毎年恒例「映画野郎」2015年ベストテン特集。1位の作品はコレだ!

 

KANTO:「007 スペクター」は、「スター・ウォーズ」と同じ間違いを起こしている気がします。過去作のオマージュを、シリーズ作品でやって欲しくない。と言うか、やった結果がコレという気が。

小川:あ~、なるほど。そのオマージュを良しとするかどうかだね、「007 スペクター「と「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」は。話をスパイ映画豊作にもどしますと、2015年は「キングスマン」を始め「ミッション:インポッシブル~」、あと総合ベストテンには入らなかったけど16点の17位に入った「コードネームU.N.C.L.E.」など、超良質なスパイ映画のあとに冒頭シーン以外はクラシカル要素に共感が持てないとピンと来ない「007スペクター」は、唯一好評価をしているボクがベストテンに入れなかったら誰もいれませんよ。

KANTO:そう言えば、僕が力を入れて2位に推した「コードネームU.N.C.L.E.」はランク外でした(笑)。

小川:「キングスマン」を誉めつつも、ボクも「コードネームU.N.C.L.E.」は「キングスマン」よりも1つ高く評価したんですよね。音楽良かったし、60年代ムードがムンムンだったし。

原口「コードネーム~」も面白かったけど、ただ「キングスマン」「ミッション:インポッシブル~」と比べちゃうとちょっとテンションが落ちるかなー。割を食ったかも。あとベストテン中で、ちょっと毛色が違うかなと思ったのが「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」。自分観てなくて、内容的に映画野郎読者向きじゃないんじゃないかと思って、アンケート用のノミネートリストにも入れてなかった作品だけど、投票する人が多くてびっくりした。

KANTO:アンケート用のリストに外れていて、最初「え?」と思いました。ああ、そうか。このジャンルは、映画野郎向きとは言えないのか。いや、違うだろ。料理の世界のスポ根じゃんと、個人的には憤慨したんですけどね。

原口:いや、観た人だったらそう思うのかも知れないけど、観てなくて宣伝的な部分しか拾っていなければ、グルメが絡んだヒューマンな感動作かなって思いますよ。あと2012年に「シェフ! ~三ツ星レストランの舞台裏へようこそ~」って似たタイトルの映画があって、それと印象がごっちゃになったというのも。

小川:「アイアンマン」を手掛けたジョン・ファブローが監督、主演をやっているから非「映画野郎」的な映画じゃないことはなんとなくは察したけど、結構観ていた人が多いことに驚きました。

KANTO:監督自ら主演していて、結構極端なキャラなんで、惹きつけられましたよね。

原口:そんなに男泣きな要素が強いなら観ないとイカンですね。うーむ。

小川:今回のベストテンの主役こそは「マッドマックス~」でしたが、助演的な存在とも言える「ナイトクローラー」も健闘ですよね。これは外せなかった!

原口: 今回サスペンス系では最高位で、僕もランク上位に入れましたね。TV局のスクープ合戦という業界内幕モノの面白さがあり、スクープにのめり込んでいく主人公の狂気の描き方も凄かったし、終盤の展開も衝撃的でした。オスカーの脚本賞にノミネートされるだけありますよ。コレ観てない人はもったいない!

KANTO:今回の、未見なのが申し訳ないという映画の1本ですね。観ていたらランクインしていた可能性が高いです。

小川:あと個人的には狂気と陰惨さが際立つ「フォックスキャッチャー」がちゃんとランクインしているのも嬉しかったですね。同じ去年のアカデミー賞候補の「セッション」と「アメリカン・スナイパー」のベストテンのランクインはあっても、「フォックスキャッチャー」は個人のベストテンだけだと思っていましたのでね。

原口:「フォックスキャッチャー」は内藤瑛亮監督が1位に推したのがデカかった。

小川:なるほど! 流石は「先生を流産させる会」の監督だけある! 大納得! 内藤監督の作品の暗さと「フォックスキャッチャー」の暗さは通じますよ!

KANTO:「フォックスキャッチャー」と「アメリカン・スナイパー」も未見で申し訳ないとしか言いようがありません。ちなみに、最近ようやく「ストレイト・アウト・コンプトン」も観ましたが、これも年内鑑賞に間に合ったら、ベストテンは変わった可能性があります。あくまで、自分の中では、今年鑑賞作にしますけど。

原口:僕が未見ですみません、と思ったのは、「ザ・トライブ」かな。公開当時MUNEさんが絶賛していて気になっていたんだけども、間に合わなかった。ベストテン内で唯一のR18+作品だし、自分も観たら順位が変わったかも。

小川:ボクも「ザ・トライブ」については同意見ですね。ボクも去年は見逃した映画が多くてね。

原口:ランキング全般をみて、やはり思うのが、日本映画の得票が圧倒的に少なかったことですね。ベストテン内に日本映画ゼロというのは今回が初。日本映画の最高位が14位の「野火」で、その他も目立った票が入らずで。これをどう見ますか。

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