マネーボイス メニュー

下げ相場で儲かる「ベア2倍」投信の人気化は逆指標?底打ちを探る

13日の株式市場は7日ぶりに大幅反発。前日12日の東証1部の値上がり率上位20銘柄は「ベア2倍」など、日経平均などの下げに乗じて値上がりを狙う投資対象のオンパレードだった。相場には「上げ一服」や「自律反騰」がつきものであり、目先は何らかの変化が接近してきた可能性がある。(『日刊株式投資情報新聞』)

日経平均は今年初めて上げ大幅高で7日ぶりに反発

東京株式市場のポイント(1月13日)

日経平均の終値は1万7715円63銭(496円67銭高)、TOPIXは1442.09ポイント(40.14ポイント高)、出来高概算(東証1部)は21億3909万株。

13日後場の東京株式市場は、上海株式が小幅高・小幅安の出没となったため様子見姿勢がやや増え、前場上げたソニー<6758>(東1)などが高値モミ合いに移行したが、富士フイルムホールディングス<4901>(東1)などは中盤から一段ジリ高となり、日経平均はジリジリ上値を追いながら大引け間際に498円79銭高(1万7717円75銭)まで上げた。

新年初取引の4日から6日続落だったが、今年初めて上げて7日ぶりの反発となった。主な株価指数はすべて高い。

日経平均株価 日足(SBI証券提供)

後場はブリヂストン<5108>(東1)やセブン&アイ・ホールディングス<3382>(東1)が一段ジリ高となり、前場の上げが目立った自動車株などと交代するような印象があり、関西ペイント<4613>(東1)はゴールドマン・サックス証券の投資評価開始などが言われて一段高。

正午に四半期決算を発表したトレジャー・ファクトリー<3093>(東1)は急伸ストップ高。ALBERT<3906>(東マ)はAI(人工知能)も今年の株式市場の物色テーマとの見方が経済紙コラムに載ったとされてストップ高。日本色材工業研究所<4920>(JQS)は業績予想の増額を受けてストップ高。

東証1部の出来高概算は21億3909万株(前引けは11億7万株)、売買代金は2兆4961億円(同1兆2137億円)。1部上場1935銘柄のうち、値上がり銘柄数は1833(同1840)銘柄、値下がり銘柄数は77(同71)銘柄。

また、東証33業種別指数は全33業種(前引けも全33業種)が値上がりし、値上がり率上位の業種は、ゴム製品、空運、証券・商品先物、その他製品、金属製品、機会、倉庫・運輸、その他金融、水産・農林、などとなった。

Next: 逆指標!?値上がり率上位に「ベア2倍」など下げ相場向き投信ズラリ



逆指標!?値上がり率上位に「ベア2倍」など下げ相場向き投信ズラリ

株式市場には「野も山も皆、弱気なら、阿呆になりて株を買うべし」という名言があるが、今年の日経平均は年初の4日から昨12日まで上げた日が皆無で6日続落。とりわけ12日は、東証1部の全1935銘柄のうち値下がり銘柄数が1890銘柄(全体の98%)に達し、合戦シミュレーションゲームならほとんど全滅状態になった。

こうした中で、12日の東証1部の値上がり率上位20銘柄を見ると、ふつうの上場銘柄は5銘柄しか見当たらずじまい。ほかは一般の株式と同じように時価で売買できる投信(ETF:上場投信)が勢ぞろいする有様だった。

しかも、その上場投信の顔ぶれは、バークレイズ投信投資顧問のiPath・VIX短期先物指数連動受益証券<2030>(東1・売買単位1株)の7.5%高、三菱UFJ国際投信の国際VIX短期先物指数<1552>(東1・売買単位1株)の6.8%高、あるいはシンプレックス・アセット・マネジメントのTOPIXベア2倍上場投信<1356>(東1・売買単位1株)の6.7%高、大和投信のダイワ日経平均ダブルインバース<1366>(東1・売買単位1株)の5.5%高、野村アセットのNEXT FUNDS日経ダブルインバース上場投信<1357>(東1・売買単位1株)の5.3%高などがほとんど。

いわゆる「恐怖指数」と呼ばれるボラティリティ・インデックス(株価指数の予想変動率)に基づく投信や、株価指数と2倍の率で逆の値動きを目指す投信などがズラリと並び、まさに「野も山も」日経平均などの下げに乗じて値上がりを狙う投資対象のオンパレードだった。

全体相場の下げの要因は、中東でのサウジアラビアとイランの緊張、北朝鮮の核実験問題、中国株式の下落などとされる。

このため、相場が安定化するにはこうした外部環境の好転を待たなければならない。それまでは、下げ相場のリスクヘッジとして、こうした投資対象の必要性が高いことも確かだ。

ただ、相場には「上げ一服」や「自律反騰」がつきものであり、12日の値下がり銘柄数や値上がり率上位銘柄の顔ぶれを見ると、目先は何らかの変化が接近してきた可能性がある。

【関連】中国発「逆オイルショック」はこれからが本番だ~高まる世界デフレリスク

日刊株式投資情報新聞』2016年1月13日号より
※記事タイトル・リード文・本文見出し・太字はMONEY VOICE編集部による

無料メルマガ好評配信中

日刊株式投資情報新聞

[無料 ほぼ平日刊]
「日刊株式投資情報新聞」は投資家と企業を結ぶ報道型IR支援会社の日本インタビュ新聞社が提供するインターネットの株式専門メールマガジン。当社の提供する媒体は、「日本インタビュ新聞 株式投資情報」をコアとして、「経営者紀行」、「個人投資家向け企業情報 Media-IRソリューション」と幅広い情報網を有する。こうした立体的な情報が、個人投資家に生き生きとした感動のあるニュースソースを実現している。

シェアランキング

編集部のオススメ記事

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MONEY VOICEの最新情報をお届けします。