なぜ現在のディーラーは狙うことができないのか……。
それは、現在主流のルーレットウィールの構造上、狙うことが出来なくなってしまったからです(ディーラー技術の問題ではありません)。
現在主流のルーレットウィールは、数字の溝の部分が浅く作られているので、回転から落ちたボールはその後、勢いをつけたまま転がって行ってしまうんです。
なので、たとえディーラーが一点を狙ったとしても……狙った数字のピンそばにボールを弾くことが出来たとしても、落ちてからボールがコロコロ~っと半周以上回っちゃうので(1周半くらい転がることもありますよ)、結局のところ、ボールがどこまで行くのか読めないんですね。
20年くらい前までのウィールは、数字の部分の溝が深くなっていたので、ボールは、気持ち良いくらいにスト~ン!と一点に入ってくれました!(いや~、これ出来た時はホンマ気持ちいい!)
要するに、落ちてからの転がりが少なかったんです。
なので、ディーラー経験が1年くらいの初心者でも、狙ったその数字の周辺に落とすことくらいは誰にでも出来ました。半年くらい練習すれば、本当に誰にでも出来ることなんですよ。
だから、
「ウィールの溝が深く練習好きなディーラーさんは、昔は狙えた!」
と言っても過言ではないかも知れません。昔のディーラーは本当に良く練習をしていましたよねー。うまいディーラーさん、本当に多かった……また、かっこいいんですよ~! 技術のあるディーラーって……。
ただ、カジノ側としては、ディーラーが狙った数字に落とせるようになると、プレーヤーと結託して、イカサマ行為が出来てしまうので……。
だから、ウィールの溝を浅くしてボールが転がるようにしたり、ウィールの回転をぐるんぐるん!に早く回したりして、読めなくしてしまう……。
昔からのルーレットのベテランプレーヤーからは、
「数字読めないと、ルーレット面白くないじゃない」
とか言われちゃうんですけどね……。
美しく健全な日本型IR(カジノ)を実現するためには、不正行為に繋がるような要素のある「モノ・コト」はやっぱり導入しないほうが賢明ですよね。
ということで……。
今回のお題
「カジノディーラーはルーレット狙える?」
に関しては、
『カジノディーラーはルーレット狙えませーん!』
が私の結語です。
image by: Shutterstock
著者/鍛野ミミ
カジノディーラー歴24年。ラスベガスのディーラーライセンスを持ち、日本では数えるほどしかいない、海外大手カジノ事業主の「富裕層・VIPマーケティング」業務を経験した筆者が、これまで語ることのなかったカジノの「アレコレ」を発信していきます。
≪無料サンプルはこちら≫