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バブル崩壊に備えて遠くへ逃げろ。本当に意味のある「分散投資」のススメ=田中徹郎

もし僕が「資産運用で一番大切なことは?」と聞かれたら、躊躇なく「距離が離れた金融商品への分散」と答えるでしょう。バブル崩壊の苦痛を減らしてくれます。(『一緒に歩もう!小富豪への道』田中徹郎)

プロフィール:田中徹郎(たなか てつろう)
(株)銀座なみきFP事務所代表、ファイナンシャルプランナー、認定テクニカルアナリスト。1961年神戸生まれ。神戸大学経営学部卒業後、三洋電機入社。本社財務部勤務を経て、1990年ソニー入社。主にマーケティング畑を歩む。2004年に同社退社後、ソニー生命を経て独立。

近い市場に逃げても巻き添えに…。暴落を生き抜く資産運用とは?

ブラックマンデーもリーマン・ショックも経験してきた

もし僕が「資産運用にとって、何が一番大切ですか?」と聞かれたら、躊躇なく「距離が離れた金融商品への分散」とお答えするでしょう。

長いこと投資をやっていますと、いろんな経験をいたします。

1989年のバブルも経験しましたし、その前のブラックマンデーも経験しました。2000年のITバブルも経験しましたし、2008年のリーマン・ショックも経験しました。

ショックの度合いは先月の株価下落の比でははく、いずれも株式の大きな下落を伴い、私自身にとってもそれなりの精神的な苦痛を伴いました。

でもこの間、意識的に資産構成を変えてきた結果、少しずつではありますが、バブル崩壊による苦痛をさほど受けない形に、自分自身のポートフォリオは変わってきています。

リスク回避にならない分散投資もある

自身の経験を振り返りますと、リーマン・ショックのような大きな危機に遭遇すれば、例えば株式投信とREIT、債券型投信というような、いわば「近隣商品への分散」の意味はほとんどありませんでした

もちろん分散しないよりよほどましではありますが、リーマン・ショック直後には、株やREIT、大半のヘッジファンド、新興国の債券…一時的には先進国の債券すらも、大きく下げてしまいました。

このような経験から申し上げるなら、近隣商品への分散ではなく、「距離が離れた金融商品に分散」しなくてななりません。

距離が離れた金融商品とは?

どういうことかといいますと、例えば株や債券、ヘッジファンドといった、いわゆるペーパーアセットに対して、貴金属やコインといった現物資産を組み合わせてあげるという発想です。

一例を挙げますと金(Gold)です。

リーマン・ショック時に金は一時値を下げましたが、あの年(2008年)の末には早くも回復していました。

アンティーク・コインカラーストーンに至ってはソヨとも風は吹かず、むしろ逆に値上がりを続けたほどです。

やはり現物の世界とペーパーアセットの世界では、入ってくるマネーの質が違うからだと思います。

Next: わかっていても行動するのは難しい。それでも投資の質を変えるには?



時間をかけて「資産の全体像」を設計する

まずはこのような発想に立って資産の全体像を設計すること、さらにそのうえで細部の設計、つまり個別の金融商品への投資をすることが重要だと私は思います。

ただしのど元過ぎれば熱さ忘れる…。人は忘れやすい生き物ですし、ポートフォリオの組み換えは一朝一夕にはゆきません。

ですから焦らず、少しずつ時間をかけて、しかも着実にゴールを目指さなくてはなりません。

皆さんもぜひ「距離が離れた金融商品に分散」ということの意味を考えていただければと思います。

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一緒に歩もう!小富豪への道』(2018年3月1日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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