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大学生は死ねというのか?生活苦で中退・休学急増、両親も困窮、働き口なし=今市太郎

コロナ禍で大学生の退学・休学が増加しています。早急に金銭的支援をしないことには、日本から大学生が激減しかねないところに差し掛かっていることを強く感じさせられます。(『今市的視点 IMAICHI POV』今市太郎)

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※本記事は有料メルマガ『今市的視点 IMAICHI POV』2020年12月20日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。

コロナ禍で学業をあきらめる若者たち

12月18日、文部科学省が驚くべき調査結果を公表しました。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、10月までに大学・大学院を退学したり休学したりした学生が少なくとも計5,238人いるそうで、新学期がスタートしてから半年でこの数字ですから年間で言えばさらに大きな数字が示現することが危惧される状況です。

ひと昔前の団塊ジュニアの頃の子供の数と比較すればすでに半分以下になっているなかで、今後この国を背負う基調な人材となるべき大学生がいとも簡単にコロナ禍の影響を受けて学業を継続できず退学や休学に追い込まれてしまうのは、とてつもない国家的損失です。

文科省は今後、学生らへの支援を拡充させるとしていますが、もっと早急に金銭的支援をしないことには日本から大学生が金銭的事情から激減しかねないところに差し掛かっていることを強く感じさせられます。

国や自治体が手を差し伸べるべき

驚かされるのは昨年の同時期における中退者は2万5,008人、休学は6万3,460人もいることで、新型コロナ感染の拡大とは関係なく相当数の中退者が恒常的に存在する点は、別の視点で一体どういう事情があってそうなるのかが気になるところ。

この数字を見て、足元のコロナ起因で学校に行けなくなる若者の数が大したことではないとするのは大きな間違いで、なんとしても救済してあげる必要を感じます。

安易に退学・休学を決め込む向きは同情の余地などまったくありませんから勝手にしろという気分ですが、コロナで行きたくても学校に行かれないという向きは、やはり国や自治体がもっと助けの手を差し伸べるべきものがあります。

Next: 両親も困窮して頼れず、コロナ終息はまだ見えない



コロナ禍の終息は見えていない

この新型コロナはワクチンの開発成功などで、なぜかすでに終息モードが見えてきているような錯覚に社会全体が陥っているようにも見えます。

しかし、変異の激しいウイルスにワクチンが本当に効くかどうかはまだよくわからない状況ですし、副反応、アレルギーの問題、幼児への接種に本当に問題がないかどうかは、現状の治験だけではよくわからないのが実態です。

正直、ぶっつけ本番の人体実験実施の感が否めません。

100年前のスペイン風邪の事例を考えれば、終息までに都合2年以上かかることも十分にありえそうです。そうなると、国内の大学生はさらに悲劇的な状況に追い込まれる可能性が高まります。

両親の困窮がもっとも大学生に影響を与える事態に

この調査ではどういう状況から学校を退学・休学したのかの詳細がいまひとつよくわかりませんが、学生の学費を支払う両親の経済状況が悪化していることが主たる要因であることは間違いなさそうです。

さらに学費は捻出できても、地方から東京などに出てきて生活をするための費用が枯渇し、本来ならばアルバイトで自ら補填することで賄うつもりであったことが、それもうまくいかないということも十分にありえる話。これを解決することが必要です。

先般、UberEatsの配達人が増えすぎているという話を当メルマガでも書きました。

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首都圏のみならず全国的に学生がアルバイトをできるような案件は激減しており、学業とバイトを両立させられるような状況ではなくなっていることも、退学や休学に繋がっているものと思われます。

ただ、学校を辞めたとしても、その先に働いていける案件が激減しているのもまた事実ですから、金銭的な問題として考えれば、学校を辞めてセーブできるのは学費ぐらいの話になってしまうという、これまた厳しい状況が待ち構えていることになります。

現状の大学生は学校を辞めれば新しい道が拓けるわけではまったくないことを、より冷静に考える必要がありそうです。

Next: 本当に先進国か?大学生の半数が1日2食の欠食状態との調査結果も



かろうじて通学できていても、1日2食の欠食状態に陥る例も

認定NPO法人フードバンク山梨が、山梨大と都留文科大の学生を対象に新型コロナウイルスの影響を尋ねたアンケートで、学生の半数近くが「食事は1日2回」と回答したことがわかり衝撃を与えています。

3食たべている学生でも「1回の食事量を減らしている」と答えた学生が3割もいるそうですから、状況は我々が考えているよりもはるかに悪化していることがわかります。

新型コロナの影響でアルバイト代などが減り、食費を切り詰めている学生の実態が明らかになっています。

これは山梨だけの問題ではなく、生活コストの高い都市部でも同じことが起きていることが容易に予想できる状況です。

もっとも食べ盛りの18歳から22歳あたりの大学生がカネに困って食事の回数を減らすということが、この令和の時代に現実に起こっているわけです。

これが戦前の小学校あたりなら、たしかに昼ご飯をもってこれなかった子供が多く、欠食児童と称されて学校給食が始まるきっかけにもなったわけです。

しかし、いまどきの大学生がダイエットとは関係なく1日2食で我慢しているという話はとにかく驚きであり、これが全国的な大学生の実態であるとすれば、この国はもはや先進国ではなく、猛烈に恥じるべき状況です。

何も対策せずに「自助」を振りかざしたらこの惨状

東北から集団就職して段ボール会社で働きながら、苦労して夜学の法政大学に通って叩き上げで偉くなったという触れ込みだった菅首相。その実態は、勉強嫌いで頭が悪すぎて、結果、昼間の大学に合格できず逃げるように故郷を出て、ようやく法政の夜学に通っていたという苦労人でっち上げ話はすでに公になってしまっています。

足元で新型コロナにあえぐ大学生たちは、本当にリアルな苦労人の人生に直面しており、これは絶対救うべき存在です。

今や大学への進学率は飛躍的に上昇し、決して優遇された特別な人が進むべき道ではなくなっています。国の支援の在り方がまさに問われる状況です。

Next: 大学に通うのが困難な時代へ。若者と日本の未来が壊れかねない



若者と日本の未来が壊れかねない

果たしてこれが先進国に起こる状況なのでしょうか。

米国では大学の学費自体が高すぎで奨学金が支払えないというとんでもない事態も起きているようですが、大学に行くのがこんなに厳しい時代になる時代が来るとは夢にも思いませんでした。

このまま放置しておくことは、日本の未来をぶち壊しにすることにほかなりません。

絶対になんとかしなくてはならない事案であると思います。

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※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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