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日本のコロナ感染者数、年内に53万人超えの衝撃予測。全米疾病対策センター採用AIの警告=高島康司

もっとも正確な予測を行うとされる「AI」による、新型コロナウイルスの将来の死亡者数と感染者数の予測が出た。その中身を日本を中心に紹介したい。(『未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ』高島康司)

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※本記事は有料メルマガ『未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ』2020年7月10日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

ヨーヤン・グーのモデル

新型コロナウイルスの感染者数、及び死亡者数の予測には早い段階から高度なAIが使われていた。しかしその結果は、予測を行っている機関や組織によって大きな開きがあり、決定的に外すところも多かった。

そのような状況のなか、すでに2カ月近く前の5月12日、「ニューヨークタイムズ」に興味深い長文の記事が掲載された。それは、新型コロナウイルスの全米における死亡者数を予測した複数のAIモデルの正確さを評価するものであった。

「ワシントン大学」「インペリアル・カレッジ・ロンドン」「コロンビア大学」「テキサス大学オースティン校」など、AIの研究開発では世界的に知られた研究機関の予測結果が評価対象になった。

しかし、評価の結果は多くの人々の想像を越えていた。全米における新型コロナウイルスの死亡者数でもっとも正確に予測していたのは、ヨーヤン・グーという独立系のAI研究者が開発したモデルだった。その結果は、多くの人々の予測を完全に覆すものだった。

ヨーヤン・グーは2015年に「MIT」を卒業した26歳の青年だった。上海出身だが、イリノイ州で育っている。自宅のあるニューヨークに帰省しているときに新型コロナウイルスのパンデミックが起こり、実家に足止めとなった。

そこで、独自のAIのモデルを開発し、新型コロナウイルスの死亡者数と感染者数の予測を自分のホームページで公開した。その予測の的中率はあまりに高いので、いまヨーヤン・グーのモデルは「全米疾病対策センター(CDC)」の基本予測モデルに採用されている。

以下がサイトのアドレスだ。
https://covid19-projections.com/

日本の状況

ヨーヤン・グーのサイトでは、世界の主要国の死亡者数と実際の感染者数の予測を公開している。

最新の予測は、2020年11月1日までの死亡者数と感染者数である。もちろん日本の予測も公開されている。

以下がその予測だ。最小予測値と中間予測値、そして最大予測値の幅で提供されている。

最小予測値
・7月9日時点の死亡者数:981人
・11月1日までの死亡者数予測:986人

中間予測値
・7月9日時点の死亡者数:981人
・11月1日までの死亡者数予測:1,580人

最大予測値
・7月9日時点の死亡者数:981人
・11月1日までの死亡者数予測:2,738人

これが予測結果だった。これから11月1日までの間に死亡者数は最小予測値が986人、中間予測値が1,581人、最大予測値が2,738人まで増加するという結果だった。

Next: ヨーヤン・グーのサイトでは、死亡者だけではなく、実際の感染者数の予測――



日本の実際の感染者数

さらにヨーヤン・グーのサイトでは、死亡者数だけではなく、実際の感染者数の予測も公開している。

ヨーヤン・グーによると、どの国でもPCR検査の検査件数は十分ではないので、多くの無症状や軽症の感染者が発見できていない状況だと見ている。そのため、実際の感染者数は多くの国々で公式に発表されているものよりも5倍から10倍、またはそれよりもはるかに多いはずだと予測している。

ヨーヤン・グーは日本についても実際の「感染者数」の予測値を、最小予測値、中間予測値、最大予測値の3つを公表している。それらは現在の感染者数よりもはるかに多い。

最小予測値
・7月9日時点の感染者数:2万147人
・11月1日時点の実際の感染者数:8万6,238人(全人口の0.1%)

中間予測値
・7月9日時点の感染者数:2万147人
・11月1日時点の実際の感染者数:53万3,232人(全人口の0.4%)

最大予測値
・7月9日時点の感染者数:2万147人
・11月1日時点の実際の感染者数:158万4,027人(全人口の1.2%)

これは目を疑いたくなる愕然とした予測値だ。

最小予測値でも、現在の公式発表された感染者数の4倍だ。最大予測値にいたっては、実に79倍になっている。いくらなんでもこれはないだろうと思うかもしれないが、ヨーヤン・グーのモデルは「米疾病対策センター(CDC)」の公式予測モデルにも採用されている。

ということでは、十分な根拠があると見てよいのではないかと思う。

要するに、現在表面化している感染者数は氷山の一角にすぎず、実際の感染者数ははるかに多いので、PCR検査の件数が増えれば増えるほど、毎日どんどん増加するということだ。

東京の感染者数は今後さらに増える

7月9日、東京都では224人、全国では340人の新規感染者が確認された。東京都の毎日の感染者数では過去最大となった。

主要メディアをはじめ我々はこの数字を見て驚いたかもしれないが、もしヨーヤン・グーの予測値が正しいとすると、この程度の感染者数の増加は序の口なのかもしれない。

近い将来、東京都では、1日に200人どころか、500人や1,000人といった感染者数の増加さえあってもおかしくない状況かもしれないのだ。

Next: ただ救いは死亡者数の少なさである。前述の通り、11月1日までの死亡者数――



日本の致死率は非常に低い

ただ救いは死亡者数の少なさである。

前述の通り、11月1日までの死亡者数予測は最大予測値でも2,738人だ。

これはヨーヤン・グーのモデルの感染者数最小予測値の3.17%、中間予測値の0.5%、最大予測値の0.17%だ。致死率は非常に低い。

その他の国の状況

では次に、その他の国の11月1日の時点における実際の感染者数の予測値を見て見よう。すべて中間予測値である。

アメリカ
・現在の感染者数:315万9,622人
・11月1日までの実際の感染者数:4,754万4,967人(全人口の14.3%)

ブラジル
・現在の感染者数:171万3,160人
・11月1日までの実際の感染者数:2,095万7,346人(全人口の9.9%)

イギリス
・現在の感染者数:28万6,979人
・11月1日までの実際の感染者数:739万1,228人(全人口の10.9%)

中国
・現在の感染者数:8万3,581人
・11月1日までの実際の感染者数:45万7,830人(全人口の0.03%)

韓国
・現在の感染者数:1万3,293人
・11月1日までの実際の感染者数:10万6,586人(全人口の0.2%)

これを見るとはっきりするが、中国や韓国などの東アジア諸国では実際に存在していると思われる感染者数は相対的に少ないものの、アメリカやブラジル、そしてイギリスなどは実際の感染者数がはるかに多い。これらの国々では、これからも毎日の感染者数はかなり増大することが見込まれる。

新型コロナウイルスのパンデミックはまだまだ続く。そして、その間に、秋にも新たな第2波が始まるのかもしれない。警戒してほしい。

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image by:america_stock / Shutterstock.com

未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ」(2020年7月10日号)より一部抜粋・再構成
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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