新築・戸建て建売住宅の価格が上昇しています。住宅ローン金利も上昇している今、3,000万円・4,000万円・5,000万円の家を買うとそれぞれ返済額はどれくらい変わってくるのでしょうか?ファイナンシャルプランナーが試算します。(『 【人生の添乗員(R)】からのワンポイントメッセージ 【人生の添乗員(R)】からのワンポイントメッセージ 』牧野寿和)
ファイナンシャルプランナー、牧野FP事務所代表。「人生の添乗員(R)」を名乗り、住宅取得計画やローンプラン、相続などの相談業務のほか、不動産投資、賃貸経営のアドバイスなども行う。著書に『銀行も不動産屋も絶対教えてくれない! 頭金ゼロでムリなく家を買う方法』(河出書房新社)など。
住宅価格が上昇中
ここのところ、新築・戸建て建売住宅の価格が上昇しています。
筆者の住んでる地域でも、30坪前後の広さに区割りされた敷地に3階建ての住宅が建てられており、以前から3,000万円後半から4,000万円台、さらに直近では5,000万円台で販売される物件も出てきました。
価格の差は、オール電化や断熱性の高い素材を使った、また住宅用太陽光の発電蓄電設備を備えた住宅など、住んでみればそれなりに価格の違いに納得できるのかもしれません。
しかし、住宅の購入価格に加えて、住宅ローンの金利も上昇しています。
従って、住宅を購入すれば家計への負担が重くなると考えるのは妥当です。
そこで今回は、住宅購入資金に融資を受け、住宅ローンで返済するとき、返済額が1,000万円ずつ違うと、返済利息はどのくらい変わってくるのか?
返済額の差を、実際にシミュレーションしてみます。
なお、住宅ローンを契約するための費用や、その他、住宅購入に関わる諸税や諸経費は、このシミュレーションには考慮していません。
この記事の構成は次のとおりです。
・住宅ローン返済の前提条件
・5,000万円返済する場合
・4,000万円返済する場合
・3,000万円返済する場合
・支払い額は1,000万円違うといくら変わる?
・今は住宅を購入するタイミング?
住宅ローン返済の前提条件
このシミュレーションでは、住宅ローンを次の条件で契約して、ボーナス返済はなく、毎月返済していきます。
住宅ローンの商品は以下の条件として、実際に返済のシミュレーションをします。
・全期固定金利
・借入期間は30年間
・金利は1.80%/年
5,000万円返済する場合
まず、5,000万円返済していくと、以下になります。
・返済利息の総額:1,474万5,729円
・返済総額:6,474万5,729円
4,000万円返済する場合
同様の条件で4,000万円返済していくと、以下になります。
・返済利息の総額:1,179万6,583円
・返済総額:5,179万6,583円
3,000万円返済する場合
もうひとつ、同様の条件で3,000万円返済していくと、以下になります。
・返済利息の総額:884万7,438円
・返済総額:3,884万7,438円
Next: 利息が800万円増加…今は住宅を購入すタイミングか?
支払い額は1,000万円違うといくら変わる?
住宅ローンの利息の金利や返済期間、また、全期間固定金利、10年固定金利、変動金利といった、借り方によって返済額は変わってきます。
今回のシミュレーションでは、借入金が1,000万円違うと、利息の返済額は約800万円ずつ変わります。つまり、購入価格が1,000万円違うと、支払い利息が800万円違ってくるのです。
また、念のため、住宅ローンで借り入れをした住宅の支払い額は、5,000万円の住宅を購入すれば、64,745,729円。同様に、4,000万円なら5,179万6,583円。3,000万円なら3,884万7,438円です。
住宅の購入価格が「1,000万円」違えば、これだけの差が出てくるのです。
今は住宅を購入すタイミングか?
住宅の購入価格が上昇することで、同じような物件が中古住宅ではいくらくらいか、住宅の購入価格や住宅ローンの金利上昇が落ち着くまで購入を待つ…といった対策を考えるか。または、家計をやりくりして、具体的には収入を増やすか支出を減らすかして、いま住宅を購入するか。
高額な出費になる住宅購入は、これまで以上に、慎重に熟慮を重ねて決めないと、直近から10年、20年後の家計までに、大きく影響を及ぼしかねません。
気に入った住宅に住むために、何を引き締めますか?引き締めれるものを探してから購入しても遅くはありません。
新築にこだわらずに中古住宅からも…といったように幅広く探すことで、住みたくなる住宅がより見つかるかもしれません。
『
【人生の添乗員(R)】からのワンポイントメッセージ
【人生の添乗員(R)】からのワンポイントメッセージ
』(2023年2月22日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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ご自身の描いた老後の生活を実現するために、 40代から、退職・完全リタイアをするまでに、 やっておくべきことがあります。 そんなことはわかっているよ!! でも、行動に移せないんだよね…… 実は、何から始めようか迷っているんだよ!? そもそも、何をしたらいいのかわからないんだよね??? そんな方のために、同年代の私、 「人生の添乗員(R)」が、 ファイナンシャルプランナーとして13年の実績と、 自身の人生経験から、 40代から、退職・完全にリタイアをするまでにすべき、 「貯蓄」と「節約」について、 毎週、1テーマずつお伝えします