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貯金一本は老後破産する。人生を豊かにする「予算化」のポイント=牧野寿和

人生100年時代、老後の備えは万全でしょうか?海外旅行に行く、畑を持つなど夢がある方もいるでしょう。しかし、ただお金を貯めておくだけでは、豊かなセカンドライフは過ごせません。つまらない老後にしないためには、現役時代に考えておくべきポイントがあります。(『【人生の添乗員(R)】からのワンポイントメッセージ』牧野寿和)

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プロフィール:牧野寿和(まきの ひさかず)
ファイナンシャルプランナー、牧野FP事務所代表。「人生の添乗員(R)」を名乗り、住宅取得計画やローンプラン、相続などの相談業務のほか、不動産投資、賃貸経営のアドバイスなども行う。著書に『銀行も不動産屋も絶対教えてくれない! 頭金ゼロでムリなく家を買う方法』(河出書房新社)など。

セカンドライフを楽しむ貯蓄

私たちは生活をしていくうえでも、また、旅行に行くにも、趣味の園芸をするにも、何をするにもお金が必要です。

そのために備わった習性か、欲しいものが見つかれば、まずはその値段が気になります。

そして時には、その欲しいものを買うために、日頃の生活費を削ってお金を貯めて購入することもあるでしょう。

しかし、年金が家計収入の中心になる老後の生活、つまりセカンドライフでは、生活をしていくのが大変で買いたいものも買えない。という話を聞いたりもします。

それはそれで、お金を使わない観点からは良いかもしれませんが、そんなことが続けば生活に張り合いがなくなり、体調にも影響が出かねません。

そこで今回は、セカンドライフを楽しむために貯蓄をしよう!と、ご提案したく思った次第です。

セカンドライフの生活をするためにお金を貯めることは大切です。それに加えて、セカンドライフを楽しむ資金も貯めておくことは、ご自身やご夫婦のこころと体の健康維持のためにも必要だと私は思っています。

お金がないと自宅に籠りがちになる

セカンドライフの生活のために、現役の間にお金を貯めておきましょう!といったお話はよく聞きます。私も間違ってはいないと思います。

また、冒頭でもお話いたしましたように、セカンドライフの生活に入ってからお金がないと、旅行にも趣味にも、ご自身が楽しむ時間を作ることが、資金不足から制限されるかもしれません。

そのために人によっては、ご自宅に籠りがちになるかもしれません。

行動するためには、それなりのお金が必要なのです。

このお金は、ご自身やご夫婦のセカンドライフを楽しむ、また生活に潤いをもたらすために必要なお金だとも言えます。

Next: やらずに人生終了?夢以外もすべて「予算化」しておくことが重要



老後の夢以外もすべて「予算化」しておく

例えば、退職したらご夫婦で海外旅行をすると決めていたご夫婦が、あらかじめ予算化しておいたお金で旅行に行ってきたとします。

旅行以外でも退職後にやりたいことを決めておき、予算化しておいて実行するのであれば、あまりお金の心配はないでしょう。

ただ、退職後、海外旅行に行くことは決めてあり、その旅費も予算化してあり、そのお金で旅行に行ったとして、その後のことは無計画だったら…どうでしょうか。

時間は潤沢にあるセカンドライフで、何をするのかを何も決めていないと、その時点から、また旅行に行こうとしても、現役時代の経験を元に起業しようとしても、菜園を借りて野菜を育てようとしても、手遅れになることがあります。

セカンドライフに入ってから「これからしたいこと」を考えても、家計収支を見て、

・今年は止めておこう
・今はやめておこう

と先送りをして、何もしないままで身体が衰えてしまいかねないのです。

参考数値として、日本人が誰の手も借りずひとりで生活できる「健康寿命」は……男性が約72歳、女性が74歳と厚生労働省から発表されています。

人生100年と言っても、統計数値ではセカンドライフに入ってからの時間は限られており、楽しむことも事前に予算化しておかないと、実際に行動することができない、机上の空論に終わってしまう可能性もあるのです。

老後の支出がわからない?

ところで、セカンドライフを迎えるにあたり心配なことのひとつに、家計支出が不透明なことが言われています。

収入はあらかじめ見当はつくが、支出がいくらくらいになるのかわからない。だから、セカンドライフの生活費のために貯めておいたお金も簡単には取り崩せない…と言われてもいます。

一般的にセカンドライフでの家計支出は年齢とともに、

・食費が少なくなった
・外出が減った
・お金が底をついた

などの理由で、支出額が減少するかもしれません。反対に、医療や介護の費用が増加して支出額が増えるかもしれません。

従って、支出額がわからないことは事実です。

では、このような状況に対応するために、どのように準備しておけば良いのでしょう?

Next: いくらかかるのか不透明。セカンドライフを豊かに過ごすためには?



現役時代に支出をコントロールしておく

その方法として、現役、セカンドライフを通じて支出額が一定額になるように、現役中に家計支出を見直し、支出額を貯蓄に回すことです。

現役の時代には現在よりも節約が強要されるかもしれませんが、何よりセカンドライフでは、お金の心配要素は軽減されるでしょう。

また現役中にセカンドライフの支出で生活することを身に付けておけば、セカンドライフになってから節約する苦労もなくなるでしょうし、現役中の貯蓄を増やす、といった効果も期待できます。

老後の生活をしっかりイメージしておく

また、セカンドライフの生活は、セカンドライフになってからゆっくり決めるのではなく、現役中にあらかじめ決めておくことです。

旅行の計画をしていたけど病気に罹り旅行に行けなくなったら、旅行の費用に予算化していたお金を治療費に支払えば良いのです。

臨機応変に使い道は変えれば良いので、まずは予算を立ててお金を確保しておくことが大切です。

セカンドライフを楽しむには、現役中からセカンドライフを楽しむ予定を立て、そのための貯蓄をすることです。

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image by:image by:BaanTaksinStudio / Shutterstock.com

【人生の添乗員(R)】からのワンポイントメッセージ』(2020年11月4日号)より一部抜粋
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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