マネーボイス メニュー

台風で流れた原発汚染物質、日本はとぼけていていいのか?ロシアメディアが強い懸念=今市太郎

ロシアメディアの記事がネットの一部で話題になっています。今回の台風によって流された日本の汚染物質は本当に大丈夫かと、強く懸念を示す内容です。(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)

※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2019年10月22日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバッグナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。

タワマン被害より深刻? 汚染土壌を集めたフレコンバッグが流失

台風で流された汚染物質

今回お送りするのは、台風で流れ失せてしまった福島第一原発周辺のフレコンバッグのお話です。

甚大な被害をもたらした台風からすでに1週間以上が経過し、11月が近いのにまたしても2つの台風が接近するという、なんとも不気味な事態が到来しようとしています。

こうした台風の災害を見ていますと、とにかく安心・安全な場所が確保されているからこそ株でも為替でもトレードができるわけで、最低限のライフラインが確保されていない状況では、とてもではないですがFXの取引などできないことを改めて痛感させられる次第です。

しかし、先週17日、ロシアのオンラインメディアである「SPUTNIK(スプートニク)」がえらく気になる記事を開示し、ネットの一部では話題になりはじめています。

Very High Consequences’: Nuclear Safety Spotlighted as Typhoon Sweeps Fukushima Waste Into Pacific」と題された内容では、今回の台風により流されてしまった汚染物質は本当に大丈夫かと、強く懸念を示すものになっているわけです。

ご興味のある方はぜひ記事をご一読いただきたいと思います。

国内では、この大水害で「フレコンバッグ」と呼ばれる汚染土壌をかき集めて収容していた袋が、水害でかなり流されてしまったことを朝日新聞とTBSの一部が執拗に追いかけており、小泉環境大臣にも厳しい質問をぶつけているようです。
※参考:台風大雨で除染廃棄物54袋流出 2015年に前例 教訓生かせず – 東京新聞(2019年10月23日配信)

しかし、世の中のほとんどのメディアは、それよりも武蔵小杉のタワマン災害のほうを面白おかしく報道しているようで、結構メディアによって温度差があるように思われます。

SPUTNIKの指摘は実に正しい

話はSPUTNIKが投げかけている大きな疑問の方に戻ります。

Beyond Nuclearという名称の放射性廃棄物ウォッチドックであるKevin Kamps氏が、ラジオのSPUTNIKに出演したときにかなり興味深いことを発言したことを伝えています。

それによれば、あのバッグのいくつかはすでに海に流されてしまったようですが、監視当局(ここでは環境庁でしょう)は、案の定「大したことはなく、バッグが開いて土壌が流出しても環境に影響はない」と説明しているとのこと。

そして、Kevin Kamps氏は、「それならばなぜ、その大したことがないものを集めて保存していたのか?」と問いかけています。国民が知りたいのは、まさのこのポイントです。

フレコンバッグに集められた汚染土壌は将来的に99%再利用が可能などという話が出ているものの、8年半以上雨ざらしで保管していてそもそも大丈夫なのか

さらに、今回のような水害でほとんどが消え失せる状況になっても、どうして安全なのかを、詳細に説明すべきであることからは逃れられないものがあります。

Next: いくつのフレコンバッグが流れた?トリチウムは?何も知らない日本国民



何も知らない日本国民

今回の水害で、いったいいくつのフレコンバッグが流されて行方不明になっているのか。

また、今後の水害に対してどう対応するのかということは、地域住民はもとより、国民に対して正確な事実を公表し、今後の対策についてこれまた真摯に対応していく姿勢を見せるべきでしょう。小泉大臣がその場しのぎの発言をするのは、非常に不愉快です。

水害で流れ出て行方不明という事実はしっかり告知すべきですし、二つ返事で環境に影響ないと言うのなら、なぜ隔離して保管したまま8年以上の歳月を経過させざるを得ないのか。

それらをしっかりと国民が理解できるように説明すべきです。

トリチウムは水に流して本当に平気なのか?

原子力の話になるとどうしても専門性が問われるため識者の判断がベンチマークになりがちになるわけですが、そのひとつがトリチウムの存在です。

たしかにこの物資は自然界にも存在して水の中にも含まれているのだから騒ぐほどのものではなく、処理水(とあえて最近汚染水のことをこう呼ぶようですが)ならどこでも海洋に投機するのが基本というまことしやかな話をよく聞きます。

しかし、それならこちらも8年半以上貯蔵している処理水とやらを、なぜ海洋放出できないのかという疑問が残るわけです。

ALPSと呼ばれる処理機がうまく機能しなかったことからほかの汚染物質が混入しているという話も聞きますし、トリチウムの半減期の12年を待っているという説もよく耳にしますが、事実はまったくよくわかりません。

大阪に持っていって瀬戸内海に向けて撒いてやるといった極論を言われたどこかの市長さんもいましたが、一般的事実と福島第一界隈で起きている現実とにどこまで乖離があるのか。

民間人はもとより大半の役人も含めて、限られた政府の人間以外はよくわかっていないという点はきわめて大きな問題といえます。

そうでなくても関電の役員の収賄的状況を見ていますと、原発容認に関われば大きな裏金をゲットできる社会がすでにしっかり形成されてしまっているわけですから、関係者の話などが信用できるわけもありません。

Next: まさか五輪マラソン札幌開催にも関係がある?



まさか東京五輪のマラソンと競歩が札幌移転になったのは関係はないよね?

ここからは妄想の世界ですから、たらればの発言として聞き流していただきたいですが、IOCが突然に東京五輪でのマラソンと競歩の実施を札幌に決定し、「これは議論ではなく決定だ」と居丈高に表明したのはご案内の通りです。ドーハでの酷暑のマラソンがきっかけで、8月の東京の気温から決断したことになっていますが、果たしてそれが本当の理由なのでしょうか?

「君が代を歌わない選手は日本の選手ではない」などと傲慢なことを言い触れてはオリンピックで高い報酬を得ている森喜朗東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長は、IOCに対して何も反論したりごねたりすることもないままにこの決定を受け入れています。

JOCが世界の広告代理店電通を使って金をばらまく先を間違えたのか、IOCに頭が上がらないのか。

その理由はよくわかりませんが、巷ではまったく異なる理由から日本側は一切の反論ができない状況にあるという陰謀説も飛び出しています。

これが福島の汚染の問題とリンクしていないことを願いたいところですが、時期的に妙に符合するのも嫌な雰囲気です。

あくまでこれは妄想ですから事実はまったくわかりませんが、やりたい放題の安倍政権が一切IOCに反論しないまま静かに札幌開催が決定している点は、なんとも不思議な状況といえます。

いずれにしても健康で安心して投資ができる環境が確保されなければ、この国でFX投資など継続することはできません。

放射性物質の流失は一見FX投資とは何の関係もないように見えますが、実は東日本に住む投資家にとっては、大変に大きな問題であることを、あらためて指摘しておきたいと思います。

続きはご購読ください。初月無料です

<初月無料購読ですぐ読める! 10月配信済みバッグナンバー>

※2019年10月中に初月無料の定期購読手続きを完了すると、以下の号がすぐに届きます。

2019年10月配信分
  • 本邦店頭FX業者のドル円最狭スプレッド競争はとんだインチキプロモーション〜彼らの利益ソースはスプレッドではない(10/23)
  • 台風一過・放射性物質を水に流してとぼけていて本当にいいのか?(10/22)
  • とうとう米金融市場にエリザベスウォーレンのネガティブ効果が示現か(10/21)
  • 即位礼正殿の儀に合わせた恩赦実施に思うところあり(10/20)
  • 武蔵小杉タワマンの悲劇に見る首都圏高層物件災害時瞬間無価値化の恐怖(10/18)
  • 下落を許さない中央銀行人工相場の限界点はいつくるのか(10/17)
  • 2019年のドル円年間値幅まさかの8円ぽっきりで終了の可能性(10/16)
  • ファンドの45日ルールは本当に相場に影響を与えるか?(10/15)
  • 日本の人手不足と働きたい高齢者が多いの大嘘〜労働市場が必要としているのはウルトラ低賃金雇用保険レスの単純労働者(10/14)
  • 週明け台風19号被害起因の円高に注意(10/13)
  • FXの防災について改めて考える(10/11)
  • 過去の大暴落は10月が多い〜なぜこの時期に相場は暴落するのかの謎(10/10)
  • パウエル議長講演で実質的QE実施をとうとう示唆(10/9)
  • 内閣府が発表した中長期の経済財政に関する試算の驚愕の金利予測がヤバイ!(10/8)
  • 完全に様子がおかしくなったWeWork〜ソフトバンクの投資は何を見誤ったか?(10/7)
  • 増税を誤認する顧客〜日本の消費者は強烈に情弱・劣化しているのか?(10/5)
  • BREXITウルトラC案 BOJOによるまさかのEU当初案受け入れの可能性(10/4)
  • GPIF下手糞投資名人水野CIO再任で心配される投資原資の枯渇(10/3)
  • 令和の新常識?謝罪したら禊終了の無辞任居直り社会はなぜ誕生したのか(10/2)
  • 米ドルレポ金利の跳ね上がる間隔と回数が増えて来たら危険信号(10/1)

いますぐ初月無料購読!


※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2019年10月22日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバッグナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。

【関連】トランプ、日本人の血税でメキシコ壁建設か。在日米軍基地の移転費用を転用へ=今市太郎

【関連】しまむら、客離れ加速で業績悪化。ユニクロを目指して主婦に嫌われる大失策=栫井駿介

【関連】損保ジャパン4000人削減で最悪の労働搾取モデルが完成。業務自動化で年収250万減へ=今市太郎

今市太郎の戦略的FX投資』(2019年10月22日号)より抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

初月無料お試し購読OK!有料メルマガ好評配信中

今市太郎の戦略的FX投資

[月額880円(税込) 毎週月・火・水・木・金曜日]
個人投資家がもっと得難いファンダメンタルズを徹底的に集めテクニカルで売買チャンスを探るFX投資家のためのメールマガジンです。土日を覗く平日毎日の配信となりますので、確実に日々の売買に役立てることが可能です。

シェアランキング

編集部のオススメ記事

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MONEY VOICEの最新情報をお届けします。