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コロナ離婚は年収1000万円でも止められない。ステイホームで価値観の違いが明確に=山本昌義

新型コロナウイルスで自粛生活を余儀なくされ、パートナーと長時間一緒に過ごすようになったという家庭は多いことでしょう。そこでお互いの価値観の相違が露わになり、離別を選ぶ「コロナ離婚」が増えています。果たしてそれは正解なのか?結婚FPの立場から提案します。(『婚活FP山本の実例分析書 ~運命の出会い、その先を見据えて~』山本昌義)

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プロフィール:山本昌義(やまもと まさよし)
山本FPオフィス代表、CFP。商品先物会社、税理士事務所、生命保険会社を経て2008年に山本FPオフィスを設立。現在は「婚活FP」を名乗り、婚活パーティ等を企画しながら婚活中の方、あるいは結婚直後の方など比較的若年層の精神面・経済面双方の相談業務をメインにこなす。中立性の確保の点から、一切の商品・代理店は扱っていない。

こんな時期だけど、離婚したい

婚活ファイナンシャルプランナーとして活動する私のもとに、30代前半の既婚女性から、離婚についての相談をいただきました。「今さらながら価値観の違いを知り、辛い……。どう思う?」という内容です。

当人は年収400万円の正社員で、婚歴10年ほど。旦那は年収1,000万円で小さな子どもが2人おり、価値観の違いからコロナ離婚を検討中とのことです。ただし、今までロクに貯金しなかったとのこと。

年収だけなら誰もがうらやむ旦那さんですが、それでも2人を引き裂くのがコロナですね……。

今回は、いわゆるコロナ離婚について、大切なポイントをお伝えします。

離婚はライフプランを考えてから

さて、まずは基本ですが『最低限、離婚はライフプランを考えてから』。この点だけは強めに意識しましょう。

やはり年収400万円で2人を育てるのは不可能ではなくとも困難です。夫婦の貯金も乏しい中では財産分与も期待できず、慰謝料はおろか養育費も基本的に期待できません。

また年齢を考えると、社会人初期の結婚です。高い年収のある旦那さんとの共同生活が土台にあり、総じて生活水準も普通に高いことが伺えます。世帯年収1,400万円で貯金がない点からも明らかです。

もちろん離婚後は生活水準を落とすでしょうが、想像以上に「落としきれない」可能性も高いと言えます。それほど、生活水準は落とすのが困難です。

離婚したらさらに苦しくなることも

すぐにでもラクになりたい気持ちは分かります。

しかし、離婚すればラクになれるはずが、かえって苦しくなる可能性も相応に高いです。お金はがんばれば何とかなるものでもありません。

再婚するにしても、同水準の男性は厳しいです。しっかりライフプランを考え、何とかなる見通しのうえで、離婚を行動に移していきましょう。

Next: さて、大切なことなのですが『自分の幸せとともに子どもの幸せも考える』――



即離婚は早計?

さて、並行的に大切なことなのですが『自分の幸せとともに子どもの幸せも考える』。できれば、この視点も欲しいと言えます。

一般的に、子どもの立場からすれば不仲な両親やDV、一定の虐待がある毒親なら、(一方の)親などいないほうが良いと考えがちです。いないほうが、子どもの成長にも良いと言えます。

しかし、あなたの家の場合は、旦那さんと子どもの関係性は悪くないようです。経済力も高く、そこまで非常識とも言えません。

また、価値観が合わない旦那さんとはいえ、少なくとも、あなたへの態度が悪いこともなさそうです。そもそも、旦那さんが離婚に応じないかもしれません。

肝心の「価値観が合わない」も、普段なら気にもならない違いだったにも関わらず、今になってコロナで炙り出されただけとも言えます。だからこそ10年も続いたわけですからね。

これで即離婚というのは、少し早計かもしれません。しかし一方で、将来的な熟年離婚の可能性も高いので、それなら早めに離婚して次の男性を探す考えもあります。

ただ、子どもの立場なら熟年離婚を望むかもしれません……。その頃には、十分に成長しているでしょうからね。

コロナ別居からはじめてみる

まずは少し「別居してみる」のもアリかもしれません。一時的に熱が高まっている可能性も高いです。

離婚したほうが皆が幸せか、それとも違うのか…。ライフプランを作りながら、じっくり考えてみましょう。

最後にちょこっと。

価値観が合わないことを知り、離婚したい。コロナ離婚、本当に流行っていますね。逃げ場がないから、溝は深まる一方です……。

最低限、ライフプランを立ててからしましょう。かえって苦しむ可能性がありますからね。

また子どもの視点も大切かと。あなた自身、気分が高ぶっている可能性も高いです。

まずは別居やライフプランをしながら、冷静に家族の未来を考えていきましょう。

なお、離婚後のライフプランを立てて欲しい方、夫婦間・家族間の仲裁をして欲しい方は、私でよければ、いつでもご相談下さいませ。

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image by:goffkein.pro / Shutterstock.com

婚活FP山本の実例分析書 ~運命の出会い、その先を見据えて~』(2020年5月22日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

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婚活中の方、ご成婚された方 こんにちは。婚活FP山本と申します。 昨今は空前の婚活ブーム! …引いては婚活が厳しい時代です。 ご結婚に至っても、3組に1組は離婚する時代。 大変な時代ですね。 ここでは、私が実際にお受けした相談内容を元に 男女の心理差や経済的な側面を主として なぜダメなのか?どうすれば良かったか?を分析し 実例として、皆様にお届けさせて頂きます。 なお、私は「現実的な結婚」を支援しています。 そして、実例は男女の本音が登場します。 このため、皆様の夢を打ち砕く内容も多いかと思いますが ご容赦の上でお読み頂き、ご活用下さい。

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