【書評】なぜ中国No.1スマホは火曜日に「爆買い」されるのか?

 

さっそく、その要点をご紹介しましょう。

製品開発・サービス・ブランド構築・販売の過程を開放して、ユーザーに参加してもらい、「手が届く」「自分だけのものになる」「共に成長していく」ブランドを、一緒に育て上げていくことだ

誰のためのデザインかが明確なこと。使いやすいこと。美しいこと。この3つが、ユーザーエクスペリエンスに与えられた課題

企画部門にこんなミッションを与えた。発売が毎回話題になるようなアイデアを考えてほしい、と。まず、製品を予約してくれたユーザーに、製品写真と「予約完了」のコメントをウェイボー上に投稿してもらう。そうすることで、単なる予約という行為が、ソーシャルメディアを通じて数百万人が参加するイベントに変わるのだ。さらに、火曜日に販売が始まると、無事に製品を手に入れたユーザーは、ウェイボーやウィーチャット、ネット掲示板などに投稿し、製品を手にした喜びを友人たちと共有しあう

将来、ハードウェアは原価に近い価格で提供されるようになるだろう。では、そのときのビジネスモデルはどうなるのか? それは、モバイル利用を前提としたアプリサービスを主力にすることだ

シャオミが製品をつくる際には、必ずその製品のカテゴライズを考えることから始める。消費者が商品を選ぶとき、最初に考えるのがカテゴリーで、次がブランドだからだ(中略)シャオミのスマートフォンのレッドミーの発売時にも、「1,000元台の神器」という新しいカテゴリーを打ち出した

「自慢したい」「存在感を示したい」というのは、デジタル時代に向けてインターネット上で最も顕著に表れる集団意識だ。成功を収めているネット上の活動は、この心理をうまく利用しているものが多い。フォトレタッチアプリ「百度魔図」は、ユーザーが自撮りした写真と一番似ている有名人を探してくれる

シャオミはウェイボーである発表をした。「今日、雪が降っても降らなくても、ソンイとミンジョンが結ばれなくても、星から来たあなたを大歓迎。フライドチキンとビールを無料で提供、さらにMi 2Sを400元に値下げします!(以下省略)」

<シャオミのイヤホン「ピストン」。99元の神器で歌を聴こう>

<シャオミのモバイルバッテリー。1万400mAh、69元>

赤ペンチェックで真っ赤になった本書のエッセンスをすべてお伝えできないのが残念ですが、ひとつ言えるのは、この内容で1,800円は激安だということ。

個人的には、これで新たなビジネスのヒントがバンバン思い浮かびました(詳細は秘密です)。

これは、ひさびさに「即買い」していただきたい1冊ですね。

image by: シャオミ

 

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著者はAmazon.co.jp立ち上げに参画した元バイヤー。現在でも、多数のメディアで連載を抱える土井英司が、旬のビジネス書の儲かる「読みどころ」をピンポイント紹介する無料メルマガ。毎日発行。
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