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恋人やパートナーとの別れ回避!「報酬とコスト」の心理テクニック=ゆうきゆう

恋人、友人、そしてビジネスパートナー…。人間は社会の中で、色々な人と様々な関係を持ちながら生きています。でも、時にはその関係に終わりが来るときもあります。契約解消、離婚…そして別れ。

それでは、そんな事態を防ぐための方法はあるのでしょうか?そしてもしあなた自身が、今の関係を続けるかどうか迷う立場にあるのなら、いったいどうすればいいのでしょうか?今回は、そんなお話をお届けいたします。(『★セクシー心理学GOLD 〜最先端の心理学技術★』ゆうきゆう)

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じつは人間関係にも応用できる「経済の鉄則」

それでは突然の質問。ちょっと想像してみてください。

今の日本でミネラルウォーター1本が1万円で売っていたら、あなたは買うでしょうか?

おそらく、誰も買わないでしょう。

これは、水を飲むことによって得られる「ノドの潤い」と、払うお金である「1万円」では、明らかに「1万円」の方が大きいからです。

でもそこがもし砂漠で、ノドがカラカラ、命も危ないという状況だったら…!?たぶん、ほぼ全員の人が買うでしょう。

この場合は、得られる「命」と払う「1万円」。2つを比べれば、「命」の方が大きいからです。

このように人間は、ある商品を買ったときに得られる喜びなどのプラス面と、それを買うのに使う費用などのマイナス面を比較した上で、実際に購入するかどうかを決定します。

これは、仕事を選ぶときでも同じです。「ラクな仕事内容で時給1000円」と「危険で大変な仕事で時給50円」だったら、ほとんどの人が前者を選ぶでしょう。

言い換えるなら、「コスト」と「報酬」のバランスによって、ある商品やビジネスを買ったり行ったりするかどうか決定する、ということ。

「コスト」に比べて「報酬」の方が高いときはそれを選びたくなり、逆なら選ぼうとはしない、というわけです。

これは経済における鉄則ですね。

でもこの鉄則は、「人間関係」にも応用することができるのです。

それを考えたのが、心理学における『社会的交換理論』。社会における人間関係すべてを「経済」と同じ考えで説明するわけです。

Next: 別れる、別れないの判断も「報酬-コスト」で決まる!?

判断=「報酬」-「コスト」

この理論の中では、人間がある相手との関係を結んだり続けたりするかどうかを、「報酬」と「コスト」の差によって判断する、と考えます。

すなわち式にするなら、

判断=「報酬」-「コスト」

報酬は、相手と付き合うことによる「幸せ」や、「自分の価値が高まる」などのプラスの要素。コストは、その関係を維持するのに必要な、お金や時間や労力などのマイナスの要素です。

すなわちこの理論によれば、人間は、報酬が大きくコストが低いほど、今の関係に満足し、その相手との関係を続けていこうと考えるわけです。

たとえば現在は、ほとんどの人が携帯を持っています。よってほとんど気兼ねせずに、個人から個人へ電話をすることができます。

これが1つの家に1つしか電話がなかった時代だったら、「お父さんが出たらどうしよう…」などと考えたりと、余計な勇気が必要だったわけです。

「あの、○○さんはいらっしゃいますか?」
「おりません」ガチャ

あったはずです。こんな悲劇…。時には、どう考えても本人の声のときも…。

この場合、苦労などの「コスト」が強いわけですので、電話をかけるほうは、それを上回る「報酬」がないと、その行動を起こさなくなります。言い換えるなら、よほど相手のことが好きでなければ電話しなくなる、ということ。

すると自然に人づき合いは、「少数の親密な友人(もしくは恋人)」が中心になっていきます。

しかし現在はカンタンに連絡を取れます。これは「コスト」が低いということですので、それほどの「報酬」がなくても、すぐに電話をすることができるわけです。よって、「それほど親密でない多数の友人」がたくさんできる、という状況になるのです。

よく「現代は人間関係が希薄である」と言われますが、このことも関連しているのではないでしょうか。

さらに相手の反応を見なくても送ることのできる「メール」という手段もありますので、その傾向はさらに強まります。

もちろん、すべてがこの社会的交換理論で説明されるほど、人の心理は単純ではありません。実際、「コストが上がるほど、その人の中での価値が上がる」という考え方もありますので…。

ただ「こういう見方もある」と考えていただければ、みなさんが何かに対して迷ったときに、一つの答えになるはずです。

できる限りの、コスト削減

また人間は、「報酬」-「コスト」の差が小さいのにその関係を変えられない場合、何とかしてその差を大きくしようと考えます

あなたが毎日のように彼氏に電話しているのにもかかわらず、彼氏が自分に対して冷たく接してばかりいるようなとき。

こんな場合、「その分がんばってもっと電話をしたり、尽くしたりする」という選択肢もあります。しかしほとんどの人がそれを選ばず、あえて「電話の回数を減らす」はずです。

これはコストを減らすことによって、相対的に「報酬」-「コスト」を大きくしようとしているわけです。

迷っているときの、もう1つの公式

さてこの話は、これだけでは終わりません。実はこの社会的交換理論から、「恋人を乗り換える場合の法則」が導かれるのです。

Next: 恋人を乗り換える場合の公式、3つの重要ポイント

恋人を乗り換える場合の公式、3つの重要ポイント

たとえばあなたに恋人がいたとしましょう。そんなときに、誰か別の相手からのアプローチを受けたりした場合、あなたはどうするでしょうか?

今の相手との関係を続けるべきか

もしくは、

新たな相手に乗り換えるべきか

このように迷ったときに決め手となるのが、この社会的交換理論をもとにして、アメリカの社会心理学者ラズハルドによって提唱された公式です。

この公式を簡単に説明するなら、その判断は、

「現在の満足度」+「現在までの投資量」+「変化に必要なコスト」

と、

「乗り換えることによる報酬」

との、どちらが大きいかによって決められます。

色々とややこしい言葉が出てきたので、1つ1つ解説していきましょう。

「現在の満足度」

現在の恋人に対してどのくらい満足しているか、ということ。今の相手が異性として魅力的であったり、色々と尽くしてくれる人ならば、高くなるわけです。

「現在までの投資量」

今までに恋人に対して向けてきた労力・時間・お金などの、いわゆる「今の相手へのコストの積み重ね」です。ですので単純に長く付き合っている恋人や、「今までに色々と苦労させられてきた」という相手の場合、自然これが大きくなり、別れにくくなるわけです。

「変化に必要なコスト」

新しい相手に乗り換える場合の労力などのマイナス要因。今の恋人がとても嫉妬深くて、別れるのも大変そう…とか、振ったらクラスの人に何ていわれるか分からない…といった要因が強い場合、別れにくくなるということです。

すなわちこれら全部の総和を上回るだけの「乗り換えることによる報酬」がないと、「相手を乗り換える」という行動を起こすまでには至らない、ということ。

一言でカンタンに言うなら、「面倒なコト以上のプラスがなきゃイヤ!」となるわけです。

契約を変えるときの迷い?

これを経済的な例で考えると、こうなります。

あなたが今、ある会社に勤めているときに、突然他社からヘッドハンティングされたと考えてみてください。このときに、下のAとBでは、どちらの方がその誘いに乗りやすいでしょうか。

A「今の会社が年俸500万円、すでに30年間勤務していて、途中契約解除による違約金が1000万円で、新しい会社の年棒が600万円

B「今の会社が年俸300万円、まだ1ヶ月しか勤務しておらず、途中契約解除による違約金が100万円で、新しい会社の年棒が1000万円

…おそらくほとんどの方が、Bのはずです。

これはBが、「満足度」「投資量」「コスト」いずれも低く、「乗り換えた報酬」が高いからです。

話を恋愛に戻すと、この理論によって、自然、別れる理由のほとんどは、「新しく好きな人ができた」となるわけです。それ以外の理由があることは、かなりレアでしょう。

「他に好きな人ができたわけじゃないの。ただ私、なんだか疲れたの…」と言う場合、実際は別の相手ができたことを隠していることがほとんどです。

うううう…。今回のテーマは、身につまされることが多すぎます…。

離婚を防ぐ、意外な要因!?

また、実際に結婚したカップルは、年がたつにつれ、相手への「満足度」は少しずつ低くなっていくことが知られています。しかしその分、年齢とともに相手への「投資量」が増えてくるので、簡単には「離婚」とはならないのです。

また老いてくるにつれ、今以上に満足な相手が近づいてくる可能性は減ってきますので、「乗り換えることによる報酬」も下がるわけです。

相手のコストを高めると同時に

よってあなたに恋人がいて、もし今の相手をずっと側においておきたいと思うのなら、ただ単に「現在の満足度」を上げておくのはもちろんのこと、

「現在までの投資量」+「変化に必要なコスト」

を上げておくことも大切なのです。

それでは、具体的にはどうすればいいのでしょうか?

Next: 悪用厳禁!自分の恋人を縛る方法、他人の恋人を奪う方法

悪用厳禁!自分の恋人を縛る方法

その答えこそが、色々なデートや旅行に行って、相手と一緒に多くのお金や労力を使っておくこと。これだけで相手は、「あんなに色々な投資をして、あれだけの体験をしたのだから…」と考えます。

また、相手の中でのコストを高めるために、「僕は君と別れても大丈夫だよ」という雰囲気を発さないことも大切です。よって、必ずこう伝えましょう。

君がいないと、生きていけないほど大切に思っているんだ

この言葉は、相手の罪悪感(すなわち他の相手のところに行くときのコスト)を高めると同時に、かけがえのない愛情の言葉になっています。

これだけで相手の気持ちは、あなたの方に強くひきつけられるでしょう。

他人の恋人を奪う方法

これを逆利用すれば、「すでに誰かと付き合っている相手を奪いたい」と思うのなら、「自分ならきっと今以上の幸せをあげてみせる」という「報酬」を高くアピールするだけでなく、

「そんな扱いを受けているのはひどいよ」
「その人のための人生じゃないんだから…。君の好きなように生きていいと思うよ」

と、「今の恋人を振るときのコスト(罪悪感)」を低くしてあげることが有効なのです。

またこれはビジネスに応用できるでしょう。相手とのパートナー契約などをずっと結んでおきたいと思うのなら、「キミがいるからこそ、僕も安心して仕事ができるんだよ」といったセリフを伝えること。

そして逆に自分の方にヘッドハンティングしたり、契約を変えさせたいと思うのなら、

「自由契約は、欧米では当然の判断ですよ」
「広い目で見てください。ウチに移ることで日本経済を活性化させれば、それがひいては今の会社のためにもなるわけじゃないですか!」

というセリフだって有効なわけです。

ウラを返せば、こういう言葉を言われた場合、ちょっとだけ注意が必要だということです。…気をつけてくださいね。

まとめるなら、相手を浮気させたくないのなら、「キミは自分にとってかけがえのない存在。いなくなったら、自分はもうダメだ」と伝えること!それは相手の中の、心変わりのコストを高め、同時に今の恋愛における満足感を大きくすることができる!ということです。

縛られる、喜び

「新しい相手と迷っています。どうすればいいでしょう…」
「今の会社にも恩があるので、今後どうしようか考えています…」

そんなご相談のメールをよく頂きます。

人間には、2種類の面があります。誰かを束縛したいと思う気持ち。そして同時に、誰かに束縛されたいと思う気持ちです。

縛られるのは、自由を奪われることになります。それは確かに、大きな苦痛かもしれません。でも束縛するという行為は、結局は「失いたくない」という気持ちのあらわれ。縛られる方は、それだけ誰かに必要とされているということなのです。

人間にとって、それはかけがえのない喜びではないでしょうか。

もし、あなたが今、「胸の中の鎖」に縛られている立場なら…。そこから先は、あなたの判断です。その答えに、いい、悪いなんて基準はありません。

すべての鎖を切って、新しい世界へ出て行くのか。それともあえて今の立場を選んで、必要としている相手の側にいてあげるのか。

どちらを選んでも、つらいことはあるでしょう。でも、どちらを選んでも、喜びは必ずあるはずですよ。

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