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一時1万9500円割れも材料株は売買活発~「NYダウ離れ」に期待の日経=犬丸正寛

先週末に一時、3週ぶりの19500円割れとなった東京株式市場のポイントと、日経平均株価の「NYダウ離れ」に着目する株式評論家・犬丸正寛氏の相場展望をお届け。また、相場操縦疑惑が指摘される村上世彰氏が自身のサイトで公表した見解の注目点をご紹介します。(『日刊株式投資情報新聞』)

材料株、IPOは活況/日経のダウ離れ/村上世彰氏が見解

日経平均は一時3週ぶりの19500円割れ、日本郵政が高い

11月4日(金)の日経平均の終値は1万9504円48銭(435円42銭安)、TOPIXは1574.02ポイント(28.92ポイント安)、出来高概算(東証1部)は20億4719万株。

日経平均株価 日足(SBI証券提供)


TOPIX 日足(SBI証券提供)

4日後場の東京株式市場は、昨日の欧米株式がECB(欧州中央銀行)の追加金融緩和を不十分と見てほぼ全面安となった影響が大引けまで続き、日経平均は13時頃に11月16日以来の1万9500円を割り込んだ後もジリ安基調のまま、大引け間際に495円36銭安(1万9444円54銭)まで下押す場面があった。主な株価指数はすべて安い。

中で、日本郵政<6178>(東1)が自社株買いによる需給好転などが言われて朝方に上場来の高値を更新したまま後場も高く、富士通<6702>(東1)は東芝<6502>(東1)やソニー<6758>(東1)から分社化したVAIO(バイオ、長野県安曇野市)などとのパソコン事業統合観測などを好感して高い。

日本郵政<6178> 日足(SBI証券提供)

アプリックスIPホールディングス<3727>(東1)は世界初開発という重力式浄水器向け非接触型水量センサーが材料視されて活況高。リーバイ・ストラウスジャパン<9836>(JQS)は明確な買い材料がつかめないがジーンズを着用型の携帯端末化する研究などが言われて2日連続ストップ高。

この日に新規上場の鎌倉新書<6184>(東マ・売買単位100株)は「いい葬儀」「いい仏壇」「いいお墓」などのサイトを運営し、前後場とも買い気配をセリ上げて14時40分を過ぎては公開価格1000円の2.3倍の2300円の買い気配。NYダウ252ドル安、日経平均435円安の日に印象的な上場となった。

東証1部の出来高概算は20億4719万株(前引けは9億9820万株)、売買代金は2兆4314億円(同1兆104億円)。1部上場1921柄のうち、値上がり銘柄数は160銘柄、値下がり銘柄数は1696銘柄。

また、東証33業種別指数は全業種が値下がりし、値下がり率の小さい業種は、水産・農林、石油・石炭、鉱業、電力・ガス、銀行、繊維製品、などとなった。

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日米の景気政策に180度の違い。日経平均の「NYダウ離れ」に期待

「新」と名のつくテーマ株浮上も~犬丸正寛の相場展望

師走相場入りである。見所は、日経平均がどこまでNYダウ離れをするかだろう。

そのNYダウは、イエレンFRB議長の2日の講演会に続いて3日にも議会証言で、12月のゼロ金利解除を強く打ち出した。議長が明確に利上げを表明したことで今回ばかりは利上げを取り下げるわけにはいかないだろう。

NYダウは8月ボトムから3カ月上昇、上げ幅も約2600ドルに達したことから、利上げに敬意を表して調整するところだろう。

NYダウ 日足(SBI証券提供)

今後のNYダウの見所は、利上げ後のアメリカ景気と企業業績がどうなるかということである。直ちに見通しが明確となることは難しく、しばらくは高値圏でのモミ合いだろう。

一方、日経平均は去る1日に2万円台に乗せたことで短期的な達成感がある。しばらくは調整だろう。

しかし、アメリカがゼロ金利解除から金利引上げの方向に向かうのに対し、日本は低金利の継続に加え第3次量的緩和が見込めるという大きい違いがある。

なぜなら、来年の参議院選挙17年の消費税引上げアベノミクス第2章、などを考えると、日本がアメリカのように金利引上げや金融量的緩和を止めることは考え難いからだ。

ポイントは、どの時点で第3次量的緩和を実施してくるかである。また、やるからには思い切ってやらないと、今回の欧州中央銀行の量的緩和が物足りないとされているように失望される心配がある。

日経平均は日米の景気対策の違いを背景に、日本の景気刺激策を見極める展開だろう。そして、徐々にNYダウ離れを強める展開とみられる。

日経平均は、2万円を挟み上値が2万0500円、下値が1万9500円のモミ合いのように思われる。

日経平均採用型の主力銘柄だけでなく師走相場で材料株や新年相場で、「新」と名のつく、「新素材」「新エネルギー」「新薬」「新装置(ロボットなど)、夢のあるテーマ銘柄が物色の前面に浮上しそうである。
(株式評論家・犬丸正寛)

Next: 相場操縦疑惑が指摘される村上世彰氏、自身のブロクで見解


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相場操縦疑惑が指摘される村上世彰氏、自身のブロクで見解

今後、日本版SECが立件できるかに注目

相場操縦の疑いがかけられているファンド運営(関係会社)の村上世彰氏は、4日、自身のサイトで、「相場操縦に関する報道の件について」と題して自身の見解を明らかにしている。

それによると、主な内容としては

・私の関係会社が、TSIホールディングの株式取引において、相場操縦を行い不当な利益を得たという報道がなされていますが、私は、長年関わってきた株式市場を裏切るような相場操縦をする意図も理由もなく、また、市場を混乱させたようなこともありません。

・とくに、私にとってTSIホールディングスはその前身である東京スタイル時代も含めると15年以上も株主として資本効率の改善、株主価値の向上を提案し続けてきた会社です。

・TSIの株価が下がることは、関係会社でTSI株を多数保有している私にとっては、自分の保有資産の減少を意味するのでマイナスであることは明らかです。

・最終的にTSI株を全株売却したのは2015年1月頃です。わたしは、当時、主力投資銘柄であったアコーディア株式の投資資金を確保するためTSI株をできるだけ高く売ることを考えていました。
出典:2015年12月4日「相場操縦に関する報道の件について」 – Yoshiaki Murakami Official Site

新聞、テレビ等の報道によると、「空売り」で大量の売買を行いながら、株価を不正に下げ、利益を上げたとされる。今後は、日本版SECの証券取引等監視委員会が、空売り等をめぐって相場操縦を立件できるかどうかが注目といえる。

【関連】村上世彰“父娘”強制調査は国策なのか?「東芝はどうなんだ」疑念も

【関連】問題は「村上」ではない。中小型銘柄を売り崩す海外ファンド勢の手口

日刊株式投資情報新聞』2015年12月4日号より
※記事タイトル・リード文・本文見出し・太字はMONEY VOICE編集部による

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