2ヶ国語以上話すバイリンガルは認知症になりにくい、カナダの科学者

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高齢化社会を迎えた日本で、切実な問題になりつつある高齢者の「認知症」。しかし、この認知症に関する驚きのデータが。なんと、長年にわたって2ヶ国語以上を話すバイリンガルの人は認知症になりにくい、という研究結果がカナダの科学者より発表されました。無料メルマガ『Dr.ハセのクスリとサプリメントのお役立ち最新情報』では、その研究内容について詳しく説明しています。

ボケ防止に、外国語をどうぞ

先日、「PPK(ピン・ピン・コロリ)の里」として知られる、長野県佐久市に行ってきました。そして、ボケてピンピンにはなりたくないので、「ぴんころ地蔵尊」にも丁寧にお参りしてきました。

そこで今日は、ボケ防止に関するお話を。2つ以上の言葉を自由に話せるバイリンガルの人は、認知症になりにくいそうです。

カナダの科学者が、長年にわたって2カ国語を話すバイリンガルは、1ヶ国語しか話さない人に比べて、認知症になるのが4年も遅れるという報告をしています。Baycrest老化及び脳研究所(the Baycrest Research Centre for Aging and the Brain)のEllen Bialystok博士らがみつけたもので、神経心理学誌Neuropsychologiaに報告されたものです。

研究では、2002年から2005年の間に、Baycrest’s Sam and Ida Ross Memory Clinicで診察された184名の認知症患者さんの検査記録を調べました。そのうち、91名はモノリンガルの人で、93名はバイリンガルだったということです。

これらバイリンガルの人の言語は、25カ国語にも上り、特に、ポーランド語、イディッシュ語(米国や東欧などのユダヤ人移民の間で話される、ヘブライ語、ドイツ語、スラブ語が合わさってできた言語)、ドイツ語、ロシア語及びハンガリア語が多かったそうです。

また、このうち132名の患者はアルツハイマー型認知症で、残り52名はその他の認知症でした。これらの患者さんの認識能力を示すMMSEスコア(Mini-Mental State Examination)、教育歴、仕事などのデータを解析したところ、MMSEスコアは、バイリンガルもモノリンガルの人も同程度で、機能的障害のレベルは同等だったそうです。

ところが機能障害が初めて観察された時期を調べたところ、モノリンガルの人は平均71.4歳だったのに対し、バイリンガルでは75.5歳と、驚く事に4年もの差があることがわかりました。文化的な違い、移民歴、教育歴、職歴及び性別などを考慮しても、その差は明らかだったそうです。

研究者らも、使用する言語の数によってこのような大きな差があるとは思っていなかったということで、言語中枢をよく使用することにより知覚神経活性化されるのではないかとされています。

バイリンガルとまでは行かなくとも、英語を勉強すれば、すこしでも効果があるのではないかと期待して、この話題を取り上げてみました。

image by: Shutterstock

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