世界中で新型コロナウイルスが猛威を振るう影で、とある感染症も大流行している。それは「デング熱」だ。厚生労働省のHPによると、デング熱とは蚊に刺されることによって感染し、発熱、発疹、頭痛、骨関節痛、嘔気・嘔吐などの症状が出る疾患のこと。まれに「デング出血熱」や「デングショック症候群」を発症することもあり、出血、呼吸困難、器官の機能障害が出て、早期に適切な治療が行われなければ死に至るケースもあるという。そんなデング熱がシンガポールやインドネシア、タイなどで大流行し、現地の医療現場は新型コロナウイルス治療との両立が求められている。
インドネシアでは死者300人
テレ朝newsは6月30日の時点で、インドネシアでの「デング熱による死者は今年300人を超える」と報じており、さらに「タイ政府はデング熱の感染者が今年に入って2万人を超え、11人が死亡したと発表」と伝えている。シンガポールの環境庁は「過去最悪の水準に達する恐れがある」と警告を出しており、2013年に記録した2万2,170人の感染者数を上回ることが懸念されている状況だ。
ひっ迫する医療現場
医療現場は、新型コロナウイルスの感染者増加によりひっ迫してきている。東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県の1都3県の入院患者数は2週間前の2〜4倍に増加。弊メディアでも先日お伝えしたが、東京都での感染者を受け入れるホテルは一時ほとんど埋まった状態だった。日本経済新聞でも、杏林大医学部の山口芳裕教授の「入院の調整が非常に困難になっている」という声を報じている。
病床確保はすでに入院している患者の転院の手配や医師や看護師の配置換えなど一定程度の準備期間が必要だ。22日の東京都のモニタリング会議でも出席した杏林大医学部の山口芳裕教授から「入院の調整が非常に困難になっている」と苦言が呈された。
新型コロナウイルスの感染者だけでもこれほどひっ迫しているというのに、デング熱までも流行してしまったら、医療現場が持たない。当然だが、人は心も体も疲弊する。激務に晒され続け改善の兆しが見えないなか、また新たな感染症が流行したら……心が折れてしまう方もいるだろう。
他国では「デング熱対策」として殺虫剤散布のほか、交配したメスの卵のふ化を妨ぐ効果がある細菌に感染させたオスの蚊を放ったり、繁殖の予防策を講じなかった住民や建設事業者に罰則を課すなどの対策がされている。
日本でも「流行前」に何か対策を講じておくべきではないだろうか。2014年に流行した際は、蚊を繁殖させないために雨水マスの清掃や池の水抜きなどが実施された。せめて、こうした「いまできる取り組み」だけでもできないものだろうか。新型コロナウイルスの水際対策を失敗に終わったが、新たな感染症の水際対策はしっかりしていただきたい。
Next: デング熱感染。日に日に奪われていく体力…
ツイッターの反応
昔カンボジアでデング熱かかって入院したけど、マジで辛かった。日に日に体力が奪われていく感じ。鼻血も止まらないし。人生で初めて死ぬかと思った。インフルエンザよりきつい。
デング熱、空前の大流行 コロナ影響か シンガポール(時事通信) – Yahoo!ニュース https://t.co/yGELsqodJm
— なんなん (@v_vabcv_v) July 27, 2020
数年前に海外に住む姑がデング熱にかかって入院したけど、死ぬかと思うほど身体がキツかったらしい。 https://t.co/jnqr8kRT1y
— Kathy-M (@Madame_Henri) July 27, 2020
こんなときにデング熱
— かわら (@sbr8793) July 27, 2020
コロナ…デング熱…結核……こんな同時に感染するってもうバイオなハザードとしか思えん……
— Jill (@jill0111ya) July 27, 2020
デング熱は高熱と目の痛みでほぼ確定でわかっちゃうから早めの検査おすすめ。早期治療なら1週間の入院で済むけど遅いと関節痛が数カ月残ったり命の危険もあるから……ちなみに私は退院後でも白目向いて嘔吐したらしい(記憶にない)
— 夏雪💮⛩🌸 (@summerzsnow_cos) July 27, 2020
デング熱罹った際に、「死ぬ病気じゃないんでしょ?」って日本からぬけぬけと言ってきた奴は居てですね。
新型コロナって大したことないんでしょ?論と通ずるものは感じてる。
とりあえず、デングに関しては死ななくたって二度と掛りたくないわあんな辛いの(・∀・)
— ばるす (@mach_barusu) July 27, 2020
※本記事内のツイートにつきましては、Twitterのツイート埋め込み機能を利用して掲載させていただいております。
Source:厚生労働省のHP、テレ朝news、日本経済新聞
Image by:Shutterstock