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イランの反米司令官が爆殺されたので、安心して米国株を増やして勝ち組になれる=鈴木傾城

イランのソレイマニ司令官は爆殺で肉片となったことで、アメリカの覇権国家としての意思と能力が計らずに新年早々分かった。そこで私は、安心してアメリカの株式を増やすことに決めた。(『鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』)

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プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)
作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。

アメリカに賭けていれば、誰でも資本主義社会の勝者になれる?

爆殺事件で株価は乱高下

2020年に入ってからいきなりトランプ大統領がイランのソレイマニ司令官を殺害して世界を震撼させている。

現場に転がっている遺体を写真で見てみたが、空爆をまともに受けたソレイマニ司令官の身体は、四肢が飛び散って焼けて爛れていたことが確認できた。即死だ。何が起きたのか分からないまま死んだはずだ。

顔面も黒焦げになって炭化していた。両腕は吹き飛んでいたが、左手の指は全部残っていた。その薬指にはソレイマニ司令官がいつも付けていた指輪が付いていた。遺体の損壊はひどかったが、指輪は無傷で残っていたのが印象深い。

ソレイマニ司令官は、2003年のイラク戦争の時にはイラク側について、イラクの武装組織に武器を与えてアメリカに甚大な被害をもたらしていた。イランとイラクはいつも敵対しているのだが、イランはアメリカとも敵対している。

「敵の敵は味方」を実行していたのがソレイマニ司令官でもあった。以後もソレイマニ司令官は常に反米の立場でイラクに駐屯するアメリカ兵を苦しめ続けた。アメリカにとって、この男は「危険なテロリスト」だったのである。

ソレイマニ司令官の死を受けてイランが「報復する」と吠えると、トランプ大統領はすぐに「報復したら52ヶ所を直ちに激しく攻撃する」と返した。

株式市場は爆殺事件を受けて下落、ドルが売られて円が買われるという動きが起きた。ツイッターでは「第三次世界大戦」が世界でトレンド入りし、「核戦争が起きるかもしれない」と危惧する人たちも現れた。

戦争になるのだろうか?

本音では戦争を避けようとしていることが分かる

戦争は現場の偶発的で些細な衝突などがきっかけで両国が相手を非難しながらなし崩し的に始まることも多い。一触即発の状況がそこにあるのであれば、「絶対に戦争はない」と断言するのは危険なことだ。

しかし、両国が戦争を望んでいるのかどうかと言われれば、「どちらも戦争を望んでいない」という点では一致している。

イランは口では勇ましいのだが、アメリカと全面戦争になったら勝てるわけがないので「報復する」「厳しい復讐が待ち受けている」と言いながら、別の局面では「アメリカと戦争するつもりはない」と腰が引けている。

そして、トランプ大統領も「イランと戦争するつもりはない。戦争を避けるための措置だった」と言っている。

建前では激しい口調で相手をテロリスト呼ばわりして「復讐する」「攻撃する」と叫びながら、本音では戦争を避けようとしていることが分かる。

戦争にならないとは絶対に言えないのだが、どちらも戦争をしたくないと考えているのであれば「利害は一致している」のだから、このソレイマニ司令官爆殺事件がそのまま戦争にエスカレートする方向ではないというのが分かるはずだ。

イラクでは反米の気運がかなり高まっているのでテロリストがイラクに駐留する米兵5,000人を標的にして状況が悪化していく可能性はゼロではない。しかし、今のところ、戦争は起こらないように両国の政府は動いている。

それにしてもなぜトランプ大統領は今のこのタイミングで、ソレイマニ司令官の暗殺を決意したのだろうか。

「ソレイマニ司令官はイラクと中東全域で、米外交官や軍関係者への攻撃計画を積極的に策定していたから」という国防総省の声明は鵜呑みにできるのだろうか。この男は十数年も前からずっと攻撃計画を積極的に策定していたのだから、それは今に始まったことではない。

Next: 「ただ単に選挙対策だったのではないか」と言われている



「ただ単に選挙対策だったのではないか」と言われている

なぜ、トランプ大統領は2020年に入った今、暗殺を指示したのか。アメリカの多くのメディアは「ただ単に選挙対策だったのではないか」と言っている。

2020年はいよいよ大統領選のクライマックスに入る。トランプ大統領はここで分かりやすい勝利が欲しい。大統領弾劾追訴から国民の目をそらすためにも、何か分かりやすい「功績」が必要だ。

戦争になったら勝利が長引くので「功績」が大統領選挙に間に合わないかもしれない。戦争にならない分かりやすく手っ取り早い「功績」が欲しい。いろいろ検討した結果、ソレイマニ司令官の爆殺が手頃だと判断された。

そういうことだったのではないか。

現に、クリントン元大統領も不倫揉み消しのためにイラク空爆なんかをやっている。アメリカの大統領は自分の都合で外国のどこかを爆撃して「功績」にするのがひとつの手法になっているのだ。

ソレイマニ司令官は一瞬にして爆殺されて肉片となって飛び散って人生が終わったが、これはトランプ大統領にとってはただの「選挙キャンペーン」の一環でしかない。とりあえず暗殺は無事に終了して、この男の死は自分の「功績」となった。

ソレイマニ司令官の死の意味を私たちは憶測し、アメリカとイランの複雑な関係をメディアはどこかの専門家を引っ張り出して滔々と述べさせている。しかし、トランプ大統領が「大統領選に有利になるためにやった」のが動機なのであれば、すっかりトランプ大統領の選挙キャンペーンに乗せられている。

ソレイマニ司令官を無事に爆殺して「功績」を1個手にしたトランプ大統領は、得意満面でそれを発表した翌日にのんびりゴルフをして遊んでいる。これから戦争に向かう緊迫した状況ではないのは確かだ。

トランプ大統領の中では、もうこれは終わった話題だ。

最後に生き残るのは、結局のところアメリカでしかない

そんなわけで、私自身は別にイランとアメリカがこれによって第三次世界大戦の引き金を引くとは思っていないし、どちらも戦争したいと思っていない以上は、自然に収束していくようなレベルのものであると思っている。

この状況を見ると分かる通り、世界情勢は「アメリカが主導権を握っている」ということが分かる。他国で自国に都合の悪い人間を空爆できるほどの主導権がアメリカにはあるのだ。

凄まじく自己中心で乱暴で強引なのがアメリカという国である。世界を支配している覇権国家であり、帝国である。

アメリカは自分たちの覇権国家としての地位を脅かす存在は決して許さない。同盟国だろうが、貿易相手だろうが同じだ。

日本も1985年にプラザ合意を飲まされて異常なまでの円高誘導に導かれたが、アメリカは台頭してきた国があればことごとく牙を剥いて仕留めにかかる国である。

EU(欧州連合)も「アメリカを超える超大国になる」と言い出した瞬間にアメリカに敵視されてガタガタになっているし、中国もまたアメリカを超える経済大国・技術大国を目指すようになった瞬間、アメリカは牙を剥くようになった。

中国共産党政権が支配する中国は、もともと国民弾圧と言論封鎖と知的財産の強奪で成り立っている国である。長く存続できるような体制になっていない。

そんなところに中国はアメリカの標的になったのだから、遅かれ早かれアメリカに叩き潰されて歴史の藻屑に消えていくのは間違いない。中国共産党政権は国と共に滅び去り、以後は今の中国が4つか5つに分裂しても、私は驚かない。

最後に生き残るのは、結局のところアメリカでしかない。

Next: アメリカに賭けていれば資本主義社会の勝者になれる



アメリカに賭けていれば資本主義社会の勝者になれる

だから、私は世界の支配者であるアメリカに資金を賭けて何の心配もしていない。

アメリカは世界中の資金を吸い上げている現代の資本主義の総本山である。アメリカの株式市場そのものや、アメリカ有数の多国籍企業の株を買って保有しておけば、他に難しいことをしなくても資本主義で勝てる。とてもシンプルな話だ。

イランのソレイマニ司令官は爆殺で肉片となったことで、アメリカの覇権国家としての意思と能力が計らずに新年早々分かった。そこで私は、安心してアメリカの株式を増やすことに決めた。

これが現代社会でもある。嫌な世の中だ……。

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鈴木傾城の「ダークネス」メルマガ編』(2020年1月5日号)より一部抜粋
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