『真田丸』第2話をマニアック解説。武田勝頼の最期は民家で雑魚寝?

2016.01.17
by yomeronpou
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先週から遂にスタートしたNHK大河ドラマ『真田丸』。脚本は2004年に『新選組!』を手掛けて人気を博した三谷幸喜。主演の堺雅人をはじめ、長澤まさみ、大泉洋、内野聖陽、木村佳乃など、豪華顔ぶれが勢揃い。そんな『真田丸』をもっともっとデイープに楽しみたい……。そんな方のために、MAG2 NEWSではナワバリストと呼ばれる城郭研究家たちが、毎回のドラマをさらに楽しむためのワンポイント解説をお送りいたします。これを読むだけで『真田丸』を10倍楽しく観れますよ。

今週のワンポイント(1月 17日)

今回のワンポイントは岩殿城。ドラマ中では、小山田信茂が「岩殿城主」として紹介されているが、 実際に小山田氏が岩殿城を居城としていたわけではない。小山田氏代々の屋敷は、都留市の中津森屋敷といわれている。だから、史実に即するならば、小山田信茂は「郡内の領主」とするべきだが、それを言うなら、そもそも武田氏時代には「甲府」「新府」の地名も使われていない。

新府城は単に「」「新館」と呼ばれていただけだった。これを忠実に再現していっても、多分ほとんどの視聴者には意味がわからないだろう。「郡内の領主」と言って、パッとわかるような戦国史マニアは、視聴者のごく一部でしかないのだから。そういう意味で、ドラマにはどうしても方便が必要になるわけだ。

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ところで、笹子峠を越えられなかった勝頼が北に向かったのは、北条領(武蔵)への亡命を考えたからだと、僕は思っている。

まあ、詳しい事を知りたい方は拙著『東国武将たちの戦国史第9章をお読み下さい(宣伝御免)!

ちなみに『甲陽軍鑑』によれば、勝頼一行が最後の夜を過ごしたのは普通の民家、主従十数人での雑魚寝だったらしい(;_;)

今週のワンポイントイラスト

1回目の放送後、はかなくて美しい様子から「悲劇のヒロイン…!」と話題を独占した武田勝頼。ドラマでは描かれませんが、最後の夜はこんな感じで雑魚寝していたのではないでしょうか…(;_;)

 

文・絵/TEAM ナワバリング(西股総生・みかめゆきよみ)

ナワバリスト(城郭研究家)の西股総生率いる、お城(主に山の城)と縄張りを愛する3人組

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