米国防省は9月4日、メキシコとの国境沿いの壁建設費用に、同省の予算から36億ドル(約3,800億円)を転用することを承認したと発表しました。しかし実は、その中の430億円分が、在日アメリカ軍基地からも格納庫の建設費などから転用されることになったといいます。(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)
※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2019年9月6日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。
金だけ払うのが本当に外交なのか? 9月末には日米通商交渉に署名
ついにアメリカ・メキシコ間に壁が作られる
米国防省は9月4日、マーク・エスパー国防長官が正式にメキシコとの国境沿いの壁建設費用に、同省の予算から36億ドル(約3,800億円)を転用することを承認したと発表しています。
しかし実は、その中の430億円分が、在日アメリカ軍基地からも格納庫の建設費などから転用されることになったといいます。
国内メディアの報道では横田基地から、輸送機の格納庫や機体の整備施設の建設費など合わせておよそ126億円、沖縄の嘉手納基地から、特殊部隊用の航空機の格納庫の建設費など合わせておよそ94億円、山口県の岩国基地から、給油施設の建設費など合わせておよそ68億円が、それぞれメキシコの壁の建設費に充当されるということのようです。
しかし、ここで多くの方が気づかれると思いますが、これって日本が在日米軍関係経費で支払っているものの中から充当されているのではないか?という疑問が強く湧いてくるわけです。
日本政府が18年度に支払った米軍関係費は実に8,000億円
日本政府が2018年度に計上した在日米軍関係経費は過去最大の8,022億円にも上っており、その中身も実によくわからないものとなっています。
米軍再編関係経費が2,161億円、SACO関係費が51億円、在日米軍駐留経費負担(いわゆる思いやり予算)が1,968億円、そのほか基地周辺対策費や用地借り上げ料、漁業補償等の費用が3,842億円となっているわけです。
米軍再編関係経費は、沖縄県名護市辺野古での新たな海兵隊基地の建設や、米空母艦載機部隊の移駐に伴う岩国基地増強など、日米両政府が合意した米軍再編計画を実施するための予算となっているわけですが、どうみてもこの2,161億円の中から捻出されているのではないかという疑いが強まっています。
つまり、安倍政権がお得意の貢物のようにして支払っている資金から、メキシコの壁の建設費用が捻出されている可能性が高いわけです。
そもそも年間8,000億円も支払う必要がどこにあるのかという問題がありますし、支払ったものがこうやってトランプの別建てのお財布のように使われて、実は日本国民の税金がメキシコの壁の建設費の1割以上に役立てられているなどという話はまさにダチョウ倶楽部のギャグではないですが、まったく聞いてないよという状況にあるわけです。
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