いま、急成長を遂げているオンラインストアのプラットフォーム“Shopify”。その要因を決算書から読み解いてみると、1年間に獲得した顧客の売上が2年目以降に伸びていることがわかりました。(『決算が読めるようになるノート』シバタナオキ)
※筆者注:この記事はYusuke Gotoさんとの共同制作です。
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AppGrooves / SearchMan共同創業者。東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻 博士課程修了(工学博士)。元・楽天株式会社執行役員(当時最年少)、元・東京大学工学系研究科助教、元・スタンフォード大学客員研究員。
売上高は前年比1.5倍、営業損益は投資で赤字
今回は「Shopify」の2020年度第1四半期の決算書から、成長を牽引するKPIは何か、なぜそのKPIは伸びているのか、それを読み解いていきたいと思います。
まずは、Shopifyの決算の基本的な部分をおさらいしていきましょう。
<Shopifyの決算ハイライト>
参考:Shopify Q1 2020 Financial Results
参考:Shopify 2020Q1 MD&A
まずは、GMV(Gross Merchandise Volume)を見てみます。
直近四半期のGMVは、$17.4B(約1.7兆円)となっていて、YoY+46%の成長となっています。
売上高は、$470M(約470億円)で、YoY+47%となっています。
しかし、高い成長率を記録しているものの、営業損益は▲$73M(約▲73億円)と赤字になっており、引き続き投資に力を入れていると考えられます。
Shopifyの力強いGMVと売上高の成長を支えている要因は?
まだ赤字のビジネスではありますが、すでに大きな規模にも関わらず、GMVと売上双方ともにYoY+40%以上で成長しているのは圧巻の一言です。
では、その成長はなぜ実現しているのでしょうか?
その答えは、上記スライドにあるように、ネガティブチャーンを形成できている(解約による収益減を、既存顧客による収益増が上回っている)からです。ネガティブチャーンの状態であるということは、一度獲得した顧客からの売上が増えていることを表しており、SaaS型のビジネスモデルにおいて非常に重要な指標となります。
では、もう一歩深く、なぜネガティブチャーンを形成できているのか考えてみましょう。
Next: なぜネガティブチャーンを作ることができているのかを読み解くために――
ネガティブチャーンを作ることができている要因
なぜネガティブチャーンを作ることができているのかを読み解くために、先ほどのスライドのうち、各コホートの1年目から2年目の推移に注目してみましょう。
他の時期の変化量に比べ極端に大きく、目視ベースになりますが、2倍以上成長しているように見えます(緑色の「pre-2017」は、それ以前の獲得顧客が混ざっているため、今回のスコープからは対象外)。
2年目以降も売上高は伸びているため、1年目から2年目の売上の伸びだけが成長要因というわけではありませんが、この時期の成長が大きな影響を与えているのは間違いなさそうです。
では、なぜ2年目にここまで売上が伸びているのでしょうか? その理由は記事後半で読み解いていきたいと思います。
この記事は、Shopifyの成長理由に興味がある方、ECやSaaSのビジネスモデルが好きな方、プラットフォーム型ビジネスをご担当されている方に最適な内容になっています。
要因1:●●●の拡大
要因2:●●●売上の拡大
●●●売上はなぜ伸びているのか?
Shopifyの今後の伸び代はどこにある?
まとめ
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『決算が読めるようになるノート』 2020年7月10日号『Q. Shopifyの成長要因は、1年間に獲得した顧客からの売上が●年後に伸びているから?』より抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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