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3,656社にのぼる東証上場銘柄のなかから、いま投資するべき銘柄を選ぶ方法とは?=山田健彦

株を買うとき、どのように銘柄を選定していますか?今回は、何を買うかをどのように決めているのか、選んだ銘柄をいくつに絞ったらいいのかについて解説します。(『資産1億円への道』山田健彦)

買う銘柄をどうやって選べば良いのか?

現在の東証上場銘柄数は、3,656社ある

日本取引所グループのホームページをチェックしてみると、2019年3月5日現在の東証上場銘柄数は3,656だそうです。

これだけの銘柄を日々チェックするのは不可能ですし、仮にチェックできたとしても、株価は時々刻々さまざまな理由で動いており、いまこの瞬間の状況は5分前に確認した状況とは異なっているなどというのは日常茶飯事です。「これさえ買っておけば万全」というものはありません。

ですので「何を買えば良いのか?」は誰もが悩む点です。筆者とて例外ではありません。ある銘柄を購入して株価が5円くらいしか上がらない中、他の銘柄がストップ高をつけた、というニュースを見て「あちらの銘柄を買っておけば良かったのかなぁ…」などと思うのは今でも良くあります。

投資セミナーでもみんなの関心事は…

筆者も時々、株式投資セミナーに参加しますがセミナーの流れはほぼ決まっていて、まず経済全体の現状分析から始まり、今後の見通し、そして講師が注目すべきと考える個別銘柄の解説というパターンで進んでいきます。

筆者はセミナーに参加するときは他の参加者がどのようなトピックに興味があるのか、を見る目的もあり、大体会場の最後列に座ることが多いのですが、後ろから観察していると「注目すべき個別銘柄」の解説になると、会場の雰囲気が一気に緊張モードに変わり、みなさんメモを取り始めます。それほど何を買えば良いのか、は共通する悩みのタネのようです。

Next: 買いたい銘柄を見つけるためのもっと身近な方法とは…



情報はいろんな所に転がっている

実はセミナーに行かなくても「何を買えばよいか」に関する情報はいろんな所に転がっています。例えば日経新聞です。

2月9日(土)の日経新聞朝刊一面に「ヤマト、荷受け拡大、労使が一致、人手不足改善で方針転換」という記事がありました。内容は「トラック運転手の不足などを理由に抑えていた宅配便の荷物数を、人手不足の解消が進んだとして再び引き上げる」というもの。

その記事が一因になってか、翌週月曜日のヤマトホールディングス<9064>の株価(終値)は2,902円と前週金曜日の終値と比べ62.5円上昇しました。約2.2%の上昇です。株価はその後2月20日に2,987.5円となり、日経記事が出てから7営業日で148円(5.2パーセント)の上昇となりました。

同じく2月9日(土)の日経新聞に「ニッケル年比2割高 ステンレス・EV用需要堅調」という記事が載り「国内のステンレスメーカーが値上げに動く可能性がある」と報道されました。

株探で検索欄に「ニッケル」と入力して検索してみると、12銘柄が検索に引っかかりました。そこからこれら12銘柄の株価動向を確認すると、代表格ともいえる冶金工<5480>の株価は報道直前の229円から3月1日の253円と約10%上昇しました。その他のニッケル関連銘柄でも住友金属鉱山<5713>の株価も報道の翌営業日から7日間で10%超上昇しています。

2月24日(日)の日経新聞では「新素材CNF(セルロース・ナノ・ファイバー)用途広がる植物由来、製紙各社が開発、建築、生コン流す潤滑材、食品、どら焼きもっちり」という見出しで「CNFの製造には製紙の製造設備の一部が使えるため、製紙各社が開発を競っている。市場規模は2017年は約4億円。ただ30年には600億円にまで拡大する見通し。経済産業省はさらに強気で、30年に関連市場を1兆円規模に育てる構想を掲げる」と解説されています。

株探から「セルロースナノファイバー」のテーマで検索すると15銘柄が引っかかってきましたが、日本製紙は記事の出る直前の株価(2月22日の終値2,129円)から2月27日には終値で2,241円と株価は5%超上昇しました。

さらに同日(2月24日)には「米ファンドがJR九州に対して自社株買いを要求」という報道がありましたが、同社の株価は翌25日には27日までの4日間で100円(率にして2.7%)上昇しました。

このように何を買えば良いか、という情報はあちらこちらに転がっているのです。

Next: たくさん見つけた銘柄から、いくつ取引するべき?



取引銘柄数はどのくらいが良いのか?

しかし、記事やニュースに出た銘柄を全て買うことは予算的にも不可能ですし、賢いやり方でもありません。

筆者は、一度に取引できる銘柄数はどう頑張っても10銘柄以下だと思います。それ以上の取引は管理がかなり難しい状況になります。

筆者の場合、株式面での超長期投資は5銘柄です。これらは毎月決まった日に定額を積立投資として投資しています。目的はコストゼロの株を作ることなので、市場環境が良くても悪くても中止したり、様子見したりすることはありません。

それ以外の、短期、中期売買では今は、2銘柄しか売買していません。前日の市場環境を見ながら時には信用の売りも交えて取引しますが、たったの2銘柄でも十分利益は出せます。

取引銘柄を絞ると、その銘柄はどんなときに上昇しやすく、どんなときに下落しやすくなるのか、という銘柄独自のクセみたいのが分かり、かえって取引しやすいというのが実感です。

取引銘柄数を絞っているのにはもう一つ理由があり、これは近々、割と大きな調整があっても不思議ではない、と思っているからです。

現在の市場の懸念は米中貿易摩擦ですが、ニュースなどでは、その進捗状況や見通しなどが割と具体的に報道されています。市場はそれらのニュースに反応して上昇傾向を辿っているのですが、ここまで情報が漏れていると、実際に交渉妥結となったときに材料出つくし感から「取り敢えず利益確定をしておこう」という投資家がどっと出るのではないか、と心配しています。

仮に、そのような大幅な調整があったときに何を買うか、を今は研究しています。このような作業をしておくことは決して無駄ではありません。

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資産1億円への道』(2019年3月5日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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資産が1億円あるとゆとりある生活が可能と言われていますが、その1億円を目指す方法を株式投資を中心に考えていきます。株式投資以外の不動産投資や発行者が参加したセミナー等で有益な情報と思われるものを随時レポートしていきます。

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