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SMAP、トランプ、小池敗北。「リストラ被害者」の反撃はもう始まっている=児島康孝

今、世界のいたるところで「リストラされた側」の反撃が始まっています。トランプ大統領の誕生は言うまでもなく、この流れは日本でも止まりそうにありません。(『ニューヨーク1本勝負、きょうのニュースはコレ!』児島康孝)

スマップ、トランプ、小池敗北に共通点。「本番」はこれからだ

トランプ大統領の誕生が意味するもの

トランプ大統領は「不動産王」「大富豪」というイメージが強いですが、従来のアメリカの支配層から見ると傍流です。このため、大統領選挙のときも、就任後も、様々なバッシングが行われています。

オバマ政権では、マイノリティの保護や人権が表面的にはクローズアップされていました。しかし実際には、一部への富の集中とセットで貧困化が進むというグローバル化政策が行われていました。

ですから、従来のアメリカ支配層からすると、表向きは人権を重視することを言って、実際には国民からカネを搾り取るという政策をしてくれる、そういう「大統領」が好都合ということです。

トランプ大統領の政策は「中間層を復活させる」ものであり、従来のアメリカ支配層から見ると、富の一極集中=格差拡大政策の妨げとなります。そのため、従来の支配層からは嫌われているわけです。

こういう観点から見ますと、なぜトランプ大統領へのネガティブ・キャンペーンが大々的に行われて、逆に結果ではトランプ大統領が当選したのかがよくわかります。

つまり、リストラされてきた側がその仕組みに気が付き、反撃している。これがトランプ大統領が登場した理由なのです。

こうした視点から見ますと、共和党内でも反トランプの動きがあったりといった複雑な動きも、わかりやすいでしょう。

また、中東では、ケタ違いに大きな人権侵害をしてきたIS(イスラム国)が、トランプ政権への交代後に壊滅状態になりました。オバマ政権を支持する人権派は、なぜか、IS(イスラム国)の行為についてはほとんど何も言いません。

Next: 今の日本を象徴する『72時間ホンネテレビ』元SMAPの3人の反撃



日本でも似た現象が起きている

それと似た現象が、日本でも起き始めています。希望の党の小池氏が「排除」騒動で支持を失ったのも、リストラされる側が力を持ち始めているためです。

つまり、リストラされる側がどう見て、どう判断するのかが重要になってきているのです。

最近の話では、AbemaTV(インターネットTV)の「72時間ホンネテレビ」現象が例として挙げられます。

AbemaTVは、テレビ朝日とサイバーエージェントが共同設立したネットテレビ局です。今回、元SMAPの稲垣・草彅・香取の3人が『72時間ホンネテレビ』に出演。異常に高い視聴者数を記録し、テレビ業界を困惑させています。

元SMAPの3人は、いわば事務所を「リストラされた側」。世の中で「リストラされた側」の人数が膨大になるとともに、この3人に自らの立場をあてはめて、共感する国民層が非常に増えているわけです。

AbemaTVは、六本木ヒルズのテレビ朝日本社の一部などで業務を行っていて、スタッフにも何らかの事情で地上波の仕事を続けられなかった実力派が多い。つまり、制作側も出演者も「リストラされた側」に近いわけで、まさに世の中を体現しているわけです。

今回の「72時間ホンネテレビ」のヒットも、必然だったのでしょう。

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「いや、日本では、自民党が大勝したではないか」というご意見もあるでしょう。しかし、安倍首相がアキバで演説したり、賃金アップを経済界に要請したりしています。これ以上の実際の活動が、国民の目には止まらなかったということです。

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ニューヨーク1本勝負、きょうのニュースはコレ!』(2017年11月6日号)より抜粋、再構成
※太字はMONEY VOICE編集部による

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