【書評】なぜ中国No.1スマホは火曜日に「爆買い」されるのか?

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今回の「3分間書評」で取り上げるのは、中国で圧倒的な人気を誇る通信機器メーカー、シャオミのCEOとデザイナーが書いた1冊。アマゾンの元カリスマバイヤーの土井英司さんがメルマガで「即買い」をお勧めするその内容は?

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シャオミ 爆買いを生む戦略』 黎万強・著 日経BP社

こんにちは、土井英司です。

価値観が変わり、メディアが変わり、企業を取り巻くビジネス環境大きく変化を遂げました。旧態依然としたやり方では、大ヒットはおろか、これまでの売上を維持することすらおぼつかない。

そんななか、新時代マーケティングヒントとなる、素晴らしい本が中国本土からやってきました。

本日ご紹介するのは、「シャオミ 爆買いを生む戦略」。

中国の若者の間で圧倒的な人気を誇り、一時、アップルやサムスンを抜いてシェア1位となった通信機器メーカー「シャオミ」の共同創業者、黎万強(リー・ワンチアン)が書いた、新時代のマーケティング・バイブルです。

冒頭を会長兼CEOの雷軍が書き、本文を共同創業者でデザイナーの黎万強が書く。

その経営思想の根本には、こんな信念がありました。会長兼CEO・雷軍の言葉を紹介しましょう。

マニアが製品づくりに関われるような会社をつくりたいといつも思っていた。ユーザーと一緒に製品を育てていく。それこそが未来の企業に求められる価値だと考えた。4年前に「小米科技(シャオミ)」を立ち上げたとき、私はこう考えていた。この会社が将来どんなに大きくなっても、まるで定食屋のように、ユーザーが気軽に入ってこられる会社にしよう

(小米科技会長兼CEO 雷軍)

単に製品そのものを売る時代は終わりを告げ、「参加する楽しみ」を売る時代がやってきた。だからこそ、「ユーザーと友達になる」という、思考の転換が必要なのだ

(黎万強)

と説く本書の主張は、まさにこれからの時代のマーケティングを的確に表現しています。

では、シャオミはどのようにしてユーザーと友達になり、彼らを巻き込んでマーケティング展開していくのか? 本書にはその詳細が書かれています。

製品開発・サービス・ブランド構築・販売の過程を開放するという施策、爆買いを生む火曜販売の仕掛け、SNSを使って話題を広める方法、これまでに使われた広告コピー、さらに新製品開発の勘所まで…。

創業からわずか6年年間8,000万台を出荷(2015年見込み)、「Tモール」で最速での売上高1億元達成など、伝説を作り続けている中国の注目企業、シャオミのマーケティングの秘密が学べる、すごい1冊です。

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