マネーボイス メニュー

ウクライナ侵攻1年、まだまだ終わるわけがない理由。アメリカの燃料投下で世界経済は停滞へ=角野實

ロシアによるウクライナ侵攻から1年が経過しました。この戦争、終わるわけがないと現時点で判断しています。アメリカもやめるわけがありません。アメリカはエネルギー覇権をロシアに渡したくないのですから、アメリカはなんだかんだと言って継続。ロシアは目の上のたんこぶで生意気なウクライナを黙らせたい。それだけの話です。(『 角野實のファンダメンタルズのススメ 角野實のファンダメンタルズのススメ 』)

【関連】天才投資家ジム・ロジャーズも台湾有事に警鐘。富裕層が着々と進める日本脱出と資産防衛=花輪陽子

※本記事は有料メルマガ『角野實のファンダメンタルズのススメ』2023年2月27日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:角野實(かどの みのる)
大学卒業後、金融機関に10年ほど勤務。独立して投資家の道へ。現在は企業経営者として活動、FX関連の執筆を多数行っている。

ウクライナ侵攻1年

ウクライナとロシアの喧嘩は今に始まったことではありません。もっと前から仲は悪いのです。要するに単なる内戦です。アイツが気に食わない!コイツも!の連鎖だと思っています。

その導火線に着火したのは、新しい価値観と古い価値観の戦争だと考えています。要は、旧CIS諸国の中でソ連流のやり方を通したいロシアと、新しい価値観の契約と民主主義のやり方を取り込みたいウクライナの戦争なのであろうね、と思います。

おそらくロシアは侵攻前にウクライナに対してガス代金の値上げを要求、ウクライナは拒否。欧州がバカ高いガス料金の値下げを要求し、その根拠にウクライナの安いガス料金を挙げたのでしょう。ロシアもコロナ禍で困っていて値下げをしたくないので、ウクライナに値上げを要求、ウクライナは拒否しただけの話だと思います。

侵攻前にウクライナがどれだけインチキの数々を行ったのかを考えれば、ロシアが怒るのは当然の帰結です。このシナリオに沿ってウクライナ侵攻のニュースをみれば、このストーリーに沿っていることがわかります。

いまロシアがウクライナの発電所などのインフラ攻撃を行うのは、ウクライナを孤立させたいだけの話でしょう。そして穀物基地に対してロシアが攻撃を加えるのは、ウクライナの外貨稼ぎを絶ちたいだけの話です。

どうやってウクライナを復興させるのか?

これが奏功して世界で一番安いウクライナの穀物は高くなり、ロシアの穀物輸出競争力がつきました。

それをウクライナ復興とか騒いでいますが、ウクライナは東部3州を取られ(東部3州は鉄鉱石の産地でウクライナ近代化の礎)、穀物もダメで、どうやって復興するのか?という話になります。

ゼレンスキー氏が「領土を回復するまで戦争を止めない」と騒ぐのには、合理性があります。ロシアは、今後ウクライナが衰退していくことがわかりきっているので、戦争を継続をします。

復興の見通しもないのに、援助だの復興だのを言うのはおかしな話でしょう。それに多額のお金を払うのは日本……何をやっているんだかと思います。

感謝はされるでしょうけど、見返りもないのにお金をつぎ込む。湾岸戦争のときに「協力者の名前に日本がない」と騒がれたことも記憶にある方も多いでしょう。

Next: この戦争はまだ終わらない。燃料を注ぎ続けるアメリカほか西側諸国



燃料を注ぎ続けるアメリカほか西側諸国

アメリカもやめるわけがありません。

アメリカはエネルギーの消費も生産も世界1位です。ロシアも台頭をしてきて、輸出競争力では1位です。アメリカは環境問題でエネルギーの輸出はできませんので、ロシアにエネルギー覇権を取られるのは時間の問題でした。

それを阻止するために懸命に武器供与を行っているだけの話です。恰好のいいことを言いながら、自分の利権を守るためにお金を出しているのです。欧州にはエネルギー安全保障を約束した代わりに武器供与を求めていて、それに応じざるを得ないのが欧州なのです。

アメリカの目的は、エネルギー覇権を維持したい。ロシアは、ウクライナを無力化したい、高いエネルギーを西側に売りたい。ロシアは面子の問題と化しています。

アメリカはエネルギー覇権をロシアに渡したくないのですから、アメリカはなんだかんだと言って継続。ロシアは目の上のたんこぶで生意気なウクライナを黙らせたい。それだけの話です。

この戦争はまだ終わらない

終わるきっかけは、ソ連のアフガン侵攻と同じで石油価格の値下がりでしょうけど、アメリカのインフレが継続になって、終わるわけがないですよね。

サウジとロシアはOPECとして価格維持に努めるでしょう。アメリカも高くしたいのが本音。ロシアとサウジはアメリカ憎しで、高くなるよう努めるでしょうね。

このインフレ、誰が引き起こしているのは明らかですよね。ロシアというのは石油がロシアで取れ始めてから、ずっと安売りのプレイヤーです。アメリカやサウジが高くするので、輸出国としての地位を築いたのです。戦争をしたがっているのはアメリカだと私は思っています。

この戦争、終わるわけがないと現時点で判断しています。

世界経済の成長は止まる?

終わるきっかけというのは、アメリカがロシアや中国の価値観を認めることです。

共産党を倒してアメリカが中国を統治して、うまくいくわけがないです。中国にはローカライズの適正なやり方があり、アメリカのやり方はイラクではまったく通用しないことが証明されました。

中国の共産党を潰すということに、今の流れではなるでしょう。共産党を改心させるなんて誰でも無理なのを、無理やりに改心させようとしているわけです。プーチンも同じです。バカバカしくてお話になりません。

大事なことはグローバリズムの世界から分断の社会に代わる、ブロック経済に代わるということです。東と西の経済圏に分かれて、みんなでやった方が成長をするのが当たり前ですから、成長は今後、減速するよということです。

インドやトルコ、メキシコなどは用意周到に両方から利益を得ようとしているのです。日本もそうなるべきだ、と私は思いますが、岸田さんには北朝鮮のこともあり、その考えはないようです。

北朝鮮は、金体制の保証でおとなしくなることははっきりとトランプが証明しました。それをひっくり返したのがバイデン。頭がおかしいと思います。

Next: 侵攻以降の世界はどこへ向かう?日本が歩むべき道



侵攻以降の世界

非常に明快です。アメリカが戦後に覇権を握ったのは、安い資源を確保できたからです。アメリカはエネルギー、穀物の生産国ですから、今後も保つでしょう。それを高い値段で同盟国に売りつけるのです。

一方、中国・ロシアは、安い工業品とエネルギーを交換するだけで、自国の経済ブロックで発展するのでしょう。安い資源、エネルギー、レアアースのほとんどは中国・ロシアにあります。

どちらの成長が高いですか?ということです。

日本は、アメリカからずっと高いものを売りつけられるだけです。本当にみなさん、それでいいのですか?ということです。欧州も同じですが、欧州は穀物を域内流通で賄えます。

アメリカが日本を厚遇する理由は、岸田さんが良い人だからではありません。経済的利益をもたらしてくれるからです。それに早く日本人は気づかないとダメです。

続きはご購読ください。初月無料です

本日のマーケット(営業日に毎朝配信)

※この項目は有料メルマガ購読者限定コンテンツです →いますぐ初月無料購読! →いますぐ初月無料購読!

<初月無料購読ですぐ読める! 2月配信済みバックナンバー>

※2023年2月中に初月無料の定期購読手続きを完了すると、以下の号がすぐに届きます。

2023年2月配信分
  • ウクライナ侵攻1年で記しておきたいこと(2/27)
  • またもやサプライズのPCE(2/25)
  • 株価は押し目を形成しないかも?(2/24)
  • 利上げは確定(2/23)
  • マーケットの基準(2/22)
  • 季節性の説明(2/21)
  • インフレの整理(2/20)
  • PPI高進はインフレ警戒への号砲だと思います(2/17)
  • 円安になる原因(2/16)
  • 直感、本能と分析の違い(2/15)
  • きょうはCPIと日本GDP(2/14)
  • 今週は金利上昇局面(2/13)
  • 株価は今後、急進する可能性が高いと思います(2/10)
  • 政府VS金融関係者(2/9)
  • 利上げ表明は緩和継続のサイン(2/8)
  • 何が起こっているかの再確認(2/7)
  • ドル高は続くのか(2/6)
  • 市場はバブルと化する可能性が高い(2/4)
  • 通貨インデックスからみた為替市場(2/3)
  • ファンドが仕掛けてくる可能性があるように思う(2/2)
  • IMF世界経済見通し WEO(2/1)

いますぐ初月無料購読!


※本記事は有料メルマガ『角野實のファンダメンタルズのススメ』2023年2月27日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

<こちらも必読! 月単位で購入できるバックナンバー>

※初月無料の定期購読のほか、1ヶ月単位でバックナンバーをご購入いただけます(1ヶ月分:税込990円)。

2023年1月配信分
  • アメリカからの資金流出が起こっている(1/31)
  • 今のアメリカの状況はたぶん、こうだろう(1/30)
  • クロス円の構造(1/29)
  • GDPが強いということは何を意味するのか?(1/27)
  • きょうはアメリカGDP(1/26)
  • 基準は前年にある(1/25)
  • 大きな流れ、小さな流れと国際協調(1/24)
  • 長期的効果と短期的効果を間違える人がほとんどの現状(1/23)
  • 大きな流れから今の流れを読む(1/22)
  • 事実をとらえなければいけない、と思う(1/20)
  • 軽いリスク回避傾向(1/19)
  • 日銀は政策を修正するか? そんなものわかるわけがない(笑)(1/18)
  • 日銀金融政策決定はわからないけど・・・(1/17)
  • 円高はどこまでいくのか?(1/16)
  • 円高の原因を考える 週末特別号(1/15)
  • CPI後が大事だと思います(1/13)
  • 強弱、硬軟材料入交り(1/12)
  • インフレ指数、CPI、消費者物価指数の数字マジック(1/11)
  • きのう記したことを検証する(1/10)
  • 非常に大事なことを記します(1/9)
  • ISM製造業と非製造業の関連性(1/7)
  • 驚くほど強い米国市場(1/6)
  • 岸田首相の年頭会見には重要な意味があるのにマーケットは見逃している(1/5)
  • 今年1年間ありがとうございました(1/4)
  • 新年あけましておめでとうございます(1/4)

2023年1月のバックナンバーを購入する

【関連】優秀な人ほど日本を降りていく、岸田内閣「富の再分配」の異常性。国民や投資家は増税ではなく“稼げる社会”を求めている=角野實

【関連】日本の農業をアメリカに売った政府の罪。アグリビジネスが農家の生活と地球を壊す=田中優

【関連】「投資系YouTuberの7割はウソ」金融の専門家が警告、海外金融商品に落とし穴=俣野成敏

image by:Tomas Ragina / Shutterstock.com

角野實のファンダメンタルズのススメ 角野實のファンダメンタルズのススメ 』(2023年2月27日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

初月無料お試し購読OK!有料メルマガ好評配信中

角野實のファンダメンタルズのススメ

[月額990円(税込) 毎週月・火・水・木・金曜日(祝祭日・年末年始を除く)]
株やFXをトレードするときほとんどの人が感覚や本能でトレードをしています。その感覚や本能は素晴らしいものですが、どの世界でも本当に成功するのはそれを科学的、ロジカルに説明することができるものです。このメルマガを読むことによって株式やFXに科学的な視点を加えることを目的にできればと思います。

シェアランキング

編集部のオススメ記事

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MONEY VOICEの最新情報をお届けします。