「お客様は、予想もしない注文ばかりする」「予期しなかったトラブルばかりで仕事が進みません」と、文句ばかり言っている会社員がよくいます。
まるで自分の思う通りにならない周囲が悪い、というような口ぶりなのですが、実際には全部自分の無能ぶりからきているのです。
予想できるものに対処するだけの仕事なら、ロボットにやらせたらできます。
人間相手ならば様々なケースが来るのは当然のことで、それを事前にどれだけ予想できるのか、もしくは予想できないものが来た場合にはどういう行動や考え方をすればいいのかという意識が、日々なければなりません。
そういう意識へと改善されない限り、予想しないトラブルばかりがどんどん増えていって、自分の対応はとても追いつかなくなります。
でも「どんどん増えていく」というのは、自分の対応力のなさからそう思っているだけで、予想や準備がきちんとできている人は次から次に対処していくから、逆に「どんどん沈静化していく」と考えます。
子育てで言えば、子どもが言うことを聞かない時からきちんと子どもに対してしつけを行なって、子どもが次第におとなしく言うことを聞くようになる、ということと同じです。
今の予想できないトラブルにきちんと対応しながら、将来の大変さを軽減する対処もきちんとしているのです。
お客様から予想もしない問い合わせがきたら、それにすぐに対応するだけではなく、他のお客様が同じ問い合わせをしないでいいように、サイトのQ&Aに載せたりマニュアル化したりします。
お客様が怪我をされたり商品が破損したりしたら、そのお客様に対するケアにあたるのはもちろん、他のお客様が次に同じトラブルにならないようすぐにその原因を改善するわけです。
そういう動きをしないから、いつまで経っても予想外の現象が増え続けているように感じるんですね。
予想と準備は、人の知恵です。そして、自分の時間を作り出す方法でもあります。
自分にはどれだけの予想力と準備力があるか。
いつもそれを気にしておくことは、ビジネスにとっては大事なことなのです。
【今日の発想源実践】(実践期限:1日間)
・「予想外のトラブル」に上手に対応できる人と対応できない人は、どのような差があるか。「予想」と「準備」という単語を必ず入れて、100字程度でノートにまとめる。
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