マネーボイス メニュー

米国の政府統計も大嘘? 絶望した無職は失業者から除外して雇用改善を喧伝

雇用統計・失業率の数字は、求職活動を諦めた人々を統計から除外して算出します。今までは偽装統計で景気回復を主張していましたが、それも化けの皮が剥がれたようです。(『いつも感謝している高年の独り言(有料版)』)

【関連】大塚家具「父娘共倒れ」の可能性? お家騒動から早5年、両社とも経営危機へ=山岡俊介

※本記事は、『いつも感謝している高年の独り言(有料版)』2020年1月29日号の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

なぜ失業率「史上最低」なのに所得下落?誰かが嘘をついている…

統計からも無視される失業者たち

雇用統計・失業率の数字は、求職活動を諦めた人々を統計から除外して算出します。失業率が史上最低というような報道は、騙しのテクニックの極致だと思います。

そんなに好況なのに、なぜ、所得額は下がるのか?

1時間でも労働すれば就労となるような統計処理は、あまりにも実態と離れています。半世紀前の失業率は信頼に足るものでしたが、現代では、労働者の多くが非正規・アルバイト・パートとなり、その人々は失業者ではありません。

労働年齢の身体障害者の不労働(仕事をしない)人口よりも、労働年齢の健常者の不労働人口の方が人数が多く、増加速度も速いのです。

そして、これらの人口は、労働力市場から退出したという定義で失業者には含まれていないのです。

雇用状況の改善は大嘘?

失業した正規従業員は、ほとんどが非正規従業員となり、それも叶わねば、引き籠もりか路上生活者になります。

政府雇用統計で新規雇用数が上昇したと言っても、それはアルバイトやパートでの雇用数の増加であり、それも複数の仕事の掛け持ちです。

今後12年間で現在存在する雇用はAI・ロボットに置き換えられて、3分の2になるだろうという分析報告もあります。

米国景気の実態は金融危機以降、悪化をたどり、今では隠しようがなくなっています。

昨年よりも激しい勢いで、毎日、毎日、大量店舗閉鎖・大量解雇の報道が出ています。最近では、自動車分野や成長分野のIT企業からの解雇が増えています。

どこかの経済学者が「トリクルダウン」という愚かな経済仮説を言っていました。貧富の格差が拡大しても、富裕層の消費のオコボレに貧困層が預かれるので、景気は良くなるという仮説です。

今までは偽装統計で景気回復を主張していましたが、それも化けの皮が剥がれたようです。

Next: グラフで一目瞭然。成長分野のはずのテクノロジー分野は解雇者数4.5倍



成長分野のはずのテクノロジー分野は解雇者数4.5倍

以下の図表をご覧ください。

(ア)は「2014年から2019年12月迄の各月の解雇予告人数」です。
2019年12月の解雇予告通知人数は3万2,843人でした。

(イ)は「月平均の解雇予告数(2014年1月〜2019年12月末)」です。
過去5年間よりも2019年は上回っています。

(ウ)は「自動車産業の解雇予告の月間データ」です。
2019年通年では自動車産業での解雇予告は通年で5万776人レベルとなります。2007年の7万8,880人に近づいています。

(エ)は「2019年12月の分野別のグラフ」です。多い順に並べています。
通年で1番多かったのは小売分野の7万7,475人ですが、前年同期間比では2割程減っています。
工業製品では、7万894人となり、2.6倍の増加をしています。

驚きは、成長分野であるはずの「テクノロジー分野」です。解雇数が6万4,166で、4.5倍に増えています。

自動車製造分野では5万776人となり、1.7倍に増えています。健康・医療分野では4万5,061人で、昨年とほぼ同じレベルでした。

Next: 実際はもっとひどい?統計に出ないステルス首切りで雇用は壊滅



統計に出ないステルス首切りで雇用は壊滅

注意すべきは、早期退職勧奨でリストラを進めて行けば、それは首切りとはみなされないということです。

退職金の割増をもらって円満退職すれば、解雇にはならないのです。しかし、別の見方をすれば、これも準解雇予告と言えます。

このように隠れた解雇が増えているのも事実です。

なお、解雇通知をもらうのは46%だけで、残り54%はもらわずに解雇されるとの報道が以前ありました。ということは、上記解説の数字を2倍にしたものが、実際の解雇人数になります。

続きはご購読ください。初月無料です

【関連】世界同時不況の再来は確実。その時、日本人は無差別リストラで貧困層に落ちる=鈴木傾城

【関連】消費増税対策のポイント還元「効果ナシ」が6割超えの衝撃。中小店舗の手間が増えただけ=今市太郎

<初月無料購読ですぐ読める! 1月配信済みバックナンバー>

※2020年1月中に初月無料の定期購読手続きを完了すると、以下の号がすぐに届きます。

・BOSE:北米、EU、日本、豪州全店舗を閉店/米国雇用状況の実態(1/29)
・コロナ・ウィルス蔓延シュミレーション(1/28)
・案の定、追加解雇/大量閉店:今年も続く(1/28)
・ロシア新車販売/2020年1月21日の値動き(1/27)
・米国:首切り続く鉄道会社/ボーイング社: 最重要下請けの大規模解雇(1/24)
・大量解雇は今後も続く/トラッククラス8(1/23)
・生産販売実績 2019年12月/保有していると勘違いしてはなりませぬ(1/21)
・現金が消えている/インド:いま必要だから買い増しするのだ(1/21)
・豪州、ドイツ新車販売:2019年12月/(1/20)
・中国、インドの新車販売2019年12月/(1/18)
・インド:国民からのゴールド・リースで金価格を下げる/(1/17)
・米国、メキシコ、カナダの新車販売実績:2019年12月(1/16)
・新車販売:日本2016年から2019年通年実績/ボーイング社737MAX型機:別の問題が(1/15)
・皆揃って、騙そう:住宅債券価格の値決めで/JPM貴金属価格違法操作:シンガポールでも(1/14)
・イスラム諸国群:脱米ドル金融体制が望み/ロシア増産に必死(1/13)
・供給不足で御免なさい:2019年12月実績/金価格とドル円逆相関から正の相関関係へ(1/11)
・米国住宅金融公庫:FreddieMacの大量人員整理/貸し出すのが怖い?(1/10)
・シアーズ:従業員は騙され、消えゆく末路/Navistar:大量解雇(1/9)
・ロシア:米ドルを崩すのに必死/国富ファンドの変化(1/8)
・ボーイング737MAX:飛行再開日程の再延期/ボーイング社自体の墜落?/こんなに株式バブルが膨張すると、半値は覚悟(1/7)
・昨年の第3四半期から:金価格/長短金利逆転の発生と消滅/連銀質入れ規模と、その効果(1/6)
→いますぐ初月無料購読!

image by:a katz / Shutterstock.com

※本記事は、『いつも感謝している高年の独り言(有料版)』2020年1月29日号の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

【関連】韓国、ついに独裁政治へ。検察の「独自捜査権」を奪って不都合なスキャンダルは揉み消し

いつも感謝している高年の独り言(有料版)』(2020年1月29日号)より一部抜粋、再構成
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
初月無料お試し購読OK!有料メルマガ好評配信中

いつも感謝している高年の独り言(有料版)

[月額660円(税込) 毎週月・火・水・木・金曜日(祝祭日・年末年始を除く)]新聞等に報道されない海外でのディープな情報をお届けします。出来る限り、時代を先取りした情報やデータをお届けします。

シェアランキング

編集部のオススメ記事

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MONEY VOICEの最新情報をお届けします。