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退職後にお金も友人も失う。見栄を張るのを我慢できない人を待ち受ける悲惨な末路=牧野寿和

ファイナンシャルプランナーの仕事をしていて、退職後の老後生活で「無駄使いをしていなぁ」と思える人がいます。このタイプで多いのが見栄を張る生活をしている人です。なかなか本人は気づかないのですが、老後に見栄を張っても損しかないことを、今回は率直に語らせていただきます。(『【人生の添乗員(R)】からのワンポイントメッセージ』牧野寿和)

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プロフィール:牧野寿和(まきの ひさかず)
ファイナンシャルプランナー、牧野FP事務所代表。「人生の添乗員(R)」を名乗り、住宅取得計画やローンプラン、相続などの相談業務のほか、不動産投資、賃貸経営のアドバイスなども行う。著書に『銀行も不動産屋も絶対教えてくれない! 頭金ゼロでムリなく家を買う方法』(河出書房新社)など。

退職後の見栄は家計の無駄!

退職後、老後の生活で、知らず知らずに無駄使いをしている方を、私のファイナンシャルプランナーの業務経験からも、見かけることがあります。老後に見栄を張っても損しかないということを今回は率直に語らせていただきます。

そのうちのひとつは、見栄を張る生活です。

今回は、どのようなことか、率直に、また客観的にお話していきます。

・見栄を張る無駄
・意志的に見栄張ってもいい現役中
・本人は気づいていない見栄
・退職後の見栄は危険
・退職後からはじまる見栄もある
・見栄は家計の無駄

見栄を張る無駄

見栄を張るとは、他人に自身を誇示するために、自身や自宅を必要以上の無駄に、飾ったり主張したりすることです。

多くの場合、見栄を張っても、まわりの人は、気が付かないこともあります。また、気が付いたとしても、見栄を張ったことに否定的な評価を下します。

なぜなら、その方の普段からの人となりに、合致した行動ではないからです。

意志的に見栄張ってもいい現役中

ただ、現役の間は、出世のためや事業を発展させるために、意志的に見栄を張ることは、その方の立ち位置によっては必要なことかもしれません。

また、必要以上にお金を使って、家計的には無駄使いであっても、家計が回って、ご自身の心身に快楽を得ることができれば、ご自身には無駄なことではないかもしれないのです。

本人は気づいていない見栄

しかし、日常的にたとえば、

・株式や投資信託は、必ず△△万円以上の取引する
・贈答品は、必ず○○百貨店の□万円の××を買う
・買い物は、必ず△△スーパーで△△△円以上買う
・自家用車は、必ず外国の□□社の車を買う
・洋服は、必ず◎◎ブランドを買う
・おせち料理は、必ず老舗の◇◇に決めている
・値下げ交渉はすることなく、表示価格で購入する
・もちろん、特価品や見切り品は買わない

といった家計の掟を、ご自身やご家族、また親から子どもに、継承している家庭も見受けられます。

その家庭の家計収支に見合った買い物であればいいのですが、なかには知らず知らず気づかないうちに家計を圧迫していることもあります。

買ってくれる業者にしてみれば、お得意さまとして、何かと高揚感を刺激してくれるでしょう。しかし、この継承の不必要なところは、ご自身の世代で断ち切るべきでしょう。

Next: 老後資金も友人も失う、退職後の見栄が危険は理由



退職後の見栄は危険

もっとも、人生を重ねていく上で、お金を使う見栄の多くは、無駄使いをしていることに気づいたときや、究極的には使うお金がなくなれば、収束することになるでしょう。

しかし、気づくことなく家計収入が減る家庭の老後の生活で、現役時代と同様の見栄を張った生活を続けると家計は回らなくなります。

最悪の場合は、家計が破綻することもあります。

したがって、退職後の見栄は、生活をしていく上で、危険なことでもあるのです。

退職後から始まる見栄もある

よく言われていることですが、退職後は、現役時代からの人生経験は役に立ちます。

しかし、社長、部長といった、現役時代の肩書は役には立ちません。

もちろん、生涯、肩書は家計には不要です。

退職後は、地域貢献をしようと地元の何か催し物に参加して、現役時代の役職や事業主の口調で、参加者に接しては、当然ですが嫌われます。

しかし、初めのうち、本人だけが気づかないこともあるようです。

この現象は、退職後に始まる家計には影響はしない見栄の始まりでもあるのです。

この見栄は、自分で気づいて改めないと、接してくれる人が少なくなり、もし家庭でも、歳を重ねてから一人暮らしをするようになれば、心身ともに患ってしまう懸念もあります。

見栄は家計の無駄

このように見てきますと、見栄を張ることは無駄使いです。

そして、生活に潤いを求めるため多少の無駄使いはいいとしても、必要以上の無駄使いは、生涯を通して家計に影響して、生活を圧迫しかねない危険な行為なのです。

今回のポイント

退職後の生活には、見栄を張らない生活を続けることが、家計も円満に運営するために、大切なことです!

退職後に始まる見栄は現役中のご本人の偽りなき、また客観的な証左といえるでしょう!

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image by:imtmphoto / Shutterstock.com

【人生の添乗員(R)】からのワンポイントメッセージ』(2022年9月14日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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