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百貨店4月売上マイナス72.8%の衝撃発表、高島屋のフライング営業再開は大きな賭けか=児島康孝

日本百貨店協会が22日に発表した4月売上高は、前年同月比マイナス72.8%。予想されていたとはいえ、衝撃的な数字です。これは売上が7割になったのではありません。減ったのが7割なんです。ですから、売上高は前年比で3割弱しかなかったということです。(『「ニューヨーク1本勝負、きょうのニュースはコレ!」連動メルマガ』児島康孝)

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統計開始以来最悪の「マイナス72.8%」

中小・零細企業では、売上がほぼゼロとか、1割に減ったケースが相次いでいます。しかし、さすがに百貨店の数字で惨憺(さんたん)たる状況が示されると衝撃的です。

一般社団法人日本百貨店協会(会長 高島屋・村田善郎社長)は、5月22日、2020年4月の百貨店の売上高を発表しました。

日本百貨店協会には、日本の主な百貨店74社、187店舗(5月8日現在)が会員として所属しています。東京・大阪・名古屋・福岡・札幌などの、主な大都市を含む、日本の百貨店のほとんどを網羅しています。

2020年4月の全国(全体)は、売上高1,208億円(四捨五入で1,209億円)で、前年同月比マイナス72.8%でした。

この前年同月比マイナス72.8%というのは、1965年の統計開始以来です。

売上が、7割になったのではありません。7割減って、売上が前年同月比3割弱しかなかった、ということです。

これは、いわゆる「デパ地下」(1階の場合もある)といわれる「食料品の販売だけ」になっていてほかは閉めていたので、予想された数字ではありますが、実際に数字が現実として出てきますと、衝撃的です。

各地の大都市の状況は

大都市の状況を地域別に見てみると、以下の通りでした。

東京:マイナス76.1%
名古屋:マイナス73.2%
大阪:マイナス78.9%
福岡:マイナス85.8%

とくに、福岡・天神の場合、普段は百貨店だけに行って、食料品を買うイメージがないためでしょうか。

前月の2020年3月は、前年同月比マイナス33.4%(全国)でしたから、4月は、新型コロナウイルスが直撃した形になりました。

4月の全国の売上高のうち、「食料品は41.3%」を占めました。

Next: さすがに大きな百貨店といえども、このままでは「つぶれちゃうよ」という――



このままでは、つぶれてしまう!

さすがに大きな百貨店といえども、このままでは「つぶれちゃうよ」という感じです。

この状況を見て、日本百貨店協会の会長でもある高島屋の村田社長は、「このまま続けていてはダメだ」と判断したのでしょう。各地で、高島屋の営業再開を次々と進めています。

もっとも、相手はウイルスなので、もし店内で感染が起きれば、致命的なダメージを受けます。

このあたりは「賭け」とも言えるわけですが、高島屋は、東南アジアでも店舗を展開していますから、海外の状況に関するコロナ情報も持っているのでしょう。

感染の可能性は常にある

気になるのは、宇都宮(栃木県)のスーパーマーケットでの、集団感染のケースです。ヨークベニマル戸祭店で、従業員4人やその家族など、合わせて6人が感染しました。

百貨店も、バックヤードに商品の倉庫や従業員食堂があったりしますから、まったく同じではないにしても、感染の可能性がある場所はあります。

このあたり、高島屋が果敢な営業再開で、成功するのか、あるいは、感染が起きてしまうのか。微妙なところではあります。

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2020年5月配信分
  • 予想されていたとはいえ、百貨店4月マイナス72.8%の衝撃(5/22)
  • 日本4月~6月期、GDPマイナス21%予測。実経済のダメージは、リーマンより悪い(5/15)
  • インドにある韓国LGの化学工場で、最悪規模の有毒ガス流出事故(5/8)
  • 【速報】死亡説が流れた、北朝鮮の金正恩委員長が肥料工場視察(5/2)
  • 英国の入院患者、33%が死亡の衝撃(5/1)

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image by:Osugi / Shutterstock.com

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ニューヨーク1本勝負、きょうのニュースはコレ!』(2020年5月22日号)より抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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