【日米激怒】鳩山クリミア訪問、モスクワ在住の識者はどう見てる?

 

それでも鳩山発言は問題?

では、「鳩山発言は問題ない」のでしょうか? そうでもありません。

菅さんはこんなことをいっています。

鳩山氏クリミア訪問 政府がほっておけない事情とは…

菅義偉官房長官は12日の記者会見で、ウクライナ南部クリミア半島を訪問した鳩山由紀夫元首相がロシア編入の可否を問う住民投票を「民主的」と評価したことに対し、「どういう根拠か分からないが、コメントする気にもならない」と強い不快感を示した。

ロシアによるクリミア併合を認めない立場の日本政府にとって、併合を是認するかのような首相経験者の言動は国際社会から誤解を招きかねず、対応に苦慮している。
(産経新聞 3月12日(木)20時53分配信)

クリミア併合後、アメリカは、ロシアへの制裁を決めました。ロシアとの経済的結びつきが強く、またロシアへのガス依存度が高い欧州も、しぶしぶこれに従った。北方領土を返して欲しい日本も、しぶしぶ従った。

ウクライナは、アメリカとロシアの「代理戦争」の場と化した。そして、中国はロシアについたので、構図は、「欧米 対 中ロ」になった。

日本は一応アメリカ側についていますが、安倍総理は「俺の任期中に4島返還を成し遂げる」という意欲が強いため、ロシアとの関係も大事にしている。

そして、安倍さんは、「アメリカ製憲法をかえよう」としたり、「東京裁判は勝者の断罪だ!」などといい、アメリカから警戒されている。(もちろん、中国の反日プロパガンダが成功しているのですが。)

こんな中、元総理の鳩山さんが、「クリミア併合はいいことだよね~」といってロシアを擁護する。これは、アメリカの不信感を増大させることになるのではないか? ・・・と、日本政府は心配しているわけです。

そこで菅さんは、鳩山さんをバッサリ切り捨てることで、「彼は日本政府と全然関係ない!」という強固な意志を示しました。

これに対し、アメリカは?

米政府「深く失望している」 鳩山元首相のクリミア訪問

米国務省当局者は12日、鳩山由紀夫元首相がウクライナ南部のクリミア半島を訪問し、昨年3月のロシア併合に向けた住民投票に理解を示すような発言をしたことについて、「日本政府と同様に、鳩山氏の訪問と発言に深く失望している」との立場を示した。朝日新聞の取材に答えた。
(朝日新聞デジタル 3月13日(金)10時44分配信)

というわけで、「鳩山と日本政府は関係ない」ことがよく理解されているようです。

そもそも安倍総理と鳩山さんは政党が別。しかも、鳩山さんは、すでに政界を引退され、政治家ですらない。また、アメリカからは、「戦後最悪の首相」と認識されている。

ですから、それほど大騒ぎする問題ではないのです。

ちなみに、ロシアのニュースではこの鳩山発言、ほとんど登場していません。

それよりも鳩山さんといえば、尖閣、沖縄県は、「中国側から日本が盗んだと思われても仕方がない」(2013年6月25日)発言の方が大問題ですね。

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