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なぜ日本の新型コロナ致死率は異常に高い? 臭覚・味覚異常が感染の兆候か=高島康司

新型コロナについて、日本ではほとんど報道されない情報をお伝えしたい。他国と比べて異常な致死率の高さと、感染者に現れる臭覚・味覚の異常についてだ。(『未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ』高島康司)

※本記事は有料メルマガ『未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ』2020年3月27日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

日本では未報道の新型コロナウイルス情報

いま世界では、新型コロナウイルスの蔓延を契機として、ニューヨークやパリなどを含めた世界主要都市のロックダウン、世界経済の急速な景気悪化、「CLO」などの企業ローンの破綻が引き金となる金融危機などをはじめとして、数え上げればきりがないほどの危機的な事態が起こっている。

また、シリアにおけるトルコとロシアの対立や、原油安なども新たな局面を向かえている。さらに、米シェールオイル産業の破綻による金融危機懸念もある。

通常であればこれらは、なんらかの危機の引き金になる可能性のある大きな問題だ。だが、新型コロナウイルスのパンデミックで世界が混乱しているいま、これらの問題はどれも色あせて見えてしまう。

これらの問題はおいおい書くとして、今回もいまもっとも世間の関心が高い新型コロナウイルスに関して、日本ではほとんど報道されていない情報を中心に紹介する。

日本の異常に高い致死率

3月25日、小池都知事は、これまででは最大の1日で41人の都内感染者の増大に対応して、現在が「爆発的感染の重大局面」であるとして、週末の不要不急の外出自粛を要請をした。

これは首都圏閉鎖の最初の兆候の可能性がある。おそらく比較的に早い時期に、東京、特に23区を中心とした首都圏はロックダウン、つまり閉鎖になるかもしれない。一切の外出が規制されているニューヨークやパリ、そしてロンドンに近い状態になるのも時間の問題だろうと思う。

それというのも日本では、東京を中心に感染者数がすでに激増している可能性が高いからだ。それは、日本の致死率も見るとよく分かる。

新型コロナウイルス関連の情報で、日本の主要メディアであまり報道されていないのが、日本の突出した致死率の高さである。

日本では感染者が爆発的に増大するオーバーシュートは起こっておらず、感染者数は徐々に増えてはいるものの、3月25日現在で1,193人だ(※編注:原稿執筆時点3月27日。30日正午の最新情報ではクルーズ船の乗客・乗員を除いた数字で1,896人となっています)。

これは前日と比べて65人の増加である。これは、過去24時間で10,053人増えたアメリカや、5,249人増えたイタリアとはまったく異なった状況だ。日本の感染者数は183カ国中26位だ。

中国やアメリカ、そしてイタリア、ドイツ、フランスなどの他の先進国と比べると、日本はよくウイルスの蔓延をコントロールできているように見える。それを自画自賛するような政治家の発言も目立つ。

しかし、こと致死率に関しては状況は異なっている。

感染者数の割りには致死率がかなり高いのだ。以下が主要国と日本の比較である。

アメリカ

・感染者数:5万5,069人
・致死率:1.45%

ドイツ

・感染者数:3万2,991人
・致死率:0.48%

韓国

・感染者数:9,137人
・致死率:1.38%

日本

・感染者数:1,193人
・致死率:3.60%

これを見ると、日本の致死率はかなり高いことが分かる。もちろんこれは、9.86%のイタリアや、7.11%のスペイン、そして4.93%のフランスよりは低い。しかし、これらの国々の感染者数は日本の数十倍である。オーバーシュートで感染者数が爆発的に増大し、医療崩壊が起こっている国々だ。致死率の高さは医療崩壊の結果であると見ることができる。感染者数の極端な増大から適切な治療を受けられない患者が増え、それが致死率を増大させている可能性が高い。

日本ではこのような医療崩壊はまったく起こっていない。

Next: 日本と同じ1,000人台前半の感染者数で、医療崩壊の起こってない国々の――



日本の「致死率3.60%」はかなり高い

ちなみに日本と同じ1,000人台前半の感染者数で、医療崩壊の起こってない国々の致死率を見て見よう。

アイルランド

・感染者数:1,329人
・致死率:0.53%

ルクセンブルグ

・感染者数:1,099人
・致死率:0.73%

チェコ

・感染者数:1,394人
・致死率:0.22%

これを見ると、やはり日本の3.60%の致死率はかなり高いと言わねばならない。

ちなみに新型コロナウイルスが発生した武漢のある湖北省に致死率は4.66%だ。日本はむしろこれに近い。医療崩壊も起こっておらず、感染者数が1,000人台であれば、1%未満の致死率が妥当なのではないのだろうか?

日本の医療水準の高さから見ると、0.48%のドイツと同程度の致死率であってもおかしくない。

低いPCR検査人数と実際の感染者数

日本のこの致死率の高さの理由はなんだろうか?

やはり一番に考えられるのは、感染者数が過小に算定されているということではないか? つまり、実際の感染者数は現在の10倍くらいで、死亡者数もそれを反映して多いものの、分母の感染者数が低く算定されている結果、致死率が高くなっているということだ。

実際の感染者数ははるかに多いのではないだろうか?つまり、致死率算定の基礎となる母数がずっと多いということだ。

日本の死亡者数は3月25日現在で43人である。もしこれが医療サービスが完備されているドイツのような国の致死率、0.48%程度を反映しているとするなら、実際の感染者数は8,000人から1万人くらいになる。

これを実証する手立てはいまのところない。しかし、もしこの感染者数が事実に近いのであれば、それが過小に算定されている原因はなんだろうか?

おそらくその答えは明らかだろう。新型コロナウイルスの感染を調べるためのPCR検査の件数が相当に少なく、感染者が発見できていないということだ。

3月13日までに公表されたデータだと、世界の国と地域で行われた検査数は以下のようになっている。

中国・広東省:32万件
韓国    :25万件
イタリア  :8万6,000件
ロシア   :7万7,000件
日本    :2万2,184件

これを見ると、日本のPCR検査の件数は低い。「WHO」の検査を徹底すべきとした声明にもかかわらず、日本の検査件数の伸びは遅い。医師が検査を要請しても、検査を実施している厚生労働省が管轄する「帰国者・接触者相談センター」は、その5%程度にしか対応していない模様だ。検査に対して消極的だ。

これは、オリンピックの開催が予定されていたため、感染者数を少なく算定したいという意志がどこかで働いていたのかもしれない。

もしそうだとすると、オリンピックの延期が決まったいま、PCR検査を抑制する理由はなくなった。もしこれがきっかけとなり、PCR検査件数が増えると、感染者数も一気に増えるかもしれない。それがアメリカや欧州などで起こっているオーバーシュートによる東京の閉鎖(ロックダウン)ということにもなりかねない。

絶対に安心してはならない。これからの成り行きを注視し、我々もしっかりと対処しなければらないだろう。

Next: もうひとつ日本ではほとんど報道されていない事実に、年齢が比較的に若い――



若者の感染と重症化

そして、もうひとつ日本ではほとんど報道されていない事実に、年齢が比較的に若い世代の重症化がある。一般的な情報では、感染者の80%が無症状で、残りの20%のうち、60代後半以上の高齢者で、なおかつ糖尿病や心疾患、そして気管支疾患などの既往症がある患者が重症化しやすいとされている。したがって、50歳以下の比較的に年齢の低い世代は、感染しても重症化しないとされていた。

ところが、この傾向が変化していることが分かった。50歳以下の年齢層が重症化するケースが明らかに増えているようなのだ。これは大手メディアも報道している。「ニュースウィーク誌」などによると、以下のような傾向にまとめられる。

・入院を必要とする患者のなかで、50歳未満の成人がかなりの割合を占めていることが明らかになっている。

・ニュースメディアの「The Verge」のCDC(米疾病対策センター)に対する報告によると、アメリカで最初に新型コロナウイルスへの感染が確認され、入院が必要になった人のうち40%近くが20歳から54歳だったとしている。

・重症化した50歳未満の成人に関する情報と死亡者数が、ソーシャルメディアで広まっている。たとえば、中国の武漢では29歳の医療従事者2名が重症化した。

・「WHO」事務局長は若者たちに対して、新型コロナウイルスのパンデミックを軽視してはいけないと警告している。

・「WHO」によると、新型コロナウイルスは若者でも発症するし、死に至ることもあるという。そのため、発症しやすい人たちと接するのを避けるとともに、自らが感染源になってウイルスを弱者に広げないことが求められるとした。

・「CDC」のデータは、新型コロナウイルスによって死にいたるリスクが年齢とともに劇的に上昇するものの、若者も重症化するケースがあることを示している。

・50歳以下の年齢層でも、糖尿病などの慢性疾患を持つ人々もいる。新型コロナウイルスからの回復はより困難になる。

以上である。

このように、これまでの認識とは異なり、50歳以下の比較的に若い年齢層でも重症化するケースが出てきていることが明らかとなった。

特に、アメリカで新型コロナウイルスで入院した感染者のうち40%が、20歳から54歳の年齢層であったという事実は驚きだ。明らかに若い年齢層にも重症化のリスクが拡大している。

新しい変化

2月28日に配信したこのメルマガの第578回の記事で、新型コロナウイルス蔓延の新しい傾向として次の2点を指摘した。

1)感染者の若年化

これまで子供などの若年者は、新型コロナウイルスには罹りにくいと考えられてきた。また罹っても症状は軽度にとどまり、重症化するケースはほとんどなかった。しかしながら、武漢や上海では12歳以下の子供が罹患し、重症化するケースが見られるようになっている。

ウイルスの研究者は、この特徴の違いから見て、これは武漢で拡散した初期のコロナウイルスではなく、これから進化した新しいタイプである可能性が大きいとしている。

2)肺炎を伴わない重症化

さらに注目すべきは、症状の大きな変化である。新型コロナウイルスは新型肺炎と呼ばれるように、肺炎を中心とする呼吸器疾患が主たる症状である。死亡するケースのほとんどは、肺炎の悪化である。

しかしやはり上海や武漢では、肺炎を伴わず、腎疾患や心疾患で突然死するケースが数多く報告されるようになった。死亡した患者には既往症もない人も多かった。

【関連】肺炎にならずに重症化?新型コロナウイルス「進化」の兆候と民族的に危険な日本人=高島康司

以上である。

いまはっきりしてきたのは、この記事が書かれた3月27日の時点で武漢や上海で見られていた(1)の傾向が、世界の他の地域でも見られるようになっているということである。50歳以下の比較的に年齢の低い層の重症化である。

では、2月の時点でやはり武漢や上海で見られていた(2)の変化はどうだろうか?

これから、日本を含めた中国以外の地域でもはっきりとしてくる可能性は高いように思う。

Next: こうした変化の原因はやはり新型コロナウイルスの進化である可能性は――



新型コロナウイルスの進化か?

そして、こうした変化の原因はやはり新型コロナウイルスの進化である可能性は否定できないだろう。

前回の記事で、新型コロナウイルスには細胞に侵入するための4つのレセプターがあると書いた。それらは以下である。

・ACE2 レセプター
・フーリン蛋白質
・GRP78 レセプター
・CD147 レセプター

昨年の12月に武漢で発生が確認された従来の新型コロナウイルスは、「ACE2」レセプターを介して細胞に侵入していた。「ACE2」は肺に集中しているため、これを介して新型コロナウイルスが入った場合、肺炎が主要な症状となる。

しかし、他のレセプターは肺だけではなく、心臓や腎臓など他の臓器にも存在している。そのため、腎臓、膵臓、そして肝臓の疾患の増加が武漢では報告されている。

この変化もこれから日本ではっきりとしてくる可能性もある。感染しないように、厳重に注意してほしい。

臭覚異常と味覚異常が最初の兆候か?

しかしながら、PCR検査が制限され、誰でも受けられるという状況ではないとき、新型コロナウイルスに感染しているなら、それを発見する方法はあるのだろうか?

このウイルスは潜伏期間が2週間から4週間と長く、さらに80%の感染者にははっきりした症状が現れない。

そうしたとき、自分が感染したかどうか発見する方法はあるのだろうか?

そのような疑問を持っているとき、興味深い情報があった。新型コロナウイルス感染の最初の兆候は、「臭覚異常」と「味覚異常」であるというのだ。

最近発表されたイギリスの「耳鼻咽喉科学界」などの報告によると、中国や韓国ではPCR検査で陽性となったものの、無症状だった感染者のうち、30%に臭覚異常があったという。これは「米耳鼻咽喉学界」も確認しており、喉の炎症や咳などのはっきりした症状がなくても、臭覚異常や味覚異常があれば新型コロナウイルスに感染している可能性があるとしている。

PCR検査の件数が規制され、自分が新型コロナウイルスに感染しているのかどうか分からないいまの日本では、これは貴重な情報になるのではないだろうか? 読者の皆さんはどうだろうか? 臭覚異常や味覚異常はないだろうか?一度確認してみるとよいだろう。

日本はこれから相当に厳しい時期に入る。かなりの荒波を乗り越えて行かねばならなくはずだ。最大限の努力が必要になる。感染だけは避けなければならない。最新の注意をお願いしたい。

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