中国の甘い誘惑「日本と和解することで、日米分断をはかる」

 

「よいポジション」にいる日本

第2次大戦後のことを思い出してください。世界は、アメリカとソ連の「冷戦時代」に入りました。日本はアメリカ側にいて、「大きな利益」を得た。なぜかというと、「日本を軍事的に復活させたくない」アメリカが、日本の安全保障を全面的に引き受けた。結果、日本は経済成長にのみ集中し、40年間つづく「奇跡の成長」を実現したのです。

しかし、ソ連が崩壊した頃、日本経済は暗黒の20年」に突入しました。アメリカで日本異質論」が台頭。アメリカは、「ソ連の後は日本だ!」とばかりに、激しいバッシングを行った。

あれは、なんだったのでしょうか? わかりますね? アメリカは、「覇権を維持したいのです。アメリカは、宿敵ソ連と組んで、日本、ナチスドイツをぶちのめした。その後は、敵だった日本、(西)ドイツと組んでソ連を崩壊させた。その後は、「経済覇権」の脅威だった日本経済をバッシングした。

それだけが理由ではありませんが、結果として日本は、「25年間GDP水準が変わらない」という驚愕の事態になっている。1人当たりGDPも、世界2位から27位(2014年)に転落した。

繰り返しますが、日本経済の低迷は、アメリカだけが原因ではありません。しかし事実として、アメリカはソ連崩壊後、せっせと「日本バッシング」をしていたのです。

その後もアメリカは、さまざまな国と戦争したりバッシングしたりしてきました。そして2015年、アメリカは、はっきりと中国に狙いを定めたのです。

アメリカ中国覇権争奪戦が起こっている。

このことを、私たちははっきり知っておく必要があります。そして、アメリカから見ると日本は、「中国と戦うための味方」である。あたかも冷戦時代日本は、「ソ連と戦うための味方」であったように。

「反日統一共同戦線」戦略では、「アメリカと中国が組んで、日本を叩きつぶす」となっていた。ところが、日米中関係は二転三転し、現在は、「日本とアメリカが組んで中国を叩きつぶす」になっている。「米中が一体化して日本をつぶす」と比べると「ずいぶんマシなポジションだ」といえるでしょう。

日本が注意すべきこと1~中国の誘惑にダマされるな!

2012年11月から現在に至るまで、中国は全世界で「反日プロパガンダ」をつづけています。相当な成果をあげているものの、「AIIB事件」でアメリカを怒らせ、逆に日米が親密になってしまった。

で、今年中国はどう動くのか

はっきりわかるのは、「日本と和解することで日米分断をはかる」。

2015年3月までは、「日本の悪口をひろめることで、アメリカを日本から引き離す」作戦だった。今は、「日中関係を良好にすることで日本をアメリカから引き離す」作戦に変更しています(しかし、「反日プロパガンダ」も継続中)。

中国は、「GDP世界1のアメリカと3位日本が一体化していたら勝てない」ことを知っている。だから、いろいろな作戦で、「日米分断工作」を行う。見た目の言動は変わりますが、背後の「戦略」は不変なので要注意です。

何が言いたいかというと、「日本は中国に接近しすぎるな!」ということ。

習近平が「会いましょう」といったら会って、「私は、小さい頃三国志が好きで、特に諸葛孔明にあこがれたものです。今は日本の首相になって、孔明というよりは劉備に近いですが。孔明のような有能な軍師がいないのが悩みです。習主席は、有能な人々に囲まれてうらやましいかぎりです」などと世間話に終始し、具体的な投資話」などは無視することです。

日本外交今年の注意点

中国の戦略は日米分断

中国は今年、「日本に接近する」ことで、日米分断をはかる。だから、日本は、中国に接近しすぎてはならない

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