雇用統計・失業率の数字は、求職活動を諦めた人々を統計から除外して算出します。今までは偽装統計で景気回復を主張していましたが、それも化けの皮が剥がれたようです。(『いつも感謝している高年の独り言(有料版)』)
※本記事は、『いつも感謝している高年の独り言(有料版)』2020年1月29日号の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。
なぜ失業率「史上最低」なのに所得下落?誰かが嘘をついている…
統計からも無視される失業者たち
雇用統計・失業率の数字は、求職活動を諦めた人々を統計から除外して算出します。失業率が史上最低というような報道は、騙しのテクニックの極致だと思います。
そんなに好況なのに、なぜ、所得額は下がるのか?
1時間でも労働すれば就労となるような統計処理は、あまりにも実態と離れています。半世紀前の失業率は信頼に足るものでしたが、現代では、労働者の多くが非正規・アルバイト・パートとなり、その人々は失業者ではありません。
労働年齢の身体障害者の不労働(仕事をしない)人口よりも、労働年齢の健常者の不労働人口の方が人数が多く、増加速度も速いのです。
そして、これらの人口は、労働力市場から退出したという定義で失業者には含まれていないのです。
雇用状況の改善は大嘘?
失業した正規従業員は、ほとんどが非正規従業員となり、それも叶わねば、引き籠もりか路上生活者になります。
政府雇用統計で新規雇用数が上昇したと言っても、それはアルバイトやパートでの雇用数の増加であり、それも複数の仕事の掛け持ちです。
今後12年間で現在存在する雇用はAI・ロボットに置き換えられて、3分の2になるだろうという分析報告もあります。
米国景気の実態は金融危機以降、悪化をたどり、今では隠しようがなくなっています。
昨年よりも激しい勢いで、毎日、毎日、大量店舗閉鎖・大量解雇の報道が出ています。最近では、自動車分野や成長分野のIT企業からの解雇が増えています。
どこかの経済学者が「トリクルダウン」という愚かな経済仮説を言っていました。貧富の格差が拡大しても、富裕層の消費のオコボレに貧困層が預かれるので、景気は良くなるという仮説です。
今までは偽装統計で景気回復を主張していましたが、それも化けの皮が剥がれたようです。