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DJTのショートをカバーしろ=櫻井英明

米投資雑誌バロンズの特集で「DJTのショートをカバーしろ」とある。DJTはトランプ大統領の名前の略称。そして相場の先行きを示すダウ輸送株指数のティッカーコードだ。(『「兜町カタリスト」』櫻井英明)

「兜町カタリスト」水曜前場 2017年2月22日号より

NY市場

3連休明けのNY株式市場は続伸。プレジデンツデー前後のNYダウが下落するというアノマリーは3年連続で不成立となった。

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NYダウは8日続伸となり史上最高値を更新。NASDAQとS&P500も史上最高値を更新しトリプルクラウン復活となった。「背景はトランプ米大統領の経済政策に対する楽観的な見方の台頭」との解釈。「トランプ政権が主張している政策を通せるなら株価にとって極めて明るい材料」との声も聞かれる。

決算好調のウォールマートやホーム・デポなど小売りセクターが上昇をけん引。S&P500は主要11セクターがすべて上昇した。製薬大手ブリストル・マイヤーズ・スクイブは一時4.8%の上昇。著名投資家カール・アイカーン氏が同社株を取得したとウォールストリート・ジャーナルが報じたのが好材料視された。S&P500の予想PER17.8倍で長期平均の15倍を大きく上回った。「企業の四半期決算は予想よりも好調。投資家は最高水準の株価を正当化する材料を求めていた」と指摘されている。

NYダウは2月15日にボリンジャーバンドのプラス3σレベルまで上昇。しかし昨日はプラス2σレベル(20623ドル)で止まっている。また25日移動平均(20085ドル)からのかい離はプラス2.3%。連騰の割に過熱感がないのが特色とも言えよう。

東京市場

今年の上昇初日を7週目にして示現した火曜日の日経平均株価。支えとなったのはテクニカル的指標という指摘もある。13週移動平均(19201円)一目均衡表の転換線(19197円)25日移動平均線(19145円)などだ。ここで踏みとどまれたから昨日の上昇になったという見方もできよう。

不思議なのは、プレジデンツデーの休日の夜にフィラデルフィア連銀総裁が講演を行ったこと。それを材料に為替が円安トレンドになったこと。「経済指標が米経済の拡大継続を示す内容となれば、3月会合での利上げを支持する」。絶妙のタイミングで格好の支援材料視された。

時として市場では、興味深い事態やコメントが発生するものでもある。「上がるも下がるも為替次第」という究極の責任転嫁はまだ続きそうな気配。しかしドル円は2月前半の安値を下回らずに反転し、25日線も回復。また為替は株価材料からは一時消滅するのかも知れない。

NYダウは8日続伸で史上最高値を更新。シカゴ225先物は大証日中比60円高の19440円。3日続伸の可能性を示す水準となった。昨日のドルベースの日経平均は170.72。昨年来高値の170.57(1月26日)を更新

一方で日経VIは17.08と昨年来安値更新。空売り比率も35.6%と低下した。騰落レシオの118.39は気にならない程度の高水準で、むしろ相場の弾みと考えたいところ。東証1部の売買代金は1兆6540億円と今年最低。「閑散に売りなし」は「売り物薄」の代替的表現に聞こえてこよう。

2月13日高値が19519円。1月5日高値が19615円。「19515円を抜ければ上昇トレンド」と市場関係者。今日上げれば今年の水曜は8連勝。

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「DJTのショートをカバーしろ」米バロンズが面白い

米投資雑誌バロンズ電子版の「2人のトランプの物語」と題する特集記事が面白い。

トランプ大統領が打ち出す政策は株式市場で時に好感。時には破壊をもたらしている。しかし「貿易戦争のようなことが起これば調整するリスクがある」。投資情報誌「グランツ・インタレスト・レート・オブザーバー」のジム・グラント氏のコメント。「投資家はトランプ氏に関する破滅的な予想を無視すべきだ。『DJTのショートをカバーしろ』。DJTはドナルド・ジョン・トランプ大統領の名前の略称。そして相場の先行きを示すダウ輸送株指数(DJT)のティッカーコード。DJTを持つ必要はないが、DJTが指し示す方向性を重視して過度に悲観的になる必要はない」。DJTは15日に9566.10ポイントまで上昇して史上最高値を更新。昨日は9531ポイントだった。

NYダウは、118ドル高の20743ドルと8日続伸し史上最高値更新。
NASDAQは、27ポイント高の5865ポイントと続伸して史上最高値更新。
S&P500は、14ポイント高の2365イントと続伸して史上最高値更新。
ダウ輸送株指数は、36ポイント高の9531ポイント。
3市場の売買高は、67億株。
CME円建ては、大証比65円高の19445円。
ドル建ては、80円高の19460ポイント。
大証夜間取引は、日中比60円高の19440円。
ドル円は、113.60円。
10年国債利回りは、2.430%。
非公式外資系動向は、売り690万株/買い980万株。
金額ベースは、3億円の買い越し(2日ぶり)。
売りは、小売・自動車・保険・食品・REITセクターなど。
買いは、陸運・精密・鉄鋼・化学・情報通信セクターなど。
売買交錯は、電機・サービスセクターなど。

225先物は、野村・ドイツ・日興・みずほ・シティ・クレディ・大和が買い越し。
アムロ・バークレイズ・SBI・メリル・UBS・ソジェンが売り越し。

TOPIX先物は、JP・GS・クレディ・パリバが買い越し。
メリル・日興・ドイツ・みずほが売り越し。

外資系等は、東レ(3402)、JFE(5411)、ケミコン(6997)、三菱UFJ(8306)に注目。

テクニカル的には、ミライト(1417)、BRHD(1726)、長谷工(1808)、大末建(1814)、日ハウス(1873)、明星工(1976)、ダイダン(1980)、デジアーツ(2326)、カゴメ(2811)、Bガレージ(3180)、ニッケ(3201)、フージャース(3284)、アツギ(3529)、ヒトコム(3654)、王子(3861)、住友化(4005)、神戸鋼(5406)、ヤマシン(6240)、NTN(6472)、不二越(6474)、三桜工(6584)、愛三工(7283)、Gセブン(7508)、東リ(7971)、日バルカー(7995)、オンワード(8016)、三愛石(8097)、H2O(8242)、パルコ(8267)、イオン(8267)、ゼビオ(8281)、みずほ(8411)、ポケット(8519)、大東銀(8563)、ジャックス(8584)、東洋証(8614)、水戸証(8622)、マネパ(8732)、JR西(9021)、日立物流(9086)、ケイヒン(9312)、洋埠頭(9351)、西尾レント(9699)、タキヒョー(9982)が動兆。

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「兜町カタリスト」』(2017年2月22日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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