米国株の暴落を含む大幅下落論を唱える投資家やアナリストが激増しています。もはや誰も口にしませんが、9月15日は2008年にリーマンブラザーズが金融当局により破綻を余儀なくされた不名誉な記念日で、すでに14年の月日が経過したことになります。チャートの形状だけから相場の先行きを分析するアナログチャート分析では、足元の相場の動きが益々この2008年に近づいてきています。(『 今市太郎の戦略的FX投資 今市太郎の戦略的FX投資 』今市太郎)
※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2022年9月16日号の一部抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会に初月分無料のお試し購読をどうぞ。
リーマン・ショックは14年前の9月15日に発生
もはや誰も口にしませんが、9月15日は2008年にリーマンブラザーズが金融当局により破綻を余儀なくされた不名誉な記念日で、すでに14年の月日が経過したことになります。
チャートの形状だけから相場の先行きを分析するアナログチャート分析では、足元の相場の動きが益々この2008年に近づいてきています。
このまま10月中盤に向けて激しい下落に見舞われるのでは?といった危惧の声も、高まりをみせている状況です。
増えてきた米国株の大幅下落予測
さらにここへ来て、米国株の暴落を含む大幅下落論を唱える投資家やアナリストが激増しています。
先行きの見通せない相場ですから、そのような不安を煽るような予測が飛び出すのも決してわからない話ではありません。
しかしながら今回浮上してきている予測は、単なるアノマリーや直観に基づく適当なものではなく、米国の金利の上昇とQTの開始が株価下落の大きな材料になろうとしており、一定の注意を払う必要が出てきていることだけは間違いない状況です。
為替の場合はまず政策金利と10年債金利と相関性を持つケースが非常に増えるわけですが、株価の急落はまったく異なる動きを示現することになり、ドル円で言えば円高方向にリスクオフで下落する可能性が非常に高まります。
また足もとのように円キャリートレードが増加している状況下では、いきなり巻き戻しが出て激しく円が買い戻されることも当然に起きる状況です。
Next: さらに20%の株価下落がありうる。トレードは覚悟を持って行う必要
さらに20%の株下げがありうることを覚悟しながらトレードをすべき時間帯
米国における相場暴落の歴史を見ますと、驚いたことにことごとく利上げを実施した後に起きていることがわかります。
やはり金利の上昇は株価にまったくプラスには働かず、とくに金利の上昇が株価の現在価値を著しく下げることが、そもそも下落の基本要件となっていることを理解しておく必要がありそうです。
直近で言いますと、2008年のリーマン・ショックの前ですら金利は上昇しています。
足もとのように人為的にFRBが継続利上げを行おうとし、さらに9月からQTまで本格実施しようとするタイミングは、暴落が起きるかどうかは別にしても、株を買う適切なタイミングではないことは間違いありません。
これまで中央銀行の緩和政策でカネが必要以上に流れこんできたことで支えられた株高が、逆に締め付け開始で下げに転じるのはむしろ当たり前の話。
それがどれだけ深く下げるのかが、大きなポイントとなります。
9月後半は要注意。急落に備えを
9月は後半から、米国株がもっとも弱含むシーズンでもあります。
普通の年でもそれなりの下落を余儀なくされますから、それにさらにはずみがつけば、確かに29%程度の下落に陥る危険性はありそうで、直接株や株価指数取引をされない方でも、為替への影響を常に意識していく必要がありそうです。
今週の米国CPIの発表もそうでしたが、市場はなぜか妙に楽観的で、結果が期待と異なった途端に激しい反対売買から猛烈なショートカバーを引き起こし、火柱高になりました。
そのことを思えば、同じようなことが米国株で起き、しかも下落方向にそれが加速するリスクは十分に意識しておくべきであろうと思われます。
米国中間選挙「株価堅調」のアノマリーは通用しない?
本来、米国中間選挙があるこの時期は、株もそれなりに安定的に推移するもの。しかし、そうしたアノマリーは今年に限ってはまったくワークしない状況です。
やはり相場が下方向に動き、為替もそれに引きずられる危険性を考えるべき状況です。
恐らくFOMCを経てドル円はいったん上昇するのでしょうが、問題はそこからです。9月末にかけて、まったく逆さまのシナリオも用意してトレードをしていくべき時間帯のようです。
もちろん何事もなければ取り越し苦労の笑い話になりますが、どうもここからの相場はそんなに生易しいものではなさそうな雰囲気が漂います。
Next: 少なくともすでに相場が底を打ったとみるのは間違い
少なくともすでに相場が底を打ったとみるのは間違い
長く中央銀行に守られた相場を経験してきている市場参加者は、なにか問題があればまた中央銀行が助けてくれるし、相場の先行きに楽観論を持ち出す向きが異常に多いのが気になるところ。
ですが、先般の米国8月分CPIを受けた猛烈な巻き戻しも、無闇な楽観論が市場にはびこった挙句の巻き戻しですから、この手の相場の見方に簡単に与するのは想像以上に危険なものがあることはしっかり認識しなくてはなりません。ここから10月中盤に向けて、嫌な雰囲気は延々と続きます。
現状ではS&P500の200日移動平均線より相場が下にある限り、まだ下落は続くと見る向きも増えています。
ここからの3週間あまりは厳重注意のトレードを心がけることが重要です。
<初月無料購読ですぐ読める! 9月配信済みバックナンバー>
※2022年9月中に初月無料の定期購読手続きを完了すると、以下の号がすぐに届きます。
- 9月16日ロンドンタイムショートコメント(9/16)
- 俄然増えてきた米株の大幅下落予測~そんなものに与するべきか悩む時間帯(9/16)
- 9月15日ロンドンタイムショートコメント(9/15)
- 国内インバウンド消費で円安は阻止できるものなのか? 円安だから来日する外人の思考とのパラドックス(9/15)
- 9月14日ロンドンタイムショートコメント(9/14)
- 東京タイム号外 勝手に楽観視して勝手に爆死した市場参加者(9/14)
- ウクライナ情勢の好転とECB継続徹底利上げは信じられる情報?(9/14)
- 9月13日ロンドンタイムショートコメント(9/13)
- 日本は本当に利上げが出来ない国なのか~国債費負担の視点から見えてくるもの(9/13)
- 9月12日ロンドンタイムショートコメント(9/12)
- 9月第三週相場分析(9/12)
- 皆様ご無事で週末をお迎えでしょうか(9/12)
- 9月9日ロンドンタイムショートコメント(9/9)
- 円安でいきがる鈴木財務相~財務省は本当に円買い介入をできるのか(9/9)
- 9月8日ロンドンタイムショートコメント(9/8)
- 月内150円到達必至のドル円~最後に残された防衛策は次期日銀総裁の前倒し発表位か(9/8)
- 既に実質実効レートではプラザ合意の手前のレベルを超えたドル円 ~このまま米国様は見て見ぬふりをするのか(9/7)
- 9月6日ロンドンタイムショートコメント(9/6)
- ノルドストリーム停止で欧州株下げ・ユーロ売り~これはどこかでリスクオフの円買いもありうるか(9/6)
- 9月5日ロンドンタイムショートコメント(9/5)
- 9月第二週相場分析(9/5)
- 9月2日ロンドンタイムショートコメント(9/2)
- 市場で噂されはじめた岸田政権の賞味期限~まさかの月内政権崩壊の現実味(9/2)
- 140円を超えたドル円~このままどんどん上昇するのか?(9/2)
- 9月1日ロンドンタイムショートコメント(9/1)
- FRBの政策にケチをつけはじめた民主党議員~バイデンはなだめることができるのか(9/1)
※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2022年9月16日号の一部抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会に初月分無料のお試し購読をどうぞ。
<こちらも必読! 月単位で購入できるバックナンバー>
※初月無料の定期購読のほか、1ヶ月単位でバックナンバーをご購入いただけます(1ヶ月分:税込880円)。
- 8月31日ロンドンタイムショートコメント(8/31)
- エネルギー不足でEU圏の分断でウクライナ停戦が実現する日は来るのか(8/31)
- 8月30日ロンドンタイムショートコメント(8/30)
- 米国のFF金利が10年債利回りを超える時こそ米国相場の危機に備える時(8/30)
- 8月29日ロンドンタイムショートコメント(8/29)
- 8月最終週相場分析(8/29)
- たった1301語、8分ポッキリでのスピーチで決着をつけたパウエル(8/27)
- 8月26日ロンドンタイムショートコメント(8/26)
- パウエル講演 期待外れにも注意が必要(8/26)
- 8月25日ロンドンタイムショートコメント(8/25)
- 為替相場に大きな巻き戻しが入るときを考える(8/25)
- 8月24日ロンドンタイムショートコメント(8/24)
- 週初からボロボロに下げまくるユーロドル、目先の底値はどこなのか(8/24)
- 8月23日ロンドンタイムショートコメント(8/23)
- インフレを知らない若者たちの存在が相場に波乱を引き起こす(8/23)
- 8月22日ロンドンタイムショートコメント(8/22)
- 8月第四週相場分析(8/22)
- 8月19日ロンドンタイムショートコメント(8/19)
- 来週末のジャクソンホールでパウエルの弱気発言を異常に期待する市場(8/19)
- 8月18日ロンドンタイムショートコメント(8/18)
- 株から為替まで何ひとつとして当たらなかった8月アノマリー~我々はここから何を教訓にしてトレードすべきなのか(8/18)
- 8月17日ロンドンタイムショートコメント(8/17)
- ソフトバンクグループにマージンコールがかかると一体だれが助けるのか?(8/17)
- 8月16日ロンドンタイムショートコメント(8/16)
- 旧統一教会の韓国イベントにひょっこり登場したジムロジャーズ~私は金輪際この爺の相場の戯言には耳を貸しません(8/16)
- 8月15日ロンドンタイムショートコメント(8/15)
- 8月第三週相場分析(8/15)
- インフレなら米国よりはるかにヤバいEU圏 ~冬到来前にユーロドルはパリティ底抜け決定か(8/12)
- 8月11日ロンドンタイムショートコメント(8/11)
- 8月祝日記念?緩ネタ特集・為替相場では一体誰の言うことが信用できるのか?(8/11)
- 8月10日ロンドンタイムショートコメント(8/10)
- 米国メディアがトランプの統一教会癒着を一斉報道(8/10)
- 8月9日ロンドンタイムショートコメント(8/9)
- ペロシ訪台で明らかになった市場は極東・台湾、日本の地政学リスクを全く認識していないという事実(8/9)
- 8月8日ロンドンタイムショートコメント(8/8)
- 8月第二週相場分析(8/8)
- 8月5日ロンドンタイムショートコメント(8/5)
- 閑散相場を嵐ているのはAI実装のアルゴリズムなのか(8/5)
- 8月4日ロンドンタイムショートコメント(8/4)
- ペロシ訪台リスクオフとFRB高官利上げ継続発言との綱引き相場で荒れるドル円(8/4)
- 8月3日ロンドンタイムショートコメント(8/3)
- 政権を担当すると必ず戦争したがる米国民主党~アルカイダからの報復は心配ないのか(8/3)
- 8月2日ロンドンタイムショートコメント(8/2)
- 利上げは始まったばかりなのにすでに利下げを織り込み始めた市場の不思議(8/2)
- 8月1日ロンドンタイムショートコメント(8/1)
- 8月第一週相場分析(8/1)
『
今市太郎の戦略的FX投資
今市太郎の戦略的FX投資
』(2022年9月16日号)より抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
初月無料お試し購読OK!有料メルマガ好評配信中
今市太郎の戦略的FX投資
[月額880円(税込) 毎週月・火・水・木・金曜日]
個人投資家がもっと得難いファンダメンタルズを徹底的に集めテクニカルで売買チャンスを探るFX投資家のためのメールマガジンです。土日を覗く平日毎日の配信となりますので、確実に日々の売買に役立てることが可能です。