成感をお持ちのはずです。

とはいえ、この緩和政策には最初から出口の設定がなく、戦時中のゼロ戦の片道燃料だけの攻撃と同じで、とにかく行けるところまで行って、その後の処理はそこでまた考える…という無鉄砲な施策であることも確かです。

黒田総裁はそういったことも十分にご存じですから、半年早めに退任するというのも決して悪い選択ではなく、むしろ早く足抜けできるなら大喜びなのではないかと勘ぐりたくなる状況です。

恐らく晩節を汚さないように、更迭ではなく自主的な辞任という形で幕引きをするのかもしれません。

ただ国民目線で見れば「インチキアベノミクス」の共同正犯ですから、責任を逃れてさっさと辞めるよりも、最後まで責任を全うしていただきたいものです。

それにしても後任の総裁は、とんでもない後始末を任されることになるわけですから、任命される前から悲惨な事態に陥ることが懸念されます。

総裁辞任・解任なら、どれだけ円高に反転進行するかに興味津々

為替のトレード視点で見た場合、黒田総裁の解任だか辞任だかが示現した場合、どれだけの円高が走るのかに大きな興味が集まります。

市場では、まず総裁入れ替えとなれば間違いなく金融政策の変更に繋がると推測するはずですから、簡単に5円や10円は円高に走る可能性を考えておく必要がありそうです。

先ごろバンク・オブ・アメリカが開示したドル円のフェアバリューはなんと90.74円で、足もとの実態は49%も高いとの指摘が出ています。

黒田解任だか辞任だかで円高に戻るのなら、いま岸田政権・財務省・日銀がとる円安対策としては、実は最高のプランになるのかもしれません。

いささか不遜な発言ではありますが、黒田消滅で円高ひと儲けにぜひともあやかりたい気分満載です。

Next: 夏の円高到来は意外に早い?7月の日銀会合の要注目



夏の円高到来は意外に早い?

まあ、この話は実際の動きがまったく掌握できませんので、今のところはとてつもない与太話に過ぎません。

とはいえ、夏の「円高」到来がもしかすると意外に早いタイミングで起きる可能性があります。

7月20日には日銀政策決定会合が開催されますから、もしかすると参院選明けからここまでの10日間で何か起きるのかもしれません。さて、どうなりますことやら…。

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image by:World Economic Forum at Wikimedia Commons [CC-BY-SA-2.0], via Wikimedia Commons

今市太郎の戦略的FX投資』(2022年6月29日号)より抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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